記事・インタビュー

2024.02.06

著者が語る☆書籍紹介 『研修医1年目の教科書 不安や緊張が期待に変わる!』

民間医局コネクト編集部です。民間医局が、専攻医・研修医・医学生におすすめ書籍を集めた「医書マニア」。

今回は、『研修医1年目の教科書 -不安や緊張が期待に変わる!-』を、著者の長崎 一哉先生に紹介いただきます。

研修医1年目の教科書 -不安や緊張が期待に変わる!-
長崎 一哉(著)/金芳堂
発刊:2023/12/24
Amazon

著者解説

研修医向けの書籍には、優れたものがたくさんあります。毎年新しい書籍が次々と出版され、関連書籍は増え続けています。私も例外なく研修医時代には多くの参考書を購入しました。しかし、私が探しても見つからなかった本があります。それは「研修医とは何か」、「研修医には何が求められるのか」、「研修医とは何をする仕事なのか」を説明するものです。今、それらを探してみると、その数はやはり少なく、またそれらの書籍は出版されてから5年、10年と経っています。

実のところ研修医のあり方は、ここ数年で大きく変化しています。その変化がこれらの書籍では捉えられていません。ここ数年で臨床研修制度の改訂、専門医制度の改革、そして働き方改革が起こり、私が研修医であったたかだか10年ほど前と比べても、研修医の生活は大きく様変わりしています。

本書は、これらの近年の変化を踏まえ、研修医に向けた研修生活のオリエンテーションを目的としたものです。

特にこだわったポイントは、研修医を「学習者」、「医療従事者」、「労働者」という3つの側面から捉えるというコンセプトです。研修医は経験し、学ぶべき存在でありながら、患者の診療に直接的に貢献し、かつ労働者としての適切なあり方が求められます。言葉にするのは簡単ですが、実践はとても困難です。この複雑な立場にある研修医に、本書がよいガイドを提供することを切に願っています。

第1章では、臨床研修制度そのものについて、そして研修医という存在について総論的に説明します。第2章では学習者として研修生活の中でどのように成長していくか、病歴や身体所見はもちろんEBMの活用まで幅広く解説します。第3章では、医療従事者として、研修医が患者の診療にどのように貢献していけば良いかを解説します。第4章では、近年の働き方改革を踏まえながら、労働者としての研修医の良いあり方について解説します。第5章では、日常の研修を越えてさらなる成長を望む研修医に向けて、いくつかの話題を提供しました。

本書は研修生活が始まり、緊張と不安の中にいる「1年目の初期研修医」に向けて執筆しました。もちろん、臨床実習の中にいる医学生にも参考になる内容はあるはずです。さらに、研修指導を行う指導医の皆さまにとっても役立つことになれば幸いです。本書が現場で悩む研修医たちの一助になればそれほど嬉しいことはありません。研修医の皆様が素晴らしい2年間を過ごせますよう、心からお祈り申し上げます。

目次

第1章 研修医とは何なのか?
第2章 研修医は学習者
第3章 研修医は医療従事者
第4章 研修医は労働者
第5章 研修医のための“背伸び”の仕方

<著者プロフィール>

長崎 一哉

長崎 一哉(ながさき かずや)

所属:筑波大学水戸地域医療教育センター講師/水戸協同病院総合診療科
略歴:2013年、名古屋市立大学医学部医学科卒業。2015年、名古屋記念病院 臨床研修修了。2018年、水戸協同病院総合診療科 後期研修修了。水戸協同病院チーフレジデント(2018年度、2019年度)。2018年、Harvard Introduction to Clinical Research Training (ICRT)-JAPAN program修了。2022年、筑波大学大学院医学学位プログラム早期修了(医学博士)。2023年、筑波大学水戸地域医療教育センター講師。日本チーフレジデント協会初代代表。

長崎 一哉

著者が語る☆書籍紹介 『研修医1年目の教科書 不安や緊張が期待に変わる!』

一覧へ戻る