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2024.09.13

書評『レジデントノート 2024年8月 頭部CT・MRI キホンからやさしく教えます』

民間医局が、専攻医・研修医・医学生におすすめ書籍を集めた「医書マニア」。

医学書を読むのが大好きな先生方が初学者に向けた医学書解説・比較の医学書レビューと、日々医師のために医学書を作る出版社の担当者がおすすめの良書をこちらで集めて発信していきます。

購入先のリンク(Amazon)も掲載していますので、お気に入りの書籍があればご購入ください。

レビュー:三谷雄己先生(踊る救急医先生)

  • 頭部CTの読影って、どこを見ればいいかわかりにくい
  • MRIの撮像条件ってたくさんありすぎて、どれを確認すればいいかもよくわからない
  • 先輩が外傷性SAHがあるって言っているけど、どこが異常かわからない異常所見を見逃さないためには、どうすればいいんだろう?

頭部の画像検査というのは、救急外来においてもかなり頻度が高く実施される検査の一つですが、体系的に学ぶ機会は少ないというのが個人的な印象です。

そして、日々後輩と仕事をする中で、国家試験を終えた後はなかなか深く勉強する機会がないということを耳にします。

正常構造を含め、頭部の画像検査を体系的に学びたいそんなときに、ピッタリの一冊をご紹介します。

本書を読むことで、今後頭部CTやMRIの撮像や読影に関するストレスは激減します!

今回、頭部CT・MRIの基本の理解から実践までを学ぶため、頭部疾患に興味のある初学者にとって必読の一冊として自分が自信をもっておすすめするのがこちらです。

レジデントノート 2024年8月 Vol.26 No.7 頭部CT・MRI キホンからやさしく教えます〜病態に応じた撮像条件の選び方から絶対に見逃したくない異常所見の見かたまで
東 美菜子 (編集)/ 羊土社 発行
価格:2,530円(税込)
発刊:2024/7/17
Amazon

書評『レジデントノート 2024年8月 Vol.26 No.7 頭部CT・MRI キホンからやさしく教えます〜病態に応じた撮像条件の選び方から絶対に見逃したくない異常所見の見かたまで』
    1. 1.本書のターゲット層と読了時間
    2. 2.本書の特徴と本書で学べること
    3. 3.個人的総評
    4. 4.おすすめの使い方・読み進め方
    5. 5.まとめ
    6. 6.医書レビュー

1.本書のターゲット層と読了時間

【ターゲット層】
特に救急医療や神経内科に興味のある研修医や看護学生
脳神経内科、脳外科、放射線科をローテーション中の研修医

【推定読了時間】
2~3時間程度

2.本書の特徴と本書で学べること

東 美菜子先生が執筆された、本書の特徴と本書から学べることは以下の通りです。

【本書の特徴】
●撮像条件の使い分けや病態ごとの読影方法が詳細に解説
●頭部の正常構造と異常所見の見分け方を丁寧に紹介
●豊富な図表やイラストで視覚的に理解しやすい

が特徴の一冊です。

本書を読むことで学べる項目は、このようになります。

【本書で学べること】
●頭部CT・MRIの撮像条件の選び方と特徴の違い
●頭部の正常構造と異常所見の見分け方
●各病態に応じた具体的な読影方法

これらは、今後頭部疾患を扱う可能性がある研修医の先生方や看護学生にとって、しっかりと学んでおくべき大切な事項であると思います。

3.個人的総評

本書の特徴はなんといっても、頭部画像検査における基本としての正常構造の理解から、臨床現場で即役立つ実践的な内容までを扱っている点です。

異常を知るには、まず正常構造を理解しなければいけません。

本書では一見異常と思われてしまうようなテーマ(例えば骨折線と縫合線、血管構造の区別など)についても事細かに解説されています。

それらは豊富なイラストで丁寧に補足説明がされており、CTやMRIの画像だけでは理解が深まりにくい部分も、図を用いた説明で理解を深めることができます。

加えて、頭部外傷や脳梗塞といった診療頻度の高いテーマについて実際の症例やケーススタディーを通じて解説がされていると同時に、その読影方法や異常所見の見分け方も非常にわかりやすく説明されています。

研修医の先生方が当直の際に特に遭遇しやすい疾患を中心に紹介されているため、効率よく実践的な知識を身につけることができると感じました。

なんといっても、本書で学べるのは、一生物の知識です。

画像診断の知識は一度学ぶと定着し、今後もずっと活かせる知識になります。

それぞれの項目を複数の執筆者が担当している点からも、編集の東先生がいかに客観性をもってこの特集に向き合い、エキスパートの意見などを反映させながら真摯に作成されたかということを痛感しました。

この本は、一度読んで終わりではなく、今後も繰り返し参考にできる一冊であるとおすすめできます。

4.おすすめの使い方・読み進め方

【本書のおすすめの読み方・活用方法】
●これまで悩んだ診療を思い出しながらまず通読!
●時間がない人は、興味のある分野をつまみ食い感覚で読んでみる!
●実践的な知識と理解を意識しながら読み進める!
●その後は経験した症例の前後で読み直して復習!

