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2023.10.24

書評『薬メモ! 臨床ギモンの解決ノート』 日常の薬剤のなぜ? どうする? を解消しよう

民間医局が、専攻医・研修医・医学生におすすめ書籍を集めた「医書マニア」。

医学書を読むのが大好きな先生方が初学者に向けた医学書解説・比較の医学書レビューと、日々医師のために医学書を作る出版社の担当者がおすすめの良書をこちらで集めて発信していきます。

購入先のリンク(Amazon)も掲載していますので、お気に入りの書籍があればご購入ください。

レビュー:三谷雄己先生(踊る救急医先生)

  • COX2でNSAIDs潰瘍予防って必要? 必要なシチュエーションは?
  • ミロガバリンって実際どうなの?
  • トラマドールのリアルな使い方は?

これらは、最近私自身が整形外科医として働いている中で、「少し気になるけど勉強し直せていない」という疑問の数々です。

整形外科での日々の業務中に感じていたこれらの疑問を、ある本を通して解消することができました。

その本の名前は「薬メモ! 臨床ギモンの解決ノート」(大田和季/編著、藤田大智/執筆協力、角野 ふち/イラスト、じほう)。

そして、この本を手に取ったきっかけは、私が大ファンであり、この本のイラストを担当しているイラストレーターの角野ふちさんからのご贈呈でした。

本書を読むことで、

仕事で本当に役立つ薬の情報を、気軽に・楽しく身につけることができます。

楽しんで薬剤を学んでみたい、そんな薬剤師、看護師、学生の皆さんにおすすめです。

今回、臨床における薬剤の取り扱いを楽しく学びたいときに読むべき一冊として自分が自信をもっておすすめするのがこちらです。

薬メモ! 臨床ギモンの解決ノート
大田 和季 ( 編著)、藤田 大智 ( 執筆協力)、角野 ふち ( イラスト)/ じほう 発行
価格:3,740円(税込)
発刊:2023/7/21
Amazon

書評『薬メモ! 臨床ギモンの解決ノート』
    1. 1.本書のターゲット層と読了時間
    2. 2.本書の特徴
    3. 3.個人的総評
    4. 4.おすすめの使い方・読み進め方
    5. 5.まとめ
    6. 6.医書レビュー

1.本書のターゲット層と読了時間

【ターゲット層】
・仕事で本当に役立つ薬の情報を、気軽に・楽しく身につけたい薬剤師、看護師、学生

【推定読了時間】
・7~8時間程度

2.本書の特徴

本書は、病院薬剤師/感染制御認定薬剤師の大田和季先生による編著です。

●初学者向けに、非常にわかりやすい文体で薬の使用法が解説されている
●コミカルなストーリーと楽しいイラストが豊富である

が特徴の一冊です。

本書を読むことで学べる項目は特徴的なものをピックアップすると、このようになります。

【本書で学べること】
●医療現場の日常で遭遇する薬の疑問とその解決策
●薬学以外でも役に立つコラム

これらは、楽しく学びたい薬剤師、看護師、学生の皆さんにとっては、薬を学ぶ際の第一歩になる大切な事項だと思います。

3.個人的総評

本書の特徴はなんと言っても、医療現場の日常で遭遇する薬の疑問をコミカルなストーリーとともに解説してくれる点です。

個性的なキャラクターたちの世界を描くのは、どこでも見られるやさしい解剖生理学のWebサイト「からだずかん(https://karadazukan.com/)」で人気のイラストレーター・角野ふちさん。角野ふちさんのキャラクターたちが、わかりやすく丁寧に薬の疑問を解決してくれます。

ページ数も多すぎることなく簡潔にまとまっているので、苦痛を感じずに通読することができます。何より、本書は初学者にも理解しやすいよう、わかりやすく丁寧に解説してくださっているので、途中で挫折してしまうことも少ないと思います。見やすいイラスト、豊富な図表を使ってくださっているのでスイスイ読み進められます。

加えて、本書では薬学以外にも臨床現場にて役に立つコラムがちりばめられています。シリンジのエアー抜きの解説をはじめとした、目から鱗の内容ばかりでした。仕事で本当に役立つ薬の情報を、気軽に・楽しく身につけたい方、特に薬剤師や看護師、学生の皆さんには、この本が本当におすすめです。本書は現場のギモンから生まれた、最高にとっつきやすい実践書であると言えます!

最後に、僕自身のオススメ度が高いのは総評を見ていただければわかるとは思いますが、何よりアマゾンでの評価の高さが本書の素晴らしさを物語っていますよね…!

