記事・インタビュー

2017.03.17

臨床以外の医師のビジネス事情

臨床以外の医師のビジネス事情

医師というと、「臨床医」が真っ先に思い起こされますが、臨床現場以外ではどのような働き方があるのでしょうか?今回は、ビジネス界での医師の働き方をいくつか取り上げてみましょう。

健康食品におけるビジネス

多くの人が健康維持に自主的に取り組むようになり、さまざまな健康食品が販売されています。その中で、医師が開発に関わっていたり、医師が主体となって売り出していたりする商品は、消費者の安心感につながり、価値が高くなります。
こうした健康食品の開発は、医師の力を発揮できるビジネスのひとつです。

フィットネスクラブにおけるビジネス

近年、フィットネスクラブビジネスに変化が現れています。これまで、ダイエットや体を鍛えるためのプログラムが中心だったものが、高齢者向けや健康維持回復を目的としたプログラムを増やしているのです。
これは当然ながら、進む高齢化に対応したもので、これからも「健康を維持しながら生活したい」というニーズは高まるでしょう。そんなニーズを見据えて推進されているのが「メディカルフィットネス」や「生活習慣改善」等を目的としたプログラムです。
こうしたプログラムの開発には、医師が関わることが多くあります。ビジネスの例としては、医師がフィットネスクラブで健康チェックを行ったり、プログラムの一部で医師がアドバイスしたりする、といったものがあります。医師自身がメタボ体形や疾患から回復した過程を紹介し、広告塔的な役割を担うものもあります。

医師とメディカルライティングにおけるビジネス

以前からある医師の副業のひとつに、書籍執筆やコラム寄稿があります。実績のある医師であれば、一定のニーズが見込めます。特に、臨床に打ち出された健康情報は、一般の人にとっては信頼がおける情報です。書籍が刊行されて、それなりのヒット作となれば、印税による収入も増え、医師の実業にも役立ちます。
また、こうしたライティングビジネスは、有名な医師でなくても手がけられます。近年では、医師監修の書籍やネット上のコラム記事などが増えており、こうしたケースでは医師本人はライティングを行いません。ライティングはメディカルライターが行い、医師はその文章が医学的に問題ないか、通用するかを確認します。これが、医師による監修です。
近年ではこうした医師の監修を求める媒体も増えており、文章力に自信がない医師でも、ライティングビジネスに携われるようになっています。

健康に関するセミナーやワークショップビジネス

健康に関するセミナーやワークショップは数多く開催されています。病院内で行われることも多いですが、地方自治体や企業などが主催するものに医師が招かれ、講演するケースも増えています。セミナーの内容は、生活習慣病をテーマとして日々の生活における注意点を伝えるもの、がん治療の最新事情を伝えるもの、などさまざまです。ワークショップでは健康体操などが行われることもあります。病院内のセミナーは業務の一環となりますが、院外でのセミナーには報酬が用意されていることが多いようです。
また、医師が新聞やテレビなどマスメディアに露出する機会も増えてきました。テレビの健康番組では、医師が病気や予防法を解説するのは定番ですし、インターネットで医師自身がブログで情報発信する事も多くなりました。こうしたメディアでの活動や情報発信はメインビジネスとすることは難しいかもしれませんが、医師の資格や医療知識を活かしたビジネスのひとつとして挙げることができるでしょう。

まとめ

単純に医師イコール治療ではなく、現在ではさまざまなビジネスが展開されています。メインになるビジネスもありますが、サイドビジネスとして成り立つものもあるので、医師としての視点で世の中の事象を見てみると、新しい医療ビジネスの種が見つかるかもしれません。

最終更新(2016/10/31)

臨床以外の医師のビジネス事情

一覧へ戻る