記事・インタビュー

2024.05.01

脳血管障害を学ぶならここ!圧倒的な症例数を誇る国循の専門研修プログラム

案件番号:24-ARD006 医療機関名:国立循環器病研究センター

脳・心臓循環器疾患に特化した国立循環器病研究センターでは、脳神経外科の専門研修を行う専攻医を募集しています。今回は、同院脳神経外科の先生方にインタビューを行い、同院の特徴や専門研修プログラムの魅力について伺いました。

※この記事は2024年3月に取材した内容を元に編集しています。

<お話を伺った先生>

片岡 大治

片岡 大治(かたおか・ひろはる)

1994年京都大学卒業。ミュンヘン大学留学などを経て、2020年より国立循環器病研究センター 脳神経外科 部長に就任。

森 久恵

森 久恵(もり・ひさえ)

1994年旭川医科大学卒業。2003年より国立循環器病研究センターに勤務。2011年より同院 脳神経外科 医長に就任。

濱野 栄佳

濱野 栄佳(はまの・えいか)

2005年秋田大学卒業。2010年より国立循環器病研究センターに勤務。

尾崎 沙耶

尾崎 沙耶(おざき・さや)

2010年愛媛大学卒業。2022年から2024年まで国立循環器病研究センター 脳神経外科にて専門修練医として勤務。

井上 雄登

井上 雄登(いのうえ・ゆうと)

2020年岐阜大学卒。2022年より国立循環器病研究センター 専門研修プログラムにて専攻医として勤務。

北澤 良明

北澤 良明(きたざわ・よしあき)

2020年京都大学卒。2022年より国立循環器病研究センター 専門研修プログラムにて専攻医として勤務。

Q:国立循環器病研究センター(以下・国循)と、専門研修プログラムの特徴や魅力を教えてください。

 片岡 先生 

国循の特徴は、脳血管障害の専門病院ということですね。脳血管障害の治療件数・患者数ともに日本随一です。

脳血管障害を中心とした多くの手術症例を見られること、個々の大学の流儀に縛られず広い視野で学べるということ、様々な地域の知り合いができるので将来的に全国に人脈ができることなどが、専門研修プログラムの魅力になるかと思います。ここの病院で見られない症例に関しては、連携施設や関連施設で勉強できるようプログラムを組んでいるので、そこは安心していただきたいです。

また、研究にも力を入れていますので、若いうちから臨床研究ができるというのも利点だと思っています。

 森 先生 

国循は脳卒中に特化しています。市中病院に出ていったときにいちばん診なくてはいけない疾患は、やはり脳卒中なんですね。脳外科の基本が脳卒中とも言えますので、それを診るベースが作れるのは、脳外科医としての糧になるはずです。

脳外科に興味を持たれた先生は、ぜひ当院の研修プログラムに参加して欲しいと思っています。私自身はアカデミックワークが苦手でスロースターターなところがありますが、それでも脳外科を続けていて、好きな分野を追求できているんです。それが叶う環境の良さを感じていただきたいですね。

 尾崎 先生 

2022年から2年間、国循で専門修練医として勤めました。ここに来た当初は、やはりその症例数の多さに驚きましたね。脳動静脈奇形や硬膜動静脈瘻、もやもや病など、通常の病院では年に数例しか無いような症例もしっかり見ることができ、魅力を感じました。

森先生のようにガンマナイフなどを専門にする先生もいらっしゃいますので、もしやりたいということであればそういった専門的な分野も教えていただくことが可能です。

Q:どんな先生に当院の専門研修プログラムをおすすめしますか。

 片岡 先生 

将来的に脳血管障害を専門にやりたいという先生や、脳血管障害がどういった疾患なのかを知りたいという先生におすすめします。

 森 先生 

救急をやりたい先生にも合っていると思います。将来的に脳腫瘍を専門にやりたいという方にもぜひ検討して欲しいですね。当院には、悪性腫瘍の患者さんはいませんが、別の病院で脳腫瘍を専門的にやる、その前段階としてここで脳卒中を学ぶことは大きな力になるはずです。

