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2024.05.20

2023年出版の救急・集中治療の医学書おすすめ8選

はじめに

2023年もたくさんの素敵な医学書との出会いがありました!

今回は、救急の学び発信+医学書フリークという立ち位置で普段発信している自分らしく、 2023年に出版された救急・集中治療領域の医学書の中で、特におすすめの8冊を順不同でご紹介させていただきます。

きっとあなたにおすすめの一冊が見つかると思いますので、興味がある方はぜひ手にとってみてくださいね!

2023年出版の救急・集中治療の医学書おすすめ8選
    1. 1.『先生、病棟で急変です!当直コールの対応、おまかせください!』
    2. 2.『ICU思考のつくりかた』
    3. 3.『夜の勤務のサバイバル』
    4. 4.『ER・ICU 300のくすり』
    5. 5.『ER虎の巻 ピットフォールから学ぶ救急診療の要』
    6. 6.『今すぐ知りたい血清療法の実臨床 謎となぜ55』
    7. 7.『気管切開 包括的ケアマニュアル』
    8. 8.『こういうことだったのか!!CHDF・ECUM・PEトータルマネジメント』

1.先生、病棟で急変です!当直コールの対応、おまかせください!

著者である藤野先生より贈呈いただいた本書。

当直は、昼間の時間帯の勤務と同様の医療リソースがありません。

特に研修医の先生方は、自身の当直で急変患者さんが来ると、自身の持つスキルや手技で「対応しきれるかな?」という不安を抱くのではないでしょうか。

そして、1つ1つの手技への不安が、当直への大きな苦手意識へとつながってしまうことがあります。

本書を読むことで、今後当直への苦手意識が減り、自信を持って対応することができること間違いなしです。

患者さんの急変に幅広く対応することを目指す本書では、急変や当直コールといった、誰もが不安な対応を学べる一冊となっています。

特に、ありがちな症候学のみの書籍ではなく、時間軸に分けて介入すべきことや思考回路を整理して、緊急度ごとに分けて解説されているのが魅力でした!

ついつい焦ってしまう急患対応だからこそ、時間軸は本当に救急で大切な概念ですね。

本書は、当直への苦手意識を解消するために読むべき最初の一冊である

先生、病棟で急変です!当直コールの対応、おまかせください!
藤野 貴久 (著)/羊土社 発行
価格:3,960円(税込)
発刊:2023/2/15
Amazon

2.ICU思考のつくりかた

本書は、編著者である川上先生より贈呈いただきました。

急変対応から蘇生後の管理まで、ICUで学ぶべき内容を7日間の研修形式でまとめた一冊です。

全体的にコンパクトな構成で、ICU治療への入門書として最適な一冊だと思います。

私の大好きな対話形式で展開されており、随所に”明日から使える”ような学びが散りばめられています◎

1つ例を挙げると、「最終日の臨床疑問の調べ方」という項目はとても秀逸だと感じました。

次から次へと湧いてくる臨床疑問…。

そんな疑問への解決策は、「もっと早く知っておけば..」と思えるまさに目から鱗のTipsばかりでした。共著はまたそれぞれの視点や文体があって読んでいて楽しいですね。

本書はICU治療を学ぶ研修医、上級医にとって必読の参考書の一つである!

ICU思考のつくりかた
川上 大裕 (編集), Minatojima ICU GoodFellas (著)/中外医学社 発行
価格:4,840円(税込)
発刊:2023/3/3
Amazon

3.夜の勤務のサバイバル

当直業務を新たにスタートしたばかりの初期研修医。体力が持たない…

夜の勤務を少しでも快適に過ごすTipsを知りたいな…

というあなたにぴったりの一冊。

救急医、睡眠専門医、看護師の三者三様の視点から夜の勤務に関する問題や対策を網羅的に解説している一冊です。

夜の勤務時のチーム作りや申し送りのコツなど、明日から使えるTipsが満載でした。

夜勤は、今後の人生で数えられないほど経験するでしょう。

一度は本書を読んでおいて損はありません。

夜間に起こりうるトラブル全般に対して、普遍的な対処法を学べるのも魅力です◎

本書は、慣れない夜勤に挑むすべての医療従事者にとって目から鱗のガイドブックである!

夜の勤務のサバイバル
志賀隆 (著), 伊田瞳 (著), かげ (著, イラスト)/メディカル・サイエンス・インターナショナル 発行
価格:2,860円(税込)
発刊:2023/3/24
Amazon

4.ER・ICU 300のくすり

私も執筆に参加した本書(手前味噌で恐縮です…笑)。

しかし、忙しい現場に寄り添っている厳選情報が凝縮した一冊に仕上がっており、自分が自信を持っておすすめします。

そんな本書のモットーは「ネット検索よりも便利なハンドブック」です。

頻度や緊急度に加え類似薬の使い分け、薬剤師視点のコメントまで…現場に寄り添い考え抜かれた構成で、薬剤処方に関して”素早く”情報にアクセスできるところが魅力です◎

ERとICUでの頻用薬を網羅し、自信を持って処方できるようになるために読むべき一冊!