これらは本書への個人的な評価であり、しかも何様だよと言われてしまうことは重々承知ではありますが、本書は臨床における薬剤の取り扱いを楽しく学びたいときに読むべき一冊と感じました。

4.おすすめの使い方・読み進め方

【本書のおすすめの読み方・活用方法】
●これまで悩んだ疑問を思い出しながらまず通読!
●時間がない方は、興味のある分野の目次を参考にしてつまみ食い感覚で読んでみる
●目次を見ながらさらっと通読して、どこに何が書いてあるかざっくり把握(付箋を貼るのも良いでしょう)
●その後は皆さんが経験した症例の前後で読み直して復習!

私個人の意見としては、この本を読むことで、自分が潜在的に抱いていた疑問がどんどん解消され、臨床業務がより楽しくなると感じました。

そのため時間がある方は、まずは通読をおすすめします!

本書は全体を通して読みやすく、楽しみながら通読できることと思います。その際はぜひ、自分自身が過去に感じていた疑問や悩みを思い出しながら読んでみて下さいね。内容がより深く理解でき、さらには定着もしやすくなるかと思います。

一方で時間が限られている方や、特定のテーマに興味がある方は、目次を参考にしてその部分だけを読むのも良い方法だと思います。つまみ食い感覚で読むことで、自分の関心に合わせて効率的に情報を得ることができます。

その他、全体の流れをつかむために、目次を見ながらざっくりと内容を把握するのもおすすめ。特に重要な部分や後で読み返したい部分には、付箋を貼っておくと後で探しやすくなります。特に、自分の専門分野以外の薬剤の疑問についても学ぶことで、今後の診療に役立つことが多いと実感しています。

その後は何度も繰り返して読むことで、自分の知識として定着させることができるのではないでしょうか。

5.まとめ

本書は臨床における薬剤の取り扱いを楽しく学びたいときに最適な一冊である!

まとめると、本書は薬剤について、わかりやすく、かつ楽しく学ぶことができる初学者の方には本当におすすめの一冊です。

この一冊を通じて学ぶことで、

仕事で本当に役立つ薬の情報を、気軽に・楽しく身につけることができます。

今後の学びや業務をより良いものにしたい方には是非手にとっていただきたい一冊です。

以下に要点や基本事項をまとめましたので、

購入する際にはぜひ参考にしていただければ幸いです。

6.医書レビュー

基本情報 タイトル:薬メモ! 臨床ギモンの解決ノート
著、編集:大田 和季/編著
出版社:じほう
発行年月日:2023/07/21
ターゲット層

●医学生から後期研修医・看護師

推定読了時間

7-8時間程度

本書の特徴

●初学者向けに、非常にわかりやすい文体で薬の使用法が解説されている
●コミカルなストーリーと楽しいイラストが豊富である

本書で学べること

●医療現場の日常で遭遇する薬の疑問とその解決策
●薬学以外でも役に立つコラム

評価
購入先

本書の読み方・活用方法

●これまで診療の際に悩んだ疑問を思い出しながらまず通読!
●時間がない方は、興味のある分野の目次を参考にしてつまみ食い感覚で読んでみる
●目次を見ながらさらっと通読して、どこに何が書いてあるかざっくり把握(付箋を貼るのも良いでしょう)
●その後は経験した症例の前後で読み直して復習!

本書のまとめ 本書は臨床における薬剤の取り扱いを楽しく学びたいときに最適な一冊である!

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★今回の書籍以外にも、踊る救急医先生の医学書レビューはこちらのページで読むことができます!
想定読者や各診療科ごとにわかりやすくまとめられているので、興味がある方はぜひ参考にしてみてくださいね。
詳細はこちら≫https://dancing-doctor.com/2021/03/31/review-reader/

<プロフィール>

三谷 雄己(みたに ゆうき)先生
広島大学救急集中治療医学所属
広島大学病院 救急科 医科診療医
日本医師会公認健康スポーツ医
日本救急医学会認定ICLSインストラクター

立派な救急医を目指し、指導医の先生方に教えていただきながら日々修行させていただいています。
信念である「知行合一」を実践できるよう、臨床で学んだ内容をアウトプットすることで心掛けております。


【踊る救急医】
Twitter https://twitter.com/houseloveryuki
ブログ https://dancing-doctor.com/

三谷 雄己【踊る救急医】

書評『薬メモ! 臨床ギモンの解決ノート』 日常の薬剤のなぜ? どうする? を解消しよう

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