記事・インタビュー
テキサス州ダラスにあるテキサス大学サウスウェスタンメディカルセンターのInstitute for Exercise and Environment Medicine (IEEM)という研究施設に留学している倉住です。こちらでの生活や留学体験を少しずつ情報発信していきます。
仕事始め
到着した最初の週は、テキサス大学サウスウェスタンメディカルセンターの本部での作業がメインでした。大学への登録、IDバッジの作成、健康診断などを行いました。健康診断では免疫検査で書類を提出し、これまでの既往歴などについて結構細かく聞かれました。僕は出国前にHBVの抗体価が下がっていたので、念のためワクチンを接種してから出国したのですが、「これはなんで打ったのか?」と突っ込まれてしまいました。最終的にはブースターと納得してもらえたのですが、こっちでは既定の回数を打っていれば抗体価はあまり気にしないようです。健康診断の中でも、採血の際に「薬物検査にも同意します」というのを声に出して宣誓させられたのは驚きました。日本ではできない体験です。
翌週の月曜からIEEM(研究所)に出勤となりました。月曜朝の研究所全体ミーティングで自己紹介を行い、いよいよこちらでの研究生活がスタートしました。すぐさま研究を行えるようにCITI(倫理講習)を受けたのですが、全編英語は結構こたえました(苦笑)。
研究所の外に広がる医療センター
住居争奪戦と新居での生活
非常に重要です。到着前に決めておいて仮契約を済ませておく方法と、現地に着いてから探す方法とがありますが、僕は前者の方法にしました。理由としては、なるべく早く生活をスタートさせたかったことや、渡米直後のホテル代を少しでも節約したかったことなどがありますが、なんといっても住居が決まっていることで得られる安心感があるかと思います。僕は、勤務先のIEEMのラボの先生から紹介していただいた、「The Village Dallas」というアパートメンツがたくさん集まるエリアに決めました。ボスからはなるべく治安の良いところに住むように言われており、幸いにもThe Village DallasにはIEEMのポスドク達が多く住んでいるので治安の面では大きな問題はないと思われます(たまに空き巣に入られることなどはあるようですが)。出国前にWeb上で部屋を探し、仮契約を済ませたのですが、思いのほか大変でした。というのも、「おっ、この物件いいな」と思ってCheckしておいても、すぐに他の人に取られてしまうのです。仮契約の登録手続きをしている間に埋まってしまうというのを2回くらい経験しました。こちらは早い者勝ちの世界であり、アパートの契約において「競争社会」を実感しました(笑)。日本の感覚で家探しをしていると、いい物件はどんどん先に取られてしまいます(涙)。
無事にアパートの契約が完了し、新居に住み始めて1カ月ほど経ちましたが、The Village Dallasはとても住みやすいです。The Village Dallasの中にある池の周りは散歩道になっていてリスや水鳥達がたくさんいます(先日はウサギに遭遇!)。メインの通りにはスポーツジム、フードコート、レストラン、カフェ、プールなどなどいろいろな施設が整っています(ペットサロンもあります笑)。特にスポーツジムとプールは、The Village Dallasの住民なら無料で使えるため、すっかりヘビーユーザーです。今後来られる方にもおすすめできる住居だと思います。
家の周りの散歩道とプール(休日のリフレッシュには最適です)
ダラスについて
住み始めたばかりなので詳しくはないですが、少しだけダラスについて紹介します。もっと詳しい方がいらっしゃいましたら補足をお願いします(笑)。
ダラスはテキサス州の北部に位置する都市で、人口は全米9位、隣接するフォートワースなどと併せると全米4位の大都市圏になります。ただ、都市圏といってもテキサス州自体が日本の面積の約1.8倍もあり、インフラは便利に使えるほど発達していないので、生活するうえで車は必須です。典型的なアメリカの都市といった感じでしょうか。都市としての規模は大きく人口も多いので、有名なカウボーイズ(NFL)、マーベリックス(NBA)、レンジャーズ(MLB)などのアメリカ四大スポーツ全てのチームとサッカー(FCダラス-MLS)のチームのフランチャイズであるのは魅力です。一年中応援するチームがあり忙しくなりそうです(笑)。
ダラスといえばJ・F・ケネディ大統領が暗殺された都市としても有名です。当時の暗殺に使われたビル(テキサス教科書倉庫ビル)は「The Sixth Floor Museum」という博物館になっており、観光名所の一つになっています。僕も前回来たときに行きました。暗殺者が狙撃したビルの6階は当時の状態が再現されており、館内には当時の新聞やテレビのニュースなどが数多く展示され、1960年代のアメリカを知ることができて非常に面白いです。ケネディ大統領が狙撃を受けた博物館の前の道路(ヒューストン通り)は今も普通に多くの車が通っているのですが、多くの観光客が暗殺現場の「Xマーク」を背景に自撮りをしていきます。もちろん僕もその一人でしたが(笑)。
または、北米トヨタの本社があることも有名かもしれません。個人的に驚いたのは、なんと「セブン-イレブン発祥の地」であったことです。確かにダラスではセブン-イレブンをよく目にするな~とは思っていたのですが。セブン-イレブンは勝手に日本の企業だと思っていましたが、元々アメリカの企業だったのですね。知りませんでした(恥)。
まとめ
あっという間に1カ月が経ってしまいました。改めて、旅行やホームステイなどの「短期滞在」と「移住」とは異なることを実感しながら充実した毎日を送っています。
<プロフィール>
倉住 拓弥(くらずみ たくや)
施設名:テキサス大学サウスウェスタンメディカルセンター, Institute for Exercise and Environmental Medicine
役職:Assistant Instructor
2008年群馬大学卒業。慶應義塾大学麻酔学教室に入局後、宇宙医学を学ぶため日本大学医学部社会医学系衛生学分野(宇宙航空環境医学)の門を叩く。タイトルは、ニール・アームストロング船長の“One small step for man, one giant leap for mankind.”からの引用しました。
倉住 拓弥
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