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2024.02.20

著者が語る☆書籍紹介 『研修医の羅針盤 「現場の壁」を乗り越える、国試に出ない必須3スキル』

民間医局コネクト編集部です。民間医局が、専攻医・研修医・医学生におすすめ書籍を集めた「医書マニア」。

今回は、『研修医の羅針盤 「現場の壁」を乗り越える、国試に出ない必須3スキル(著者:三谷 雄己、髙場 章宏/角野 ふち (イラスト))』を、著者の1人である三谷 雄己先生に紹介いただきます。

研修医の羅針盤 「現場の壁」を乗り越える、国試に出ない必須3スキル
三谷 雄己 (著), 髙場 章宏 (著), 角野 ふち (イラスト)/ 羊土社
発刊:2024/2/6
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「毎日頑張っているのに、なんだかうまくいかない…」
「なんでいつも正しい診断にたどり着けないのか…」
「どうして患者さんにうまく病歴聴取や病状説明ができないのか…」
「なぜスタッフと仲よくコミュニケーションがとれず、自分の評判はよくないのか…」
自分はこんなにたくさん医学書を読んで、同期の誰よりも勉強しているのに、なぜ、あの同期みたいにスタッフや患者さんと仲よくなったり、上級医の先生みたいにかっこよく診断できないのだろう?
研修医が臨床現場で直面する課題は、何が問題なのか、どうすれば乗り越えられるのか分かりにくいことが多々あります。それは、国家試験で学ぶことと臨床現場で必要な能力との間にギャップがあるためです。
この度、そんな初期研修医のために、国家試験対策では勉強することのできない、臨床現場で直面する壁の存在を明らかにし、ギャップを埋める書籍を執筆しました!この一冊を通じて、その壁を乗り越えるために必要なスキルを学べるような内容を目指しました。
この先の臨床研修に漠然とした不安を持っている医学生の皆さん、そしてまさに今、臨床現場で壁にぶつかっている研修医の方々に特におすすめの一冊となっていますので、まずはこの記事を読んでみてくださいね!

執筆のきっかけ

臨床現場では、「見えない壁」に何度も直面することでしょう。
私自身も漏れなく、そんな壁にぶつかり続けた初期研修医の一人でした。
そんな研修医が直面する課題に対応し、国家試験と現場の間のギャップを埋めるための指南書を作りたい…そんなことを最近は思うようになりました。
私にも研修医時代に導いてもらった数多くの指南書の存在がありました。
令和の初期研修を経験した立場だからこそ、今作れる書籍があるはず…!
見えない壁の正体を解き明かし、自信を持って航海ができるような、羅針盤のような一冊を目指して執筆しました!

本書の展開

本書では、おそらく皆さんがこれまであまり意識することのなかったであろう、コミュニケーション・臨床推論・意思決定といったスキルについて解説していきます。
それぞれの項目ごとに導入の漫画パート、そして図表をたっぷりと使って解説しており、ゆるく楽しく学ぶことをモットーとしています。
この本で身につけられるスキルは、身につけることが重要なものばかりなのですが、国家試験の勉強をしているだけではその重要性に気づきにくいものばかりです。
例としてコミュニケーションをあげてみましょう。
そもそも、課題や問題と一人で向き合う国家試験とは異なり、医療は、決して一人では成り立ちません。
看護師さんや技師さんを始めとするコメディカルとの間で、目的を共有し、相手の立場へ寄り添い協力し合うために必要なのがコミュニケーションスキルです。
もちろん相手の立場に立って考えることは大切ですが、加えて医療現場に特有のコミュニケーションスキルが存在するのも事実です。
国家試験の勉強をしているだけでは身につけることができない、相手に合わせた言葉遣いや、紹介状などの文書や電話でのコミュニケーションスキル、相手のニーズを探るスキルを学んでいく必要があるのです。
その他の臨床推論スキル、意思決定スキルも非常に重要なスキルとなっています。これらにも興味がある方は、出版元の羊土社様のHPで一部これらの項目について立ち読みができるようになっていますので、こちらのリンクをタップしてみてください▼
https://www.yodosha.co.jp/yodobook/book/9784758124102/index.html

おすすめの読者層・活用法

本書は、医師国家試験を終えた医学生、臨床研修1、2年目の研修医を主な読者対象としており、この本を読むことで、医学生は将来臨床研修でどのようなスキルを身につけなければいけないのかを知ることができます。
もちろんこれらのスキルは本を一冊読んだだけで身につくようなものではなく、長い医師人生をかけて生涯学び続けないといけない能力だと思います。ですが、この本を読むことで、どのようなスキルを身につけなければいけないのか、その道標を知ることができるはずです。そして、研修医や若手医師にとっては臨床でうまくいかない状況や壁にぶつかったとき、どのように対処すべきかを考えるヒントとなるでしょう。実践的なアドバイスや解決策を提案し、研修医が自分で解決できるような手助けとなればと思っています。
これらのスキルの知識を得ることはもちろん重要ですが、それ以上に大切なのは「あるべき状態」をイメージするというマインドの変化です。目指すべき目的地も定かではない状態で航海に出ても、遭難するに決まっていますよね。2年間の臨床研修は長いようで実はあっという間です。2年のうちに習得すべきスキルや目標設定を認識し、そのゴールを目指した臨床研修をすることができれば、とても有意義な研修医生活を送ることができるはずです。本書があなたの初期臨床研修の羅針盤となるような一冊となれば幸いです。
興味のある方は是非ご一読してみてくださいね!最後に書籍の概要を以下にまとめておきました。

基本情報 タイトル:研修医の羅針盤 「現場の壁」を乗り越える、国試に出ない必須3スキル
著者:三谷 雄己、髙場 章宏/角野 ふち (イラスト)
出版社:羊土社
発行年月日:2024年2月
メインターゲット層

医学生、臨床研修1、2年目の研修医

推定読了期間

6~8時間程度

本書の特徴
  • 初期研修医が臨床現場で直面する課題とその解決策を掘り下げる
  • コミュニケーション、臨床推論、意思決定などの重要なスキルを分かりやすく解説
  • 漫画や図表を使用した視覚的にも理解しやすい解説スタイル
本書で学べること
  • 国家試験では教えてもらえない、実践的な医療現場でのコミュニケーションスキル
  • 患者や他の医療従事者との効果的な関わり方を通じて臨床推論と意思決定のスキルを向上させる方法
本書のまとめ 本書『研修医の羅針盤』は、医学生や若手研修医を対象に、臨床現場で遭遇する「見えない壁」に対処するための実践的な指南書である!
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<著者プロフィール>

三谷 雄己(みたに ゆうき)

広島大学救急集中治療医学所属
県立広島病院整形外科
救急科専門医
日本医師会公認健康スポーツ医
日本救急医学会認定ICLSインストラクター

立派な救急医を目指し、指導医の先生方に教えていただきながら日々修行させていただいています。
信念である「知行合一」を実践できるよう、臨床で学んだ内容をアウトプットすることで心掛けております。


【踊る救急医】
Twitter https://twitter.com/houseloveryuki
ブログ https://dancing-doctor.com/

 

高場 章宏(たかば あきひろ)

JA広島総合病院 救急・集中治療科所属
救急科専門医
集中治療専門医
FCCSインストラクター

 

三谷 雄己、髙場 章宏

著者が語る☆書籍紹介 『研修医の羅針盤 「現場の壁」を乗り越える、国試に出ない必須3スキル』

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