何よりも自分の“好き”を大切にして挑戦して欲しいと思っています。脳外科はキツイから、と専門研修の選択肢から外す方もいるかもしれませんが、働く環境は周囲と協力して改善できることです。そのうえで、例えば、濱野先生のようにトレーニングを日々積み重ねて、今ではバイパスの手術を極めている先生もいる。忙しそうに思うかもしれないけれど、実は自分のペースで専門性を追求していける科目だと思います。

Q:専門研修プログラムにはどういった先生方が参加されているのでしょうか。

 片岡 先生 

国循はナショナルセンターとして医局などからは独立した基幹施設になっていますので、専門研修プログラムに全国の様々な都道府県から、多様な先生方が参加しています。病院内にいる先生のバックグラウンドも多彩です。知名度の高い施設ですので、敷居が高いイメージがあるかもしれませんが、そこは気負いせず来て欲しいですね。

 森 先生 

医局経由で来られる先生が多いと思われるかもしれませんが、実際は全国各地から色々な経路で医師が入職しています。OBを見ても、大学関係なく、岐阜や愛知、北海道など、全国から来ているんです。医局関係ないですよ、ということを今SNSでアピールしていっているところです。

 尾崎 先生 

若い先生がいろんな病院から来ているので、自分のいた病院ではこんな風に習っていたとか、こんな風に治療していたとか、多様なやり方を共有できるのは、国循の面白いですね。

Q:若い先生でも執刀する機会はあるのでしょうか。

 片岡 先生 

これまでは見取り稽古方式でしたが、やはり見ているだけでは分からない部分があります。ですので、現在は方針を変え、できるところは若い先生にも執刀してもらっています。部長や医長が執刀していた手術はスタッフの先生が担当し、スタッフの先生が担当していた手術は専攻医が担当する、そうすることが国循のハイボリュームな症例数を活かした教育になると考えています。目標はここ1~2年で部長である私の単独執刀の症例数を0にすることですね。

指導に関しては、手術の難易度に合わせ、上級医が執刀医に指導する屋根瓦方式をとっていて、術後に問題点をフィードバックし、次の機会に活かしてもらっています。

 尾崎 先生 

実際、専攻医や専門修練医が執刀する機会が増えてきています。もちろん個々の技能は配慮されますが、段階を追って経験を積めるのはモチベーション維持にもなりますし、とても良いことだと感じています。

Q:働く環境について教えてください。

 森 先生 

例えば女性医師の場合、ライフスタイルが変化する方も多いですが、皆さんそれぞれ調整して働かれています。育休をしっかり取る先生もいて、小さなお子さんがいる先生は、保育園のお迎えなどで時間が限られるので、時間内に終わらせられるガンマナイフに専従したり、アカデミックワークに注力する、ということもありましたね。個々の状況や希望に配慮できる環境が整っていると思います。

 尾崎 先生 

実際にお子さんのいる先輩医師は、当直回数を制限されて働かれている方もいました。お子さんが熱を出した場合も、遠慮なくそれに対応してもらえるような体制もできていますね。事情に応じて相談にのってくれますので、働く環境についてはあまり不安にならなくて良いと思います。

 濱野 先生 

当直・オンコール当番は、担当がしっかり割り振られています。最近では、休日に呼ばれることや休日出勤は少なくなり、時間の区切りもだんだんしっかりしてきています。
一方で、特に外科系の若手医師の場合、担当・執刀を任される前に、同じような症例について手を動かさずに見ていたかどうか、事前準備段階が大事になってきます。Duty以外の部分で、学びの時間もしっかりと取ることも大事だと思います。

Q:専門研修後のキャリアはどういったものがありますか?