ER・ICU 300のくすり
志馬 伸朗 (編集)/中外医学社 発行
価格:4,180円(税込)
発刊:2023/12/1
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5.ER虎の巻 ピットフォールから学ぶ救急診療の要

本書は、臨床現場のピットフォール=落とし穴にフォーカスした書籍です。

臨床現場における成功例ではなく、失敗しやすい例から学ぶことができる点が非常に革新的だと感じました。

  • ピットフォールを中心に据えた切り口による、疑問点とその答え
  • 救急外来や当直でよく遭遇する疾患・症状ごとの、必要な知識やピットフォール回避方法

これら2点について学ぶことができます。 よくある疾患・症状の病態生理から診療の基本、ピットフォール回避術まで、上級医との対話ベースで解説しています。

知識の整理はもちろん、明日からの救急対応で失敗しないための活かしたい知識が盛りだくさんです◎

本書は救急外来における臨床疑問を根拠をもって解消することができるようになる一冊である!

ER虎の巻 ピットフォールから学ぶ救急診療の要
安田 英人 (編集), 柏浦 正広 (編集), 新里 祐太朗 (編集)/中外医学社 発行
価格:5,280円(税込)
発刊:2023/12/1
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6.今すぐ知りたい血清療法の実臨床 謎となぜ55

本書は、著者の一二三先生より贈呈いただきました。

本ブログをご覧になっている先生方は、血清療法について詳しく学んだことはございますか?

本書では、血清療法について専門医試験にも出てきた「ヤマカガシ咬傷」や「マムシ咬傷」のほか、「ハブクラゲ刺傷」などを扱っています。

さらには、治療のエビデンスはもちろん抗毒素製剤の気になるお金・供給事情まで…。

明日誰かに話したくなる知識が盛りだくさんです!

血清療法について、めちゃくちゃニッチなテーマを詰め込んだ読み応え抜群の単著です◎

動物咬傷、動物刺傷の疑問点を解決し、血清療法をもっと好きになる一冊である!

今すぐ知りたい血清療法の実臨床 謎となぜ55
一二三亨 (著)/日本医事新報社 発行
価格:6,050円(税込)
発刊:2023/11/20
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7.気管切開 包括的ケアマニュアル

本書は、監訳者の先生より贈呈いただきました。JSICM U35の繋がりに感謝です◎

「カニューレの縫合は必須?紐による固定の問題は?」 「カニューレ交換しにくい症例ではどう対応する?」 といった、現場でこれまで悩んだ疑問がしっかりとした根拠とともに解消される一冊でとても勉強になりました。

本書で学べる事項で、特に勉強になったと感じたのはこちらです。

  • 気管切開ケアに関連する体系的な知識
  • 臨床現場で頻繁には見ない症例への対応方法
  • 気管切開に関わる要点とその根拠

まさに”包括ケアマニュアル”の名の通りの一冊でした。

本書は気管切開について体系的に学ぶために欠かせない一冊である!

気管切開 包括的ケアマニュアル
藤澤 美智子 (翻訳), 髙田 順子 (翻訳), 武居 哲洋 (翻訳)/メディカル・サイエンス・インターナショナル 発行
価格:4,950円(税込)
発刊:2023/11/28
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8.こういうことだったのか!!CHDF・ECUM・PEトータルマネジメント

大好きな小尾口先生のシリーズだったので迷わず購入しました。

血液浄化療法を詳しく解説している本書は、日々の臨床で血液浄化療法について悩む専攻医や若手医師に最適です。

血液浄化療法に関する前作『こういうことだったのか!! CHDF』から得た基本知識をアップデートする目的で、続編である本書を購入しました。

それってHD よりECUM の方がよくない?
この症例はSLED の方が安全でしょ

などをはじめとする血液浄化療法で生じる疑問が氷解する一冊です。

個人的に、単著は著者の色が出て本当に大好きです◎

本書は血液浄化療法への知識をアップデートし、理解して使えるようになりたい際に読むべき一冊である!

こういうことだったのか!!CHDF・ECUM・PEトータルマネジメント
小尾口 邦彦 (著)/中外医学社 発行
価格:2,750円(税込)
発刊:2023/12/1
Amazon

まとめ

毎年たくさんの素敵な医学書に出会えて幸せです◎

救急科の書籍をはじめ、整形外科や内科系など、数多くの医学書を読み込むことができました。

私自身、一年を通して大きく成長できたと感じます。

みなさんも興味がある医学書があれば、ぜひ手にとってみてくださいね!

2024年もたくさん素敵な医学書に出会えますように!

<プロフィール>

三谷 雄己(みたに ゆうき)

広島大学救急集中治療医学所属
県立広島病院整形外科
救急科専門医
日本医師会公認健康スポーツ医
日本救急医学会認定ICLSインストラクター

立派な救急医を目指し、指導医の先生方に教えていただきながら日々修行させていただいています。
信念である「知行合一」を実践できるよう、臨床で学んだ内容をアウトプットすることで心掛けております。


【踊る救急医】
Twitter https://twitter.com/houseloveryuki
ブログ https://dancing-doctor.com/

三谷 雄己【踊る救急医】

2023年出版の救急・集中治療の医学書おすすめ8選

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