記事・インタビュー
1687年から兵庫県姫路市で続く肛門疾患の専門病院、木村病院。年間の手術件数は約700件と全国でもトップクラスの数を誇ります。「内視鏡手技を集中して勉強したい医師も歓迎」と、入職希望者について話すのは11代目院長・木村泰之先生。今回は、入職希望の医師に対する教育体制や、肛門専門病院としての魅力、そしてここで働くメリットについてお話を伺いました。
<お話を伺った方>

木村 泰之(きむら・ひろゆき)
川崎医科大学医学部を卒業後、神戸大学医学部消化器外科に入局。
2013年木村病院院長に就任。2018年同病院理事長に就任し、現在に至る。
Q:まずは、先生の経歴について教えてください。どうして医師の道を選んだのでしょうか。

木村 院長
中学の頃、先代の院長である父に、医師になって病院を継ぐかどうか聞かれたんです。それで医師になるのなら岡山県の川崎医科大学附属高等学校に入るのが良いと勧められ、入学、そのまま医学部まで進みました。
Q:初期研修の頃のお話を聞かせてください。
木村 院長
その頃は初期研修の概念はまだ無く、そのまま医局に入局する時代でした。大学卒業後に実家の木村病院にすぐ就職したわけではなく、神戸大の消化器外科に一旦入局しました。家を継ぐことは決めていましたから、国立大学とパイプがあった方が良いなと考えたんです。
Q:当時はどのような勤務体制だったのですか。

木村 院長
ブラックでしたね(笑)学生時代はバスケ三昧だった体育会系の人間なので、それが普通のように感じていましたが、2、3日当直が続いたり、毎晩オペが続いてずっと病院にいるような感じだったり、とにかく忙しかったですね。
Q:木村病院に戻られて2013年に院長に就任されたわけですが、肛門専門病院として先生の代で変えたことはありますか。
木村 院長
手術に関していうと、まず麻酔を変えています。父の代までは局所麻酔でしたが、お尻に直接打つので患者さんは痛いし、トラウマになるんですよね。私の代からは腰椎麻酔にして、患者さんが楽に手術に臨めるようにしました。他にも合併症が無いよう切除の仕方を変えたり、ジオンという注射を組み合わせたりと、低侵襲で再発の少ないやり方を取り入れています。根治治療を目指すうえで、このあたりはずっと勉強ですよね。
あとは、コロナ禍になって、地域の方にも貢献しないといけないと考え、在宅診療を始めました。
Q:入職したい、経験を積みたいという先生方に対しては、どのような教育体制をとっているのでしょうか。

木村 院長
まず、外来も手術も一緒に見て、経験してもらいます。私がポイントをアドバイスしながら、覚えていってもらう形になります。現在の私のスケジュールは、外来を中心にやっていて、週2回程度オペに入っています。新しい先生が入った場合、基本的には私について回ってもらうことになりますね。あとは、西田先生が担当されている直腸脱の手術に入ってもらうこともあると思います。緊急オペやオンコールで呼ばれることは滅多になく、年に2、3回程度なので、その点は働きやすいはずです。
半年くらいかけて外来の患者さんも受け持っていってもらいます。外来、手術、術後管理までひと通りできるようになるのに、少なくとも3年、通常5年程度でしょうか。
Q:木村病院で働く魅力を教えてください。どんなことを学べるのでしょうか。また、働き方のスタイルについても教えてください。

木村 院長
そうですね。まず、手術件数が年間700件前後と圧倒的。さらに下部の内視鏡の症例が豊富ですので、内視鏡の手技を特に勉強したい、肛門領域に興味があるという熱意のある先生にはぴったりの環境だと思います。
働き方に関しては様々なスタイルに対応できます。非常勤で来られてカメラだけしたい、という先生も大歓迎です。大学の医局に所属したまま2、3年ここで勉強したい、という先生も大丈夫ですし、肛門の専門クリニックの開業を見据えて勉強したいという先生もウェルカムです。私たちはスタッフとの関係性も大事にしていますので、非常勤で数日来ていただいて、様子を見ながら順次勤務スタイルを相談していくというのがお互いにとってより良いのではないかな、と考えています。
あとは、小さなお子さんがいても働きやすい環境だと思います。実際、家庭のある女性の先生が来られることも多いんです。消化器外科でやられている30代、40代の先生が、これからの働き方を考えた時に、今までの自分のキャリアを活かせてできるところで、と入職を希望されてきます。
病院としても、先生が学校行事や旅行などでお休みを希望されれば、他の先生で外来や病棟を分担し、有給休暇にもあまりこだわらず休んでもらったりしています。
働きやすさや病院の雰囲気の良さは私たちが大切にしていることでもあるので、医師だけでなくスタッフもオン・オフのメリハリをつけて働いてもらっていますよ。
木村 泰之
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