記事・インタビュー
民間医局コネクト編集部です。民間医局が、専攻医・研修医・医学生におすすめ書籍を集めた「医書マニア」。
今回は、『LIVE!! 輸液プラクシス 3つのRで現場に実装 輸液ど真ん中!!!』を、著者の柴﨑 俊一先生に紹介いただきます。
著者解説
「ありそうで、なかった!」「このあたりの難易度がちょうどよい!」そんな反響を期待して本書を手掛けました。本書は「入門書は読み終わった。でも臨床の現場では輸液オーダーに悩みがある。さらに本格的な本を読もうとしたけど、ちょっと難しくて何言っているかわからない」そんな、研修医~専攻医(特に卒後2~3年目)向けに実践的な輸液療法を学べる一冊です。(あるいは、そんな若手医師を指導する指導医がこっそり読んでいただくことも、もちろん大歓迎です!)「実際の現場で使える輸液の知識」をテーマに、臨床現場での判断に必要な知識や技術を、ケーススタディを交えて解説しています。
本書の特徴は、辞書的ではなく「読み物」として、「輸液の基本から実際のオーダー」を実践的に学べる点です。「生食2ポートって何?」という、基本的だけど、あまり本に書いていないことから始まり、一歩上の低カリウム血症の補正や、敗血症での輸液管理「ROSDの4つのフェーズ」の話、DKAでのメリハリつけた24時間以内の輸液戦略など、中級者向けの話題にまで話題は多岐にわたります。他にも各所にピットフォールの記載や、ちょっとしたトラブルシューティングも解説しています。
かの有名な画家であるパブロ・ピカソは言いました「基本を制するものが世界を制する」。今後、臨床医学を、ベッドサイドのケアを深めていく皆さんにとって、基本中の基本である輸液。本書が、基礎力固めの一助に、またさらに輸液に興味をもっていただき、さらに次の学びのモチベーションにつながれば、筆者としてこれほど幸せなことはありません。愛称「輸液ど真ん中」、是非ご愛読ください!
目次
Basic 1 こっそり読んでいる医大生・卒後1年目研修医向け 輸液の準備から滴下まで ――― 002
Case 1 当直デビュー !! 肺炎っぽい人、まず見といてー。 ――― 014
コラム 市中肺炎のエンピリックセラピーにアジスロマイシンを足すか? ――― 030
Basic 2 輸液の適応〝3R〟 ――― 032
Case 2 病棟管理デビュー !! とりあえず、点滴出しといて。 ――― 040
コラム 急性アルコール中毒患者への輸液でアルコールを wash outという迷信 ――― 056
Basic 3 リアルワールドの輸液オーダーに必要な知識・技術を俯瞰する ――― 058
Case 3 肺炎患者さんを任された !!この患者さんの担当は今日から先生に。 ――― 064
コラム 薬の配合変化他の頻出パターンも知っておこう ――― 080
Case 4 糖尿病患者さんを任された !!輸液とインスリンの管理はどうする? ――― 082
コラム 患者さんを早くに退院にもっていくコツ ――― 094
Case 5 一般成人とフレイル高齢者はどうやら違う?!フレイルの高齢者は落とし所が大事。 ――― 098
コラム 静脈栄養製剤と血流感染症 ――― 112
Case 6 ひどい嘔吐下痢による脱水の初期対応を任された !!血液データ、こじれてそうだなぁ。 ――― 114
コラム 心不全・肝硬変で代謝性アルカローシス生食入れられないよね ?! ――― 126
Case 7 心不全疑いの対応を任された !!たぶん、心不全だ。 ――― 128
コラム 循環動態の概要を把握するエコーにチャレンジ !! ――― 146
Case 8 ショックの対応を任された !!どんな準備をして待っておく? ――― 150
コラム 身体所見から〝静脈瘤出血らしさ〟を見積もる ――― 176
Case 9 胆管炎での敗血症性ショックの入院担当に !!今日の輸液戦略を一緒に考えよう !! ――― 178
コラム VeXUSって何? ――― 202
コラム 〝輸液反応性あり〟≠〝有効循環血漿量低下〟 ――― 206
Case 10 胆管炎での敗血症性ショックの入院担当、その後……少し利尿かけてみたら? ――― 210
コラム ラシックス®は〝last six hours〟利尿薬の大事なエッセンスを深堀り ――― 222
Case 11 初期治療を任された !!糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)だ。 ―――224
コラム 〝エコーでの IVC径計測〟のあれこれ ――― 250
Case 12 低カリウム血症の対応を任された !! 重度の低カリウム血症だ。 ――― 258
Case 13 低ナトリウム血症の対応を任された !!重度の低ナトリウム血症だ。 ――― 274
コラム 抗利尿ホルモン(ADH)と低ナトリウム血症の関係 ――― 292