 片岡 先生 

国循に残られる場合、臨床一本槍で続けることも可能ですが、一定期間は研究もしていただきたいと思っているので、どこかの大学院で研究することを奨励しています。国循に在籍しながら、大学院もしくは研究生という形でどこかの大学の講座に属し、そこで博士課程を取得するということも可能です。

 森 先生 

専門研修プログラム後になると、突き詰めたい分野ができてくる人が多いのではないかと思います。血管障害をさらにやりたいとか、脳腫瘍をやりたいとか、遺伝子病理なんかを考えて治療に当たりたいとか。そうなったら、関連施設として繋がっている施設が多くありますので、大学や市中病院など、個々人の望む極めたい分野に適した施設へ推薦していきます。もちろん、医局に縛られたくないという人であれば、それを尊重した進路の相談にのることも可能です。

Q:専門研修中の先生に伺います。どうして国循の専門研修プログラムを選んだのでしょうか。

 井上 先生 

初期研修先病院の先生の勧めで、まず5日間国循へ見学に来たんです。やはり手術数の多さに驚きました。元々いた病院では1週間に1~2回程度手術がある感覚だったんですが、ここではほぼ毎日手術をしている。手術プランを自ら考えて上司にプレゼンするというスタイルも力がつくな、と感じました。集中的に短期間で血管障害を勉強したいという人にとっては最高の環境だと思っています。

後で知ったのですが、僕は見学時期が遅かったようで、採用の締め切りギリギリだったそうです。専門研修を希望する方は早めに見学をした方が良いかもしれません。

 北澤 先生 

大学の医局に入ることも考えたのですが、元々血管内手術に興味があり、国循を見学した際に、ここであれば血管障害を深く学べると感じたので当院を選びました。

実際に働いてみると、血管内手術はもちろん、直達手術もかなりの件数をやっていて、直達手術にも興味を抱くようになりました。疾患にもよりますが、緊急手術であれば専攻医が執刀させてもらえて、経験を積めるのもありがたいですね。
なお、脳腫瘍の手術など当院だけでは足りない症例については、連携病院で一定期間勤務を行うことで、専門医取得に必要な症例数を確保できます。

Q:働く環境についてはどのように感じていますか。

 井上 先生 

大規模な施設で人手も多いので、オンオフははっきりとしている環境です。当直は週1回位、オンコールは週1~2回程度です。体力的に特別辛いとは感じていないので、そんなに身構えなくて大丈夫かなと思います。

 北澤 先生 

土日の当直は月のうち1~2回ある位です。本年度から専攻医は、月2回程度他病院での外勤もあります。

QOLに関しては想定していたよりも良いと思います。夜中まで働いて、早朝から出勤なんていうことはないですね。

Q:職場の雰囲気はどうですか。

 井上 先生 

片岡部長は専攻医のことを大切にしてくださる方なので、その影響か院内全体がとても働きやすい雰囲気です。後輩の面倒見が良い先輩が多いのも印象的でした。

 北澤 先生 

上の先生は話しやすい方ばかりのため、対人的なストレスがなく、臨床に集中できる環境です。脳外科というといろんな意味でハードなイメージがあると思うのですが、ここはとても働きやすいと思います。

Q:最後に、専門研修プログラムを検討している方にメッセージをお願いします。

 井上 先生 

まずは見学に来ることをおすすめします。できれば数日まとまった期間来ることで国循の雰囲気をしっかりと感じ取ることができると思います。

 北澤 先生 

初期研修で脳外科の手術をあまり見る機会が無かったのですが、それはそれほどデメリットにならず過ごせています。手先が器用じゃなかったとしても、訓練でどうとでもなるので不器用さを理由に諦める必要はないです。

 濱野 先生 

もし、心配なことがあるようならまずは国循にコンタクトを取ってみてください。どういった点で踏み込めずにいるのか教えていただければ、実際のところはどうなのか忌憚なくお伝えできると思いますよ。

 森 先生 

忙しさでいったら内科だって極端に忙しい時期はあるんです。だから忙しいとか、救急があるからとかそういう理由で脳外科を選択しないのは得策ではないと思います。脳外科に興味があるなら、なによりその気持ちを大切にして欲しいですね。

 片岡 先生 

人生のどこかの段階で国循という選択肢を入れていただくと、今後の医師としてのキャリアに幅が出てくると思っています。ぜひ門を叩いていただけたらと思います。

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