記事・インタビュー

2020.09.03

ドイツ医師免許対策(4)「痛み以外の症状」の表現②

ドイツ医師免許対策

「痛み以外の症状」の表現②

現病歴の次は「Vegetative Anamnese」の聴取です。主訴以外の随伴症状を聞き出すのが目標です。前回までの「痛み以外の主訴」にも含まれていた症状の繰り返しになります。

私は次の7つの質問を忘れずにするようにしていました。(もちろん、仮に主訴が熱であるなら、熱の質問は飛ばします。)時間勝負の試験であるため、文章は覚えやすく時間をかけないよう、最も短くしています。

“Haben Sie Fieber oder Schüttelfrost?”
ー熱や寒気はありますか?ー

“Essen Sie gut?“
ー食事は十分に取れていますか?ー(食欲“Appetit”の有無)

“Haben Sie kalten Schweiß bemerkt?”
ー冷や汗は感じましたか?ー

“Haben Sie Übelkeit, Durchfall oder Erbrechen?”
ー吐き気、下痢、嘔吐がありましたか?ー

“Haben Sie ein Problem mit dem Stuhlgang oder beim Wasserlassen?”
ー排尿や排便の際に問題はありますか?ー
(「排便の問題」には便秘を含みます。夜間尿や排尿時痛もこの時に聞くことができます)

“Haben Sie Schwierigkeiten, einzuschlafen oder durchzuschlafen?”
ー寝つきが悪かったり、途中で目が冷めたりしますか?ー

“Haben Sie Schwierigkeiten beim Geschlechtsverkehr?”
ー性行為の際に、何かしら問題はありますか?ー

“Hat sich Ihr Gewicht in letzter Zeit merklich verändert? Haben Sie ab- oder zugenommen?”
ー最近、顕著な体重の変化はありましたか? 増えましたか? 減りましたか?ー

これらのVegetative Anamneseは、ドイツの医学教育では聴取が必須とされています。試験でも模擬患者は大抵主訴以外の症状を持っていて、「聞かないと答えてくれない」といった意地悪をしてきます。上級医へのプレゼンの際にも、「なんで聞かなかったんだ」とチクチク言われます。要注意です。

 

 

<プロフィール>

安 健太(あん・けんた)
カールスブルグ心臓糖尿病センター
心臓血管外科 医師

2004年滋賀医科大学卒業。現在ドイツで医師免許取得し、心臓外科医として働いています。空手三段。学生時代に世界大会・アジア大会に出場経験あり。東京五輪で空手が正式種目となりました。あと16年早かったらな…と思いつつ、遠くドイツからオリンピックの成功を願っています。

安 健太

ドイツ医師免許対策(4)「痛み以外の症状」の表現②

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