Case 14 入院後の低ナトリウム血症の対応 !! 低ナトリウム血症、過剰補正になりそうだ。 ――― 296
コラム 尿比重と尿浸透圧の関係 ――― 306
Case 15 終末期の輸液を任された !! 終末期の輸液、どうやってケアしよう。 ――― 308
TroubleShooting 1 ルート刺入部付近が赤く腫れています。 ――― 320
TroubleShooting 2 血液ガスで乳酸が下がり止まっていますが、何かします? ――― 328
さいごに 輸液もどんどんエビデンスがアップデートされている ―――338
<著者プロフィール>

(X) https://twitter.com/sn1shibazaki
(ブログ) https://sn1shibazaki.wixsite.com/website
(coFFee doctors) http://coffeedoctors.jp/news/2951/
著者の他の書籍
レジデントノート 2022年5月 Vol.24 No.3 輸液ルネサンス〜維持・補正・蘇生の3Rでシンプルに身につく輸液のキホン&臨床実践
総合診療 2018年 11月号 特集 日本一マジメな「おしっこドリル」 今これだけは押さえておきたい腎・泌尿器のモンダイ
柴﨑 俊一
このシリーズの記事一覧
-
記事
著者が語る☆書籍紹介 『ポケジェリ – AGS高齢者診療マニュアル -』
- 新刊
- 研修医
- 医書マニア
著者が語る☆書籍紹介 『ポケジェリ – AGS高齢者診療マニュアル -』
山田 悠史
-
記事
著者が語る☆書籍紹介 『英語力ゼロからの国際学会成功ガイドブック』
- 新刊
- 研修医
- 医書マニア
著者が語る☆書籍紹介 『英語力ゼロからの国際学会成功ガイドブック』
山田 悠史、原田 洸、園田 健人
-
記事
著者が語る☆書籍紹介 『研修医1年目の教科書 不安や緊張が期待に変わる!』
- 新刊
- 研修医
- 医書マニア
著者が語る☆書籍紹介 『研修医1年目の教科書 不安や緊張が期待に変わる!』
長崎 一哉
-
記事
著者が語る☆書籍紹介 『医師バイト・外勤超実践マニュアル~ありそうでなかった! 専門外の診療にも役立つバイト医のバイブル~』
- 新刊
- 研修医
- 医書マニア
著者が語る☆書籍紹介 『医師バイト・外勤超実践マニュアル~ありそうでなかった! 専門外の診療にも役立つバイト医のバイブル~』
大野 哲生
人気記事ランキング
-
著者が語る☆書籍紹介 『もう困らない外科系当直 歩いてくるレッドフラッグ (jmedmook)』
- 新刊
- 研修医
- 医書マニア
著者が語る☆書籍紹介 『もう困らない外科系当直 歩いてくるレッドフラッグ (jmedmook)』
三谷 雄己
-
先輩に聞いた! ①専門研修先探しのアドバイス
- 研修医
先輩に聞いた! ①専門研修先探しのアドバイス
-
書評『こどもの血液培養と菌血症 こけつきん11のオキテ』~子どもの菌血症診療を「楽しく深く」学べる一冊!
- 新刊
- 研修医
- 医書マニア
書評『こどもの血液培養と菌血症 こけつきん11のオキテ』~子どもの菌血症診療を「楽しく深く」学べる一冊!
三谷 雄己【踊る救急医】
-
著者が語る☆書籍紹介 『みんなで楽しくホスピタリストになろう!エビデンスと実臨床の架け橋』
- 新刊
- 研修医
- 医書マニア
著者が語る☆書籍紹介 『みんなで楽しくホスピタリストになろう!エビデンスと実臨床の架け橋』
永井 友基
-
医師が選ぶならどんな保険?お得な保険の選び方
- ライフスタイル
- 開業
- お金
医師が選ぶならどんな保険?お得な保険の選び方
-
著者が語る☆書籍紹介 『がっくんといっしょ エコー解剖のひろば』
- 新刊
- 研修医
- 医書マニア
著者が語る☆書籍紹介 『がっくんといっしょ エコー解剖のひろば』
石田 岳
-
整形外科に進まない研修医も必読!研修医が読んでおくべき整形外科系の医学書4選
- ベストセラー
- 研修医
- 医書マニア
整形外科に進まない研修医も必読!研修医が読んでおくべき整形外科系の医学書4選
三谷 雄己【踊る救急医】
-
著者が語る☆書籍紹介 『暗記しやすい! 医療現場の言いかえ英単語』
- 新刊
- 研修医
- 医書マニア
著者が語る☆書籍紹介 『暗記しやすい! 医療現場の言いかえ英単語』
山田 悠史
-
研修医や専攻医などの若手医師でも、医師賠償責任保険は必要?
- 研修医
- ライフスタイル
- お金
研修医や専攻医などの若手医師でも、医師賠償責任保険は必要?
-
2025年最新版 初期研修医におすすめの救急を学べる医学書10選
- ベストセラー
- 研修医
- 医書マニア
2025年最新版 初期研修医におすすめの救急を学べる医学書10選
三谷 雄己【踊る救急医】