記事・インタビュー

医師の皆さんは、国際学会の参加や英語での論文作成、外国人診療など英語に触れる機会があり、悩んでいる先生も多くいるのではないかと思います。また、医学英語教育を積極的に行っている病院は数少なく、さらに外国出身者が直接指導を行うとなると全国でもかなり稀です。
そこで今回、医学英語教育を実践しているNTT東日本関東病院での取り組みをご紹介するため、同院、国際診療科に所属する佐々江先生、レニック先生を取材しました。記事最後にはレニック先生の英語診察動画もありますのでぜひご覧ください!
<取材者>

佐々江 龍一郎(ささえ・りゅういちろう)
NTT東日本関東病院
総合診療科・国際診療科 総合診療医

レニック・ニコラス
NTT東日本関東病院
国際診療科 総合診療医
詳細はこちら:https://connect.doctor-agent.com/article/column223/
院内で英語クリニックを始めた理由

医師にとって英語に触れる機会は非常に多いのに、医学英語の勉強会やセミナーは開催数も少なく、さらに費用も高い。また1時間や2時間ではなかなか習得しづらい。私はオーストラリア人ですが、日本語を学んだときの経験から講演会形式のセミナーのアプローチには限界を感じていました。英語はできるだけ受動的(Passive learninig)でなく、Active learningで実践的な方が習得も早く、成長を感じながら楽しく学べるので、そのような場を作ろうとこの「英語クリニック」を始めました。
英語クリニックのコンセプト

日本人医師は幼少期から英語を学習している人が多く、知識はそれなりにあるのですが、逆に足手まといになることがあります。例えば、外国人患者が来たときにボキャブラリーが多すぎて、どの単語を使うか、どの文法で話すかなど考えすぎてしまい、上手く話せなかったりします。
このレクチャーのコンセプトとして、胸痛や咳のケースなど簡単な症例を集め、とにかくシンプルに学んでもらっています。ベーシックなことを覚えて次のステップです。学会発表のプレゼンテーションや、実際に診療して上手く話せなかったフレーズなどをフィードバックしたり、参加者のニーズに合わせてフレキシブルに対応しています。
このレクチャーの到達目標は、英語での診療に自信を持たせることとしています。
英語圏に住んでいる外国人は、英語の単語や文法が間違っていようが、とにかく話さないといけない。話すことでどんどん覚えていき、そしていつの間にか話せるようになるし、周囲を巻き込むことが上手い。一方、日本人の知識は豊富だけど話さない。宝の持ち腐れです。ここではそういう医師やスタッフのレベルに合わせ、話すことを恐れない、少し自信を付け次のステップに繋げてもらう、そういうセミナーでありたいと思っています。
英語クリニック5分症例

- Chest pain
- Cough
- Abdominal pain
- Headache
- Knee pain
- Depression
- Rash
- Vaginal bleeding in pregnancy
- Custom case
- Free English Time
いざ実践! (NTT東日本関東病院 初期研修医1年目)


ギャラリー
コネクトセミナー開催決定!
院外からの参加は今のところ行っていないですが、10/4(日)にコネクトセミナーにて行うことが決定しました!詳細は後日当サイトもしくはFacebookにて発表します。
★プレゼント★
英語クリニックの動画(Chest pain)をレニック先生に行っていただきました。ぜひ今後の診療にお役立てください。
(取材・写真・文 / 民間医局コネクト 榊 隆宏)
佐々江 龍一郎、レニック・ニコラス
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