記事・インタビュー
テキサス州ダラスにあるテキサス大学サウスウェスタンメディカルセンターのInstitute for Exercise and Environmental Medicine (IEEM)という研究施設に留学している倉住です。こちらでの生活や留学体験を少しずつ情報発信していきます。
初WIPs
WIPsというのはWork in Progress の略称で、毎週月曜日、朝のミーティング後に行われる、IEEMの研究者が己の研究過程や成果をIEEM全体に発表をするプレゼンのことです。毎週1名の研究者が20~30分くらいのプレゼンを準備し、発表を行います。日本のプレゼンでは、基本的に最後まで聞いてから質疑応答といった感じが多いですが、欧米では質疑応答がスライドごとに展開されるため、その都度議論が繰り広げられ、結果的には概ね1時間くらいのプレゼンとなることが多いです(笑)。また、世界の巨匠達の前でのプレゼンのため、このWIPsにかける努力は学会発表の比ではありません(笑)。
以前はIEEM全体で集まって開催されていましたが、COVID-19のパンデミック以降、感染状況により完全なオンラインになったり、オンラインと対面のハイブリッド形式になったりと、臨機応変に変更されます。残念ながら僕の時は完全なオンラインでした。オンラインでの発表は、やはり聴衆の顔色がわからないため非常に苦戦します(汗)。だからこそ、やり切ったあとのテキサスビールはまた格別です(笑)。
2年ぶりのヒューストン!
先日、書類申請のため、在ヒューストン日本国総領事館のあるヒューストンに行ってきました。自分にとっては馴染み深いヒューストンですが、COVID-19以降かれこれ2年ぶりです。総領事館に行くことがpriorityでしたが、もちろんNASAを訪れない理由はないので、しっかりとジョンソン宇宙センターに立ち寄ってきました(笑)。初日はヒューストン近郊で海辺の観光地Galvestonに宿泊し、久々にシーフードレストランでの食事を堪能しました。ダラスは意外と内陸にあるため、シーフードレストランはあまり多くありません。翌日には2年ぶりにNASAのジョンソン宇宙センターに足を踏み入れました。スペースシャトル&ボーイング747との再会では、思わず目頭が熱くなりました。
一方、残念なことに、ジョンソン宇宙センター内の施設を回るトラムツアーの目玉である「ミッションコントロールセンター見学」が、COVID-19の影響で無くなっていました(涙)。アポロ13の聖地巡礼として、毎回気分を高めてくれていたのですが……。いつか復活してくれることを祈ります!
春の便り
4月になりダラスでは気温が一気に上昇し、30℃超えが続いています。もはや、春というか夏ですね。そんな春の訪れとともに、うれしい便りが届きました。論文アクセプトの連絡です。いつ聞いてもいい響きです(笑)。日本大学で行った研究が筆頭と共著で1つずつアクセプトされました。特に日本大学の加藤智一先生が筆頭の論文は「Journal of Applied Physiology」という伝統のある生理学雑誌に掲載されました。(https://journals.physiology.org/doi/full/10.1152/japplphysiol.00283.2021?rfr_dat=cr_pub++0pubmed&url_ver=Z39.88-2003&rfr_id=ori%3Arid%3Acrossref.org)
また、私が筆頭の論文は「Aerospace Medicine and Human Performance 」という宇宙医学雑誌に掲載されました。(https://www.ingentaconnect.com/contentone/asma/amhp/2022/00000093/00000004/art00003)
宇宙医学に関連した研究成果が世に出るのは大変うれしいことです。日本の感覚である、春という節目の季節に幸先の良いニュースが舞い込んできたので、さらに気分が良かったです。
とても気持ちがいいヒューストンの快晴
まとめ
JAXAが公募している「宇宙飛行士候補者募集」が話題となっていますね。ジョンソン宇宙センターを訪問しばっちりとモチベーションを高めてきました(笑)。早速、漫画「宇宙兄弟(バイブル)」の読み直しに取り掛かります(笑)。
<プロフィール>
倉住 拓弥(くらずみ たくや)
施設名:テキサス大学サウスウェスタンメディカルセンター, Institute for Exercise and Environmental Medicine
役職:Assistant Instructor
2008年群馬大学卒業。慶應義塾大学麻酔学教室に入局後、宇宙医学を学ぶため日本大学医学部社会医学系衛生学分野(宇宙航空環境医学)の門を叩く。タイトルは、ニール・アームストロング船長の“One small step for man, one giant leap for mankind.”からの引用しました。
倉住 拓弥
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