記事・インタビュー

徳洲会の理念である「生命を安心して預けられる病院」「健康と生活を守る病院」を柱に、大阪東部地区の基幹病院として地域医療を支える八尾徳洲会総合病院。
現在、救急医療体制の強化と新たな病院構想を進めており、高度急性期から一般診療まで幅広い症例を扱いながら、専門性の高い医療にも挑戦できる体制を整えています。
こうした取り組みのもと、次代を担う医師を広く歓迎しています。若手の先生にとっても、早くから豊富な症例を経験し、大きく成長できる機会が用意されています。
今回は、院長の原田博雅先生、外科顧問の金谷誠一郎先生、内科専攻医の熊田博斗先生に、病院構想の詳細に加え、勤務医の目線から見た魅力や職場環境について伺ってきました。
<お話を伺った方>



救急の強みを基盤に、さらなる専門性を追求
Q: まずは、八尾徳洲会総合病院の特徴を教えてください。

原田 先生
当院の最大の特徴は、豊富な症例数にあります。幅広い分野に対応しており、その症例数は他院と比べても群を抜いていると自負しています。なかでも救急医療には特に力を入れており、年間の救急搬送件数は1万件を超えています。
Q: 今回の病院の増改築には、どのような目的があるのでしょうか?
原田 先生
当院の基本的な姿勢は変わっていませんが、救急外来の現場の専門性が高まり、さらに手術件数も大きく増えてきました。こうした状況を踏まえ、今後はさらに救急体制を充実させ、より多くの患者さんを受け入れられる環境を整えることを最重要の方針としています。
特に、集中治療を必要とする患者さん、あるいは重症の患者さんをできるだけ積極的に受け入れることがこの地域の医療において最も望ましいと考え、今回の増改築に踏み切りました。
Q: 増改築によって、どのような機能や体制が強化されるのでしょうか?

原田 先生
今回の増改築は、高度急性期・急性期医療の機能をさらに充実させることが大きな目的です。すでに一般病床やHCUの増床、外来ブースの拡充などが完成しており、2026年3月までにICUの増床をはじめ、救急医療を中心とした体制強化を進めていきます。
当院は幅広い診療領域を扱うことを特徴としていますが、そこに加えて、より専門性の高い分野や特殊な領域にも積極的に取り組んでいきたいと考えています。そのためにも、高い専門性を持つ先生方にぜひ加わっていただきたいです。
【新たな病院構想】
- 一般病棟12床、HCU10床増床
- 外来ブースの増室(4室)
- 手術支援ロボット「ダヴィンチ」「サロア」の導入
- 感染症対応病棟を新設。2025年11月から運営予定
- 手術室を拡充。現在の8室から10室に増室
- 2026年3月にICU12床増床予定
豊富な症例と経験豊かな医師陣――若手も活躍できる、刺激と学びの環境
Q: 腹腔鏡やロボットを使った低侵襲手術のエキスパートとして高名な金谷先生は、まさに求めていた人材かと思います。金谷先生はどのようなきっかけで入職されたのでしょうか?