筆者のおすすめの読み方を紹介します。

『レジデントノート』の特集はだいたい2時間程度で読み切ることができます。

そのため、このテーマに興味がある場合は、まず一通り読んでみるのもよいと思います。

一方、本書は総論を読むだけでは、実戦で使える知識が身につきにくい印象がありました。

通読が難しい先生方は、興味のあるものから各論を読み進めるとよいと感じました。

『レジデントノート』は研修医の先生方と看護学生が明日から使える知識に加え、幅広い理解を得る特集が組まれています。

読み進める際、以下を目標に読むのがよいでしょう。

  • 実際の症例やケーススタディーを通じて、実践的な知識を身につける
  • 図を用いた説明で理解を深めることができる

その後、自分が直面したケースに合わせて、必要な部分をピックアップして復習すると、実践的に役立つはずです。

5.まとめ

本書は、頭部CT・MRIの基本の理解から実践までを学ぶための、頭部疾患に興味のある初学者にとって必須の参考書の一つである!

まとめると、本書は頭部CT・MRIの撮像と読影について、わかりやすく学ぶことができる本当におすすめの一冊です。

この一冊を通じて学ぶことで、

今後の頭部CTやMRIの業務がとても効率的になるので、多くの時間と心の余裕が得られます!

今後の学びや業務をよりよいものにしたい方にはぜひ手に取っていただきたい一冊です◎

以下に要点や基本事項をまとめましたので、購入する際にはぜひ参考にしていただければ幸いです。

6.医書レビュー

基本情報 レジデントノート 2024年8月 Vol.26 No.7 頭部CT・MRI キホンからやさしく教えます〜病態に応じた撮像条件の選び方から絶対に見逃したくない異常所見の見かたまで
編者:東 美菜子
出版社:羊土社
発行年月日:2024年7月17日
ターゲット層

●特に救急医療や神経内科に興味のある研修医や看護学生
●脳神経内科、脳外科、放射線科をローテーション中の研修医

推定読了時間

2~3時間程度

本書の特徴

●撮像条件の使い分けや病態ごとの読影方法が詳細に解説
●頭部の正常構造と異常所見の見分け方を丁寧に紹介
●豊富な図表やイラストで視覚的に理解しやすい

本書で学べること

●頭部CT・MRIの撮像条件の選び方と特徴の違い
●頭部の正常構造と異常所見の見分け方
●各病態に応じた具体的な読影方法

評価
購入先

本書の読み方・活用方法

●これまで悩んだ診療を思い出しながらまず通読!
●時間がない人は、興味のある分野をつまみ食い感覚で読んでみる!
●実践的な知識と理解を意識しながら読み進める!
●その後は経験した症例の前後で読み直して復習!

本書のまとめ 本書は、頭部CT・MRIの基本の理解から実践までを一連で学べる、頭部疾患に興味のある初学者にとって必須の参考書の一つである!

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★今回の書籍以外にも、踊る救急医先生の医学書レビューはこちらのページで読むことができます!
想定読者や各診療科ごとにわかりやすくまとめられているので、興味がある方はぜひ参考にしてみてくださいね。
詳細はこちら≫https://dancing-doctor.com/2021/03/31/review-reader/

<プロフィール>

三谷 雄己(みたに ゆうき)先生
救急科専門医
日本医師会公認健康スポーツ医
JATEC・ICLSインストラクター

立派な救急医を目指し、指導医の先生方に教えていただきながら日々修行させていただいています。
信念である「知行合一」を実践できるよう、臨床で学んだ内容をアウトプットすることで心掛けております。


【踊る救急医】
Twitter https://twitter.com/houseloveryuki
ブログ https://dancing-doctor.com/

三谷 雄己【踊る救急医】

書評『レジデントノート 2024年8月 頭部CT・MRI キホンからやさしく教えます』

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