記事・インタビュー

2022.03.18

新薬の開発に携わり、グローバルで活躍するメディカルドクターの魅力

新薬の開発に携わり、グローバルで活躍するメディカルドクターの魅力
「世界中の人々のより豊かな人生のため、革新的医薬品に思いやりを込めて」をOUR PURPOSE(使命)とし、医薬品の開発・製造・販売に取り組んでいる日本イーライリリー。同社では、新薬の臨床開発、上市の準備から市販後の製品価値最大化まで、薬剤の全てのライフサイクルで、医学専門家としてメディカル・ドクターが活躍しています。今回は、20年以上に亘り製薬企業やCROへ多くの先生方を紹介していますヒューマンダイナミックス社より、糖尿病メディカルチームを率いておられる今岡 丈士氏に、医師が製薬会社でグローバルに活躍する魅力を伺いました。

<お話を伺った方>

今岡 丈士

今岡 丈士(いまおか・たけし)
研究開発本部・メディカルアフェアーズ統括本部
糖尿病領域 本部長(医師・医学博士)
1993年に岡山大学医学部を卒業し、同大学の循環器内科に入局。初期研修を経て岡山大学大学院で心臓生理学を修了後、松山市民病院で循環器内科医として臨床に携わる。新薬開発を通してグローバル規模で活躍できる点に魅力を感じ、2005年に日本イーライリリー株式会社に入社。2008年からイーライリリー・アンド・カンパニー米国本社で勤務した後、2010年に帰国し、研究開発本部・医学科学本部 糖尿病領域 医学部長に就任。2016年からは糖尿病領域 本部長として活躍中。

新たな挑戦ができてグローバルで活躍できるチャンスがある点に魅力を感じた。

Q:今岡さんは、なぜ臨床医から製薬会社での勤務を選ばれたのでしょうか。
今岡先生

循環器内科医として十数年間経験を積んで、患者さんの診断や治療にある程度自信が持てるようになってきた頃、このまま勤務医を続けるか、父親の後を継いで開業医となるかを考えるようになりました。そんな時、医師向けサイトでたまたま目にしたのが、日本イーライリリーが循環器内科医を募集しているという広告です。その時初めて医師にも製薬会社で働くキャリアがあることを知りました。正直、製薬会社で医師が何をするのかはよくわかっていませんでしたが、新しいことにチャレンジできそうだと思いました。また、グローバルで活躍できるチャンスがある点も魅力でした。不安もありましたが、やらずに後悔するよりは、やって後悔する方がいいと考え、入社を決めたのです。

Q:現在、貴社のどの部署で何人のメディカル・ドクターが勤務されていますか。また、その中で海外勤務を経験される方の割合と滞在期間を教えてください。

現在当社では「がん」「神経変性疾患」「自己免疫疾患」「疼痛」「糖尿病」の五つの領域に注力しており、それぞれの領域と安全性の部門で約20名のメディカル・ドクターが活躍しています。そのうち海外勤務を経験しているのは1~2割程度です。滞在期間は3ヶ月~6ヶ月の短期の場合と、2年~3年の長期の場合があります。海外勤務を経験後、米国本社に転籍して活躍しているドクターもいます。

責任の大きな仕事に携わり、グローバルなネットワークを築けるのが海外勤務の魅力

Q:海外勤務では、日本のメディカル・ドクターはどのような業務を担当されるのでしょうか。
今岡先生

アサインメントによって様々です。私の場合はグローバル臨床試験の医学専門家という役割でした。基本的な業務内容は日本とほぼ同じですが、責任範囲の大きさが違います。日本では基本ローカルでの臨床試験の医学専門家で、わからないことがあればグローバルの担当者に聞くことができます。それに対して、グローバル試験を担当する場合は、自分で最終的な結論を出さなければいけません。多様な文化的バックグランドをもった世界各国の同僚と協力しながら、規模と責任の大きい仕事に携わった経験は、今の自分の財産になっています。

Q:海外で勤務するためには、どのような経験や知識が必要になりますか。

まず基本的な英語でのコミュニケーション能力は必須でしょうね。また日本国内で、メディカルアフェアーズ活動や臨床開発の業務内容における社内医師としての責任を理解するために、ある程度経験を積んでおくことも重要だと思います。日本国内でのアサインメントを通して、社内医師としてリーダーシップを発揮して、周囲や上層部の期待を超えるような働きを示すことも重要なポイントかも知れません。海外勤務の機会提供は会社にとって大きな投資なので、その機会は将来性が高く期待されている社員に限られています。そういう意味では、本人がいくら海外に行きたいと言っても、日本で成果を出さないと、チャンスはつかめないのが現実です。

Q:海外勤務で注意すべきこと、大切なことはどのような事項があるでしょうか。
今岡先生

積極的にスピークアップしないと、せっかくの機会をうまく活用できないことがあります。今思うと私も「あの時に手を挙げておけばよかった」「あの会議でもっと発言しておけばよかった」と考えることがあります。もう一つ大切なのはネットワークづくりです。海外赴任の期間は限られていますので、様々な機会を活用して多様な部署の方々とのコミュニケーションを通して自分から積極的にネットワークを広げていく方がいいと思います。グローバル本社の内情をより知ることに繋がりますし、将来の業務で役に立った経験もありました。また、自分のキャリア開発にとってメリットになる場合もあるかもしれません。

地図に残るようなスケールの大きな仕事にチームでチャレンジできるのが醍醐味

Q:製薬会社で勤務を考えられている臨床の先生方に、コメントをお願いいたします。
今岡先生

まずは臨床の先生方に製薬会社で働くオプションもあることを知ってもらいたいですね。臨床は目の前の一人一人の患者さんに真摯に対応して、その人の苦しみを和らげることができます。一方で、製薬会社で新薬を開発して世に出したり、薬に対する新しいエビデンスを作ってその薬の価値を高めたりすることは、何万人~何十万人というより多くの患者さんのベネフィットに貢献することに繋がります。また、新薬を上市することは、地図に残るとでもいうようなスケールの大きな仕事で、様々な能力や専門性を持った人たちとチームを組んで成果を出していくやりがいがあります。そんな仕事に興味がある方にぜひ来ていただきたいですね。

<プロフィール>

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堤 康行(つつみ・やすゆき)
株式会社ヒューマンダイナミックス
代表取締役社長

 

ノバルティス、イーライリリーおよびCROのパレクセルで、主に臨床開発とメディカルアフェアーズ部門に所属し、約30年間にわたり各部門の企業医師と業務を共にする。製薬企業およびCROでの業務内容のみならず、近年の製薬企業動向や雇用条件も含めたクローズ情報に精通。その確かな経験と豊富な情報をもとに、製薬業界への医師転職サポートを行う。

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