金谷 先生
きっかけは、私が大阪赤十字病院を定年退職することを知った当時の外科部長から、専門とする胃がんや食道がんの指導をお願いしたいとお声がけいただいたことです。今年3月に退職し、4月から当院に入職しました。
Q: 大学病院や公的機関でご経験を積まれてきた金谷先生にとって、当院で働き始めてから特に刺激を受けたことはありますか?
金谷 先生
私はこれまで比較的一般的な“王道”ともいえるキャリアを歩んできましたが、当院ではまったく異なるバックグラウンドを持つ先生方と一緒に働けることが、大きな刺激になっています。
ここには大学から派遣されている医師はおらず、現場叩き上げの先生、国境なき医師団として海外で活躍する先生、離島医療に携わってきた先生など、多彩な経験を持つ方々が集まっています。皆がオールマイティに対応できる力を備えていて、本当に素晴らしい環境です。
この数か月働いてみて、救急をはじめ幅広く診療できる点は、病院として理想に近い状態だと実感しています。今後は、現在の幅広さに専門性を兼ね備えた病院へと発展すると感じており、私の専門である低侵襲手術や腹腔鏡、ロボット手術の分野もさらに充実させていきたいと考えています。
Q: 病院に対し、多忙なイメージを持たれる方も多いかと思います。金谷先生と熊田先生は、実際働かれてみて、どのように感じられましたか?
金谷 先生
実は入職する前は徳洲会のことをほとんど知らず、地域に24時間開かれた病院で、住民にとってはありがたい存在だろうという一般的な印象しかありませんでした。入職してみると、国際貢献や離島医療など病院外でも活躍している先生が多く、人間的にも素晴らしい方ばかりで、とても良い職場だと感じています。
熊田 先生
私は今、循環器をローテーションしており、午前中は病棟の回診や病棟業務を中心に、救急が入ればその対応。午後はカテーテル治療や検査を担当しています。指導医の先生が一つひとつ丁寧に教えてくださり、オフの時間には雑談も交えながら和やかな雰囲気で過ごせる風通しの良い環境です。
休日には家族と過ごしたり、月に1回は趣味のテニスを楽しんだりと、リフレッシュもできています。
Q: 八尾徳洲会総合病院で働くことの魅力は?

熊田 先生
専門研修は通常、選んだ科だけを回ることが多いのですが、当院は柔軟性が高く、希望すれば他の診療科を回ることもできます。例えば循環器のローテーションでも、自分がどのような研修をしたいかを伝えると、可能な限り応えてもらえます。ですので、幅広く経験しながら自分の専門分野を見極めたい方にはとてもおすすめです。症例数が非常に多いことも大きな魅力だと思います。
金谷 先生
当院には多彩な経歴を持つ医師がそろっており、誰もが高い対応力を発揮しています。そのため、若い先生にとっては身近にロールモデルとなる医師がたくさんいる、という魅力があります。さらに、症例数が豊富で、若手にも積極的に執刀の機会が与えられる方針があるため、実践を通じて経験を積むことができます。経験豊富な先輩のもとで、着実に成長できる場だと言えるのではないでしょうか。
挑戦を楽しみ、成長につなげたい医師に最適な環境
Q: 多くの診療科で募集されていますが、特に力を入れて採用したい科はありますか?

原田 先生
特に内科医を積極的に募集しています。幅広く対応できる方が理想ですが、必ずしも全てをこなせる必要はなく、 “自分でやっていきたい”という意欲のある先生に来ていただけるとうれしいです。
当院は慢性疾患よりも急性期に強く、心臓・呼吸器・消化器など救急対応に秀でた医師が多いことが特色です。そこに加えて、ジェネラルに診られる先生が増えると、より厚みのある体制になると思います。
そして何より、科を問わず「多彩な経験を積みたい」という先生が来てくださったら、それに勝るものはないだろうと思います。
Q: 最後に、求職者へメッセージをお願いします。
原田 先生
当院はどちらかというと忙しい病院ではありますが、その環境を前向きにとらえ、経験を糧にできる方を歓迎します。私は医師という職業には「経験を積むこと」「社会に貢献すること」という意義があり、単なる労働ではなく、自らを成長させながら社会に還元する役割があると考えています。真剣に取り組めば必ずプラスになるはずです。
また、積極性と謙虚さを併せ持つことも、長く続けていく上で欠かせません。そうした姿勢を大切にできる方に、ぜひ来ていただければうれしいです。

金谷 先生
当院は「なんでもできる医師」になれる可能性が十分にあると思います。もちろん努力は必要ですが、挑戦のチャンスはいくらでもあります。特に若手の先生にとって、早い段階から数多くの経験を積めるのは大きな強みです。
さらに、当院にはしがらみがないため、ある程度スキルを身につけた後は、自分の専門を極めることもできます。可能性は無限に広がっていると感じています。
八尾徳洲会総合病院
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