記事・インタビュー

2020.09.01

山あり谷あり谷底あり! ドイツ留学(19)

ドイツはノルトライン=ウェストファーレン州にあるボン大学で循環器内科のフェローとして働いている杉浦 淳史です。
この記事では、日本生まれ日本育ちの循環器内科11年目がドイツでの研究・臨床留学の中で経験するさまざまな困難・葛藤・喜びを、ありのままにお伝えします。

ドイツで専門医・上級医になるためには

前回の記事に記載したとおり、ドイツでは臨床医の階級は[Assistenzarzt/ Facharzt/Oberarzt/Chefarzt]に分かれます。専門医(Facharzt)になるためのシステムは日本と似ていて、症例・検査・治療などの必要件数が定められており、そのレポートを提出し、専門医試験に合格すればいいようです。日本の専門医資格を持っていて書類審査でその同等性を示すことができれば、ドイツでも専門医(Facharzt)になれるようです。ただし、症例サマリーをドイツ語に翻訳して提出するのは、これまたかなり大変そうです。

ドイツ医師会に問い合わせた際の返信
  • Eine tabellarische Aufstellung der absolvierten Ausbildungsgänge und der ausgeübten Erwerbstätigkeiten in deutscher Sprache(修了した訓練と実施した仕事の一覧表(ドイツ語))
  • Einen Identitätsnachweis(身分証明)
  • Im Ausland erworbene Ausbildungsnachweise(海外で取得した資格証明)
  • Nachweis über einschlägige Berufserfahrungen und sonstige Befähigungsnachweise(関連する専門的な経験やその他の資格を証明するもの)
  • Eine Bescheinigung über die Berechtigung zur Berufsausübung in Japan(日本で専門職を実践するための資格証明書)
  • Fakultative Unterlagen(その他の書類)
  • Eine Deutsche Approbation(ドイツの医師免許)

さらに上級医(Oberarzt)になるためには、集中治療室で1−2年、一般病棟で1−2年の経験が必要とのこと。

日本の医学部を卒業後、海外に来るタイミングは人それぞれ違うと思います。比較的早い段階(3−6年目)で来る場合にはこれらの経験をドイツで積んでいくことで、半ば自動的に臨床医としてのキャリアアップができると思います。僕のように10−11年目くらいで来るとこのステップを踏んでいくのは骨が折れますし、永住するのでなければ、そもそも必要ないと思います。

緊急TAVIの後。写真右はSebastian (Oberarzt)

研究者・教員としてのステップ

ドイツでの研究者・教員としてのキャリアとして、Privatdotzent (Priv.-Doz)、Professorがあります。Priv.-Dozは「ドイツの高等教育機関においてHabilitationを行い、教授資格を持ちつつ、教育活動を行う権利と義務を与えられた者」を指し、日本における助教・講師・准教授に相当します。Habilitationを行うには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 1st o r last authorとして研究論文を最低8本持っている
  • 学生の卒業論文の指導をする
  • 学生の講義を行う
  • 主要研究テーマに関する本を執筆する
  • 審査に合格する(主要研究テーマに関する講演および質疑応答を行う)

Professorにキャリアアップするためには、その後さらに8本以上の論文業績(1st o r last author)があり、最低5年間の教職員としての業績を積むことが必要なようです。

今回ドイツ滞在を1年延長するにあたって、アカデミアとしての目標をHabilitationを行うことを決めました(同僚たちの斡旋を受けて、ほぼノリでしたが)。ドイツ語での講義や講演できるのでしょうか。笑

5月から始めた自転車通勤。森林と牧場を横切っていきます

アサヒスーパードライ

地元民に愛される格安スーパーALDI süd。週替わりで世界のいろいろな地域の品物を売り出すことでも有名ですが、今回はなんと「アサヒスーパードライ」がノミネート! 広告で発見して、発売日は朝にスーパーに出向き(休暇中だったので)、大人買いを達成 (8本)! 1本飲んで「うまい! しめしめ、みんなに知られる前に明日もうちょっと買っておこうかな」なんて思っていたら、甘かった。おそるべし“日本が大好きドイツ人オヤジコミュニティ”。購入する量も飲む量もケタ違い(下記写真参照)。無限のアルコール代謝能力と日本愛を備えた彼らにより、初日からあらゆるALDIの店舗で買占めが・・・・・・

左上:筆者、右上:ドイツ人オヤジ①、左下:ドイツ人オヤジ②、右下:一度に5本飲むドイツ人オヤジ③ 写真の後さらに2本飲んだようです

 

››› 次回は2020年10月公開予定

 

<プロフィール>

杉浦 淳史

杉浦 淳史(すぎうら・あつし)
ボン大学病院
循環器内科リサーチフェロー

1983年千葉生まれ。2008年福井大学医学部卒業。
論文が書けるインテリ系でもないのに「ビッグになるなら留学だ!」と、2018年4月からドイツのボン大学にリサーチフェローとして飛び込んだ、既婚3児の父。

杉浦 淳史

山あり谷あり谷底あり! ドイツ留学(19)

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