記事・インタビュー

2020.08.20

ドイツ医師免許対策(2)問診の進め方

ドイツ医師免許対策

問診の進め方

FSPではちょくちょく外傷症例が取り上げられることもありますが、大半は疾患となります。「主訴=Hauptbeschwerden」にはいろいろありますが、まずは仮に「痛み=Schmerzen」の場合、どのようにAnamneseを進めていくのかを3回に分けてまとめてみます。

[場所]
“Wo tut es Ihnen weh?”

ーどこが痛みますか?ー

[強さ]
“Wie stark sind die Schmerzen auf einer Schmerzckala von 1 bis 10?”

ーその痛みは10段階でどれくらい痛いですか?ー

これは結構大事で、痛みを10段階で尋ねるのは常套手段です。「我慢できない痛み」は「unverträgliche Schmerzen」で、これが10点になります。

[性質]
“Wie sind die Schmerzen?”

ーどんな痛みですか?ー

痛みの性状にはいろいろあります。「stechend=刺すような/チクっとした」「brennend=焼けるような」「drückend=押されるような」「pulsierend=拍動するよう/ズキズキした」「dumpf=鈍い」「ziehend=引っ張られるような」など。お腹の痛みで、特に疝痛は「Kolikもしくはkolikartige Schmerzen」と表現します。

[発症時期]
“Seit wann haben Sie die Schmerzen?”

ーいつから痛みますか?ー


痛みの聴取についての2回目です。

[発症様式]
“Können Sie mir bitte beschreiben, wie die Schmerzen aufgetreten sind? Haben sie eher langsam oder plötzlich begonnen?”

ー痛みはどう始まりましたか? ゆっくり? それとも急に発症しましたか?ー

痛みに限らず、症状が出現することはauftretenで表現します。

“Die Schmerzen sind gertern plötzlich (langsam) aufgetreten.”
ー痛みは昨日、突然(徐々に)発症しましたー

といった感じです。

[放散]
“Strahlen die Schmerzen aus? Wenn ja, wohin strahlen die Schmerzen aus?”

ーその痛みは放散しますか? もしそうなら、どの方向に向かいますか?ー

経過①:
“Wie haben sich die Schmerzen im Verlauf verändert? Haben sie sich verbessert oder verschlechtert?”

ー経過の中で、痛みはどのように変化していますか? 軽快? それとも悪化していますか?ー

経過②:
“Sind die Schmerzen dauerhaft oder treten sie nur hin und wieder auf?”

ー痛みは持続性ですか? それとも、出たり消えたりしますか?ー

経過③:
“Wie lange dauern die Schmerzen an?”

ーその痛みはどれくらい持続しますか?ー


主訴の聴取3回目です。痛み以外の主訴であっても、Schmerzenの部分を入れ替えれば応用が効きます。大体これくらい聞いておけば、聞き漏らしはなくなると思います。

[増悪寛解因子]
“Gibt es etwas, das die Schmerzen verbessert oder verschlechtert?”

ー何かしら、その痛みを改善させたり、悪化させたりすることはありますか?ー

例としては「姿勢=Haltung」「労作=Belastung」「食事=Essen」などがあります。

[随伴症状]
“Gibt es denn noch zusätzliche Beschwerden, wenn die Schmerzen auftreten?”

ーその痛みが出た時に、他の症状を伴いますか?ー

この例としては「吐き気 =Übelkait」「冷や汗=kalter Schweiß」などが挙げられます。

“Hatten Sie so etwas früher schon einmal?”
ーこれまでに同様の症状はありましたか?ー

“Sind Sie deswegen schon bei einem anderen Arzt gewesen?”
ーこれまで同様の症状で他の医師を受診したことありますか?ー

“Haben Sie sonst noch irgendwelche Beschwerden?”
ーその他に症状は?ー

<プロフィール>

安 健太(あん・けんた)
カールスブルグ心臓糖尿病センター
心臓血管外科 医師

2004年滋賀医科大学卒業。現在ドイツで医師免許取得し、心臓外科医として働いています。空手三段。学生時代に世界大会・アジア大会に出場経験あり。東京五輪で空手が正式種目となりました。あと16年早かったらな…と思いつつ、遠くドイツからオリンピックの成功を願っています。

安 健太

ドイツ医師免許対策(2)問診の進め方

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