記事・インタビュー
米国イリノイ州にあるシカゴ大学で心臓外科医として働いている北原 大翔と申します。
この企画は、日本で育ち日本で心臓外科医としての研修を受けた僕が、米国での臨床留学中に経験する医療や教育の違い、心臓外科医として、この1週間に対応した症例、手術室で起こる日本ではありえない出来事などを、真面目かつ可能な限りリアルな形で伝えることを目的としています。
今週の症例数
症例 | May. | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | ||
Sun. | Mon. | Tue. | Wed. | Thu. | Fri. | Sat. | ||
robot MVR ロボット僧帽弁手術 |
1 | |||||||
Ltx 肺移植 |
1 | |||||||
LVAD 補助人工心臓植込み術 |
1 | |||||||
Aortic 大動脈手術 |
1 | |||||||
CABG 冠動脈バイパス術 |
1 | |||||||
Re-exploration 再開胸止血術 |
1 |
先週の学会での発表内容についての話
先週の学会での思い出がもはや何も残らないくらい、今週は通常通り手術に入っていました。東京大学から実習で来ているつしま君も、一通りの心臓手術(弁膜症、大動脈、心移植、肺移植、LVAD、ロボット、エクモ)を見学し、なんかもう飽き始めている感じでした。手術中には再三、上司の太田先生から「心臓外科嫌いになった?」と聞かれ(この人は心臓外科嫌いになって欲しいのだろうか)、「いや、まだです」と答えていたつしま君ですが、最終的には「僕、残り3週間でPA(フィジシャンアシスタント、医者ではない手術の助手する人)になります」という言いたいことはちょっとわかるけどよくわからない宣言をしていました。
ところで、先週の学会での発表内容について書いてください、というリクエストをいただいたので書こうと思います。発表はシカゴ大学でたくさん行われているロボット手術に関するものでした。ロボット心臓手術の中でも、完全内視鏡下に冠動脈バイパス術を行っている施設は少なく、その手術と循環器内科が行うステント術との複合、いわゆるハイブリッドの治療成果について発表しました。hybridって車でもそうですがなんかどこでも流行ってますね。ロボット手術に関してはまたどこかでまとめて話したいと思います。
今週のトピックランキング身近に起きた出来事をランキング形式でお伝えします。
休日、再開胸、その後ミツワに行く
休日、再開胸止血術がありました。再開胸に関してはたくさんのあふれる思いがあるので、今度また書こうと思います(総括もそうですが今度話しますばかりですね)。
再開胸後、ミツワに行きました。ミツワとは日本食を扱うスーパーマーケットで、シカゴダウンタウンから遠く1時間ほど車(ウーバー)でいったところにあります。2、3ヶ月に一回、髪を切るのと同じタイミングで1時間のドライブをしてミツワまで訪れ、大量にご飯とカレーを購入し、毎日の飢えをしのいでいます。ミツワ内にはフードコートがあり、日本食をその場で食べることもできます。ここは天国か、と思うくらい色々と充実していてご飯も何を食べるか迷うのですが、最終的には必ずすた丼を食べることになります。いつか朝昼晩とミツワで過ごすことができたら、他のお店でも食べたいなと思っています。
クレジットカード紛失
先日朝のカンファレンス中(毎朝7時くらいから何かしらのカンファレンスがあります、エコー見たり、移植のこと話したり、レジデントが講義したり)、暇なので携帯をいじっていたらクレジットカードがなくなっていることに気づきました。アメリカに来てから基本的には財布は持たず、全てクレジットカードで支払いしており、カードは常に携帯ケースに入れていたのですが。この携帯ケースもなかなかいい感じのカードだけを入れるものが少なく、やっとの思いで購入したお気に入りのものであったので、ひどく裏切られた感じとカードなかったら何もできない絶望感と、これから色々と手続きをしなくてはいけない未来のめんどくささとが襲いかかり、「シット」でした。
とりあえず家に帰ってみようと思いカンファレンスを抜け出し家に帰りました。ベッドの上にカードがポロっと転がっていました。今はカードがポロリしないよう、別のカードもいれてカードホルダーをきつきつにしています。
フェイスブックとか師匠から学ぶ
東京大学から実習に来ているつしま君との師弟関係(師つしま、弟子北原)もうまい具合に構築されてきました。もともとは情報発信を目的にこのサイトへの投稿を始めたのですが、先日その話を誇らしげにつしま君に話すと「情報発信したいのにFacebookやらないなんてなくないですか?」と逆にちょっと怒られました。Facebookはなんか仕組みがよくわからず、本名がでたりしてなんかすごく苦手意識がありました。
そんな何もわかっていない僕に、つしま君はこれでもかというくらいのFacebookタメになる話を与えてくれました。例えば年配の人とかが携帯とか使い慣れてないところとか見るとなんだか微笑ましい感じになってたのが、もはや僕も微笑ましい感じに見られる側になっていたことに気づきました。時間の流れって早いもんですね。つしま師の協力により、Facebookページを作ることに成功し、また一つ情報発信のツールを増やすことができました。
北原 大翔
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