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2020.09.17

ドイツ医師免許対策(6)既往歴・内服薬編①

 

ドイツ医師免許対策

既往歴・内服薬編①

現在の症状をひたすら聞き終えた後、既往歴の質問に移ります。
既往歴は「Krankengeschichte」もしくは「Vorerkrankungen」と言います。

“Gibt es in Ihrer Krankengeschichte wichtige Erkrankungen, von denen ich wissen sollte?”
ー過去の病気で、私が知っておくべき大事な疾患はありますか?ー

ザックリですが、試験ではこう質問して、模擬患者が話すのを聴取するのが早くていいと思います。

普段から罹っている高血圧などの慢性疾患は「Chronische Erkrankungen」と言います。前出の質問だと、普段から罹っている慢性疾患が「大事な疾患」に含まれるのかどうか、ちょっと微妙なので、追加で聞くようにしています。

“Leiden Sie an Chronischer Erkrankungen?”
ー慢性疾患を患っていますか?ー

「高血圧」は「Bluthochdruck」で、専門用語では「Arterielle Hypertonie」といいます。(「アーテリエーレ ヒュパトニー」と発音します)

「糖尿病」は「Blutzuckerkrankheit」ですが、一般には「Zucker」(本来の意味は「砂糖」)だけで通じます。専門用語は「Diabetes Mellitus 」。一般の人でも普通に「Diabetes(ディアべテス)」は通じるのですが、試験の模擬患者は頑なに知らないふりをしてくるので注意です。

あと、海藻を食べないドイツでは「甲状腺疾患=Schilddrüseerkrankung」が多く、そちらも注意です。後で行うプレゼンで、造影剤を用いた検査が必要となった際に議論にあがります。専門用語では「甲状腺機能亢進症=Hyperthreose」「甲状腺機能低下症=Hypothreose」となります。

手術歴は
“Waren Sie schon mal operiert?”
ーこれまで手術を受けたことがありますか?ー
とザックリ聞いてしまいます。

次は現在内服中の薬やアレルギー、嗜好についての質問です。

“Nehmen Sie derzeit Medikamente ein? Wenn ja, welche?”
ー現在、薬を飲まれていますか? もしそうなら、何を?ー

この質問は大事です。かなり高い確率で、模擬患者は何かしらの内服をしています。薬の量もしっかり聞いておかないといけないのですが、たまに模擬患者も分かってないことがあります。設定の詰めが甘いのか、逆にリアルを追求した結果なのかは分かりませんが……。

“Haben Sie Allergie? Wie sieht die allergische Reaktion aus?”
ーアレルギーはありますか? どんな症状が出ますか?ー

“Rauchen Sie? Wenn ja, wie viel Zigaretten rauchen Sie pro Tag und seit wie vielen Jahren?”
ータバコを吸いますか? 日に何本吸いますか? 何年前から吸っていますか?ー

“Trinken Sie Alkohol? Wie viel Alkohol trinken Sie ungefähr am Tag?”
ーお酒は飲みますか? 日にどれくらい飲みますか?ー

語学学校で聞いた話ですが、ドイツではアルコール飲料(ウォッカとかウィスキーとか)は全て男性名詞となるそうです。「でも、ビールは中性名詞ですよ」と先生に言ったら、「何言ってんの? ビールは水でしょ?」(水は中性名詞)と言われました。マジか、ドイツ……(試験ではちゃんと、ビールはアルコールと認識されています)

“Nehmen Sie sonstige Drogen ein, z.B. Cannabis, Kokain, Heroin etc.?”
ーそのほか、何かしら麻薬を使用していますか? 例えば、大麻、コカイン、ヘロインなどー

これも要注意! 実際に診断が薬物中毒であることが稀にあるそうです!必ず聞くようにしてください!

 

 

<プロフィール>

安 健太(あん・けんた)
カールスブルグ心臓糖尿病センター
心臓血管外科 医師

2004年滋賀医科大学卒業。現在ドイツで医師免許取得し、心臓外科医として働いています。空手三段。学生時代に世界大会・アジア大会に出場経験あり。東京五輪で空手が正式種目となりました。あと16年早かったらな…と思いつつ、遠くドイツからオリンピックの成功を願っています。

安 健太

ドイツ医師免許対策(6)既往歴・内服薬編①

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