記事・インタビュー

2022.03.01

One Giant Leap~宇宙医学と研究留学 in ダラス~(7)

宇宙医学と研究留学inダラス(5)
テキサス州ダラスにあるテキサス大学サウスウェスタンメディカルセンターのInstitute for Exercise and Environmental Medicine (IEEM)という研究施設に留学している倉住です。こちらでの生活や留学体験を少しずつ情報発信していきます。

ムーンビレッジ勉強会&日本宇宙航空環境医学会

宇宙医学と研究留学inダラス学会でも紹介させていただいた、Apple Watchを使用した宇宙での健康管理研究

今回は宇宙関係の研究会について紹介したいと思います。皆さんがご存知のように、COVID-19の世界的な感染拡大により、学会や研究会のオンライン化が一気に進みました。僕も最初の頃は、学会は現地に行って楽しむのが醍醐味だと思っており、オンライン開催にはやや否定的でした。しかし最近では、発表の内容については、オンラインの方が理解は深まるのではないかという気がしてきていて、少し意識が変わってきました(とはいえ、学会という名目で色々な地に足を運ぶ楽しみは捨てがたいですが)。オンラインでの1番のメリットは、ここ“ダラス”からでも気軽に参加できるという点です。

宇宙医学と研究留学inダラス24時間血圧計を装着し実験に参加!!30分ごとに計測されます。

まず、ムーンビレッジ勉強会(http://www.jasma.info/moonvillagestudy/)は、正式名称を「月惑星に社会を作るための勉強会」としているように、様々な分野の著名な方々が集まって開催しており、自分の想像を超えたビジョンなどを拝聴できる大変貴重な研究会です。もちろん「医学的内容」についても議論が重ねられており、僕たちは50年後、100年後の未来に向けた課題に取り組んでいます。
また、医療従事者が中心となって活動している「日本宇宙航空環境医学会」があります。こちらも先日の学会を「オンライン+現地」というハイブリッド形式で開催してくださったため、無事ダラスからの参加が叶いました。宇宙でのロボット手術や出産など具体的な“夢”に向けた発表があり、とても興味深い内容でした。僕自身はシンポジウムで「宇宙空間や月で行う医療の可能性」というテーマで、宇宙での医療に応用できそうなウェアラブルデバイスやテレメトリー技術、ロボットやAI治療について紹介させてもらいました。発表でも話題にしましたが、Apple Watchのような優れた“医療機器”の更なる登場が待ち遠しいです。ちなみに現在の施設で使用している“原始的”ウェアラブルデバイス(24時間血圧計)は大変ストレスフルで肩が凝ります(笑)。

アメリカ国内旅行~New York編~

宇宙医学と研究留学inダラスまずは乾杯!(左:佐藤君、右:筆者)

先日、今アメリカにいる大学の同級生達といわゆる“Zoom飲み会”を行いました(現在7名、メンバー募集中)。皆、全米各地で活躍しているようで、「すごいなー」と感心すると同時に改めて刺激になりました。
そして、ちょっと前になりますが、ニューヨークのWeill Cornell Medicineで放射線腫瘍免疫(むずっ‼)の研究をしている同級生の友人を訪ねてきました。世界の中心ニューヨーク。そのルーズベルト島で大都会の生活を満喫しながら、研究生活を楽しんでいる佐藤浩央君(通称:ヒロオ)です。その時はまだ、ご家族が日本在住だったので、数日宿泊させてもらいました。

宇宙医学と研究留学inダラスルーズベルト島からマンハッタンへ向かうゴンドラ(地下鉄とは一味違ったのんびりとした空中散歩を楽しめます)

昼間は、マンハッタンやリバティ島など観光名所をいくつか回り、夜は有名レストランでのステーキやルーフトップバルコニーでのブルックリン・ビアを楽しみました。ステーキはテキサスのワイルドな肉とは違い、とても上品な肉質を堪能させてくれます。そして、ルーフトップバルコニーからエンパイア・ステート・ビルディングの夜景を眺めつつ“Empire State Of Mind”を聴いて飲むブルックリン・ブルワリーは格別でした。また、滞在最後の夜に急な暴風雨に見舞われてしまい、びしょ濡れになりながらマンハッタンの町を疾走したこともいい思い出になりそうです(笑)。
ニューヨークはダラスでの生活と違い、基本的に移動は徒歩や地下鉄なので、久しぶりにたくさん歩き、クタクタになりました。iPhoneで確認すると1日20000歩以上(汗)。ちなみにダラスでは平均2000歩/日くらいです(笑)。このように同じアメリカでも、ニューヨーカーとテキサンでは、生活習慣が全く異なりますね。テキサスの人々が大きくなってしまう理由がわかります。なにせBMI30くらいが標準体型なのです。
研究において良い成果を出すためには、良いリフレッシュが必要です。そのためにも全米各地を訪れる旅を只今計画中です。

まとめ

宇宙医学と研究留学inダラス某有名ステーキレストランで再び乾杯!!(右:佐藤君、左:筆者)

ダラスでの初めての冬を迎えていますが、内陸であるため寒いときはものすごく冷え込みます。今週は最低気温-12℃との予想も(さむっ)。と思ったら、日中は20℃くらいになったりします(笑)。Tシャツになったりダウンを着たりと大忙しです。

<プロフィール>

倉住 拓弥(くらずみ たくや)
施設名:テキサス大学サウスウェスタンメディカルセンター, Institute for Exercise and Environmental Medicine
役職:Assistant Instructor
2008年群馬大学卒業。慶應義塾大学麻酔学教室に入局後、宇宙医学を学ぶため日本大学医学部社会医学系衛生学分野(宇宙航空環境医学)の門を叩く。タイトルは、ニール・アームストロング船長の“One small step for man, one giant leap for mankind.”からの引用しました。

倉住 拓弥

One Giant Leap~宇宙医学と研究留学 in ダラス~(7)

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