記事・インタビュー
テキサス州ダラスにあるテキサス大学サウスウェスタンメディカルセンターのInstitute for Exercise and Environment Medicine (IEEM)という研究施設に留学している倉住です。こちらでの生活や留学体験を少しずつ情報発信していきます。
いよいよ渡米?パンデミックによるロックダウン解除!
本来、僕の渡航は2020年の出発予定でした。しかし、皆さんご存知のように世界中がCOVID-19のパンデミックに襲われ、留学先のIEEMもクローズとなってしまい、留学は延期となりました。1年が経過し、IEEMの先生からほぼパンデミック前の状態に戻りつつあるいう連絡をもらい、この春いよいよ出発に向け動き出しました。ビザ申請に必要なDS-2019が手元に届くと、「いよいよだな」と気分が高まりました。ところが、僕はビザ申請でちょっとした失敗をしてしまいました。というのも、ビザの受け取りは「郵送受取」と「自分で受取」を選ぶ仕組みになっているのですが、僕は郵送でトラブったら嫌だなと思い、「自分で受取」を選択しました。毎日メールをチェックしていたのですが、一向に大使館からそれらしきメールが来ません。
10日以上経ち、さすがに不安になってきたのでメールボックス内をくまなく探すと、一見するとスパムのようなメールが「迷惑メール」のフォルダに振り分けられていました(汗)。“Visa”や“U.S. Embassy”といった記載は一切ありません。さらにそのメールに対して受け取りのアポイントを取り直すといった流れだったので、結構な時間がかかってしまい、実際にビザを手にしたのは出発予定日の1週間前になってしまいました(汗)。これを教訓として、皆様には「郵送受取」をすることをおすすめします(笑)。
直前の免疫検査に大慌て
Visaも大変でしたが、直前にもう一つ大慌てだったことが、渡航先から通知がきた健康診断調査です。Occupational Health Surveyといってオンライン上で行うものでしたが、渡航2週間前にいきなりメールで通知され、さらに膨大な量の健康調査がありました。中でも、「Immunization Records(免疫検査の記録)を提出すること」とあり、州によっても異なると思うのですが、Measles(麻疹)、Mumps(おたふく風邪)、Rubella(風疹)、Varicella(水痘)、B型肝炎の抗体価と、3回のB型肝炎ワクチン接種とTdaPワクチン(破傷風・ジフテリア・百日咳)の接種証明書の提出が求められました。出発直前の連絡で大変困惑しながらも、慌てて勤務先の病院で血液検査・ワクチン接種を行いました。
その他、COVID-19ワクチンの証明書や飛行機搭乗のために出発72時間以内のPCR検査(陰性証明書)も必要でした。出発直前はこれらのワクチン接種や各種証明書の発行に追われていた気がします(汗)。
出発、そして到着~対照的な日米の空港~
ダラスへは成田空港からダラス・フォートワース(DFW)空港へ直行便が飛んでいます。宇宙医学研究での出張以来久しぶりの成田空港でしたが、案の定ほとんど人がいませんでした。空港内もほとんど店はやっておらず、出国審査のゲートも全く人が並んでいません。COVID-19の影響の深刻さと同時に少しさびしさを感じました。しかし、約12時間のフライトを終えて、DFW空港に到着すると、成田空港とは全く異なる景色に驚きました。空港内が人で賑わっています。
入国審査にも多くの外国人が並んでいて、COVID-19以前と同じような感じです。そして、COVID-19の陰性証明書の提示すら求められませんでした(笑)。結局提示したのは成田空港のカウンターだけでした。こちらではワクチン接種が終わっている人の隔離はありません。到着当日から自由に行動できます。ただし研究室への勤務はPCR検査で陰性が確認できてからということでしたので、到着3日目にPCR検査を受けました。こちらでは、PCR検査はいろいろな場所にサイトが設けられており、スマホで予約し無料で受けることができます。翌日には結果がメールで届きとても便利です。このあたりは、アメリカの対策の早さはさすがだなと感心しました。
左:誰もいない成田空港(欠航が並ぶ電光掲示板を見上げる長男)/右:多くの人々が行き交うダラス・フォートワース空港
まとめ
いよいよダラスでの生活がスタートしました。こちらはCOVID-19が収束に向かい、以前の生活を取り戻しつつある感じです。ただ、いろいろな施設がテレワークとなっており、窓口で手続きができず、来たばかりの僕にとっては何かと不便なことが多い毎日です。
※COVID-19関連情報は2021年6月に記載された当時の状況です。
<プロフィール>
倉住 拓弥(くらずみ たくや)
施設名:テキサス大学サウスウェスタンメディカルセンター, Institute for Exercise and Environmental Medicine
役職:Assistant Instructor
2008年群馬大学卒業。慶應義塾大学麻酔学教室に入局後、宇宙医学を学ぶため日本大学医学部社会医学系衛生学分野(宇宙航空環境医学)の門を叩く。タイトルは、ニール・アームストロング船長の“One small step for man, one giant leap for mankind.”からの引用しました。
倉住 拓弥
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