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2022.06.01

医師国保のメリットとデメリット、国保との違いとは?

医師国保のメリットとデメリット

医師が加入できる健康保険に「医師国保」というものがあります。通常の国民健康保険と異なる点や、加入のメリット・デメリットはどのようなものでしょうか?

医師国民健康保険組合とはどのような保険か?

日本は国民全員が何らかの健康保険に加入する「国民皆保険」ですが、加入する保険組合はさまざまです。
自営業か会社勤務か、さらに勤務先によっても加入する保険組合は異なります。会社独自で、あるいは同業種で健康保険組合をつくる場合も多くあります。その中で医師会に所属する医師が加入できる健康保険が「医師国民健康保険組合」、いわゆる「医師国保」です。
医師国保に加入できるのは、地区の医師会か大学医師会に所属する医師とその家族や従業員です。
東京都医師国民健康保険組合の場合、開業医とそこに勤める常勤医、医療法人のクリニックに勤める非常勤医、大学医師会に所属する勤務医が「第1種組合員」になります。事業主が医師国保に加入している常勤医も第1種として加入できます。
個人や法人のクリニックに勤務する常勤従業員やパート従業員が「第2種組合員」にあたり、パート従業員の場合は、勤務時間や日数が基準を満たしていることが条件となります。
医師会により医師国保の分類や加入基準などが異なるので、詳しくは所属する医師会に問い合わせてください。

国民健康保険と医師国民健康保険組合との違い

さまざまな健康保険の中で、自営業者などが加入するのが国民健康保険です。
個人事業の場合、従業員数が5人未満の事業所では社会保険の加入義務がないため、クリニックの多くは、事業者の保険料負担がない国保か医師国保を選択しています。
一方、従業員数5人以上のクリニックや医療法人の場合は、社会保険の加入が義務付けられています。
国保と医師国保の大きな違いは保険料。国保は収入に応じて保険料が変わりますが、医師国保の場合は収入に関係なく一定で、年収が上がっても保険料負担が増加することがありません。
通常、法人になると社会保険に加入することになり、医師国保に加入することはできません。しかし、個人事業としてあらかじめ医師国保に加入していた場合、その後法人化しても引き続き医師国保に加入することができます。

医師国保に加入するメリットとは?

医師国保に加入するメリットは、収入にかかわらず各組合員の保険料が決まっているため、国保と比較すると保険料が割安になる場合が多いことです。
医師国保には、医師だけでなく従業員や医師の家族も加入できます。医師国保も通常の健康保険と同様に、医療費の一部負担制度や各種健診があり、高額療養費の一部払い戻しや出産一時金の支給もあります。
もともと個人事業所であったクリニックが医師国保に加入していた場合は、法人化した場合もその加入資格を引き継げるため、新たに社会保険に加入する必要はありません。

医師国保に加入することによるデメリット

医師国保のデメリットは、自家診療分の保険請求ができないことや、1人当たりの保険料が決まっているため給与が少ない場合は保険料負担が大きいこと、扶養家族の人数が増えればそのまま保険料が増加することなどです(自家診療については薬剤のみ請求できる医師国保もあります)。
また、世帯全員が医師保険に加入しなければならないため、同世帯に国保に加入している人がいる場合は医師国保に変更する必要があります。
従業員数の条件を満たしていても、医療法人は医師国保に加入することはできません。この場合は社会保険に加入する義務があり、従業員の社会保険料の一部を負担することになります。社会保険料負担をなくすため、いったん医師国保に加入してから医療法人化する、という方法をとるケースもあるようです。
所属する医師会によっては医師国保が存在しない都道府県もありますので、医師国保への加入を考えている場合は、まずは所属する医師会に問い合わせてみるとよいでしょう。

医師国保のメリットとデメリット

一方で「医師国保」は従業員5人未満の個人事業所の事業主とその従業員、大学医師会勤務医が対象です。
開業医でも、事業所を法人化している場合、もしくは従業員が5人以上いる場合は、社会保険である協会けんぽ等に加入する必要があります。

※こちらの記事は2018年7月7日掲載されたものです(最終更新:2018/07/07)

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