記事・インタビュー
古都の歴史的風土が色濃く残る鎌倉市において、年間救急搬送受け入れ件数約1万4000件を誇り、日本屈指の高度急性期病院として稼働する湘南鎌倉総合病院。地域における高度医療の提供にとどまらず、JCI認証を取得し、常勤の英国人医師を教育担当として配すなど、世界標準の医療の実践をめざしている。
今回は、内科専攻医(医師5年目)で角田 駿先生に湘南鎌倉総合病院の魅力についてお伺いしました。
Q:最初に、先生のご経歴についてご紹介ください
私は子ども時代、勉強よりも小学校の校庭で遊んだり外で遊ぶことが優先の毎日を過ごしていました。一方、地元では医師不足が原因で病院が閉鎖となり、子どもながら「田舎の医師不足」という現実に直面しました。祖父母も周囲の人も通院できる医療機関がなくなり困っている。ならば自分が医師を目指そうと、将来の夢として描くようになりました。
聖マリアンナ医科大学卒業後は、現在勤めている湘南鎌倉総合病院での初期研修を選択しました。救急の経験はもちろん、外科や内科でのトレーニングを集中的に徹底して行える環境に魅力を感じました。3年目以降は当院で引き続き専攻医研修を行っています。
Q:湘南鎌倉総合病院の総合内科の特色を教えてください

私は今年度より、血液内科を重点的に行うプログラムを組んでいます。専攻医2年目までは、総合内科を含め各専門科での研修をします。初期研修修了後すぐに専門科研修に入ることも魅力的ではありますが、私は「内科医」としての基礎や自身の引き出しを増やしたいという思いが強いため、当院での研修を継続しています。
各科で学んだことを踏まえ、複数疾患の合併や複雑な病態の管理を総合内科で実践しています。むしろこうした実践での経験が、現在の専門医研修においても治療の選択の幅を広げるきっかけになっていると感じます。
また、総合内科の入院の多くがERからで、重症疾患や診断がついていない状態のため、臨床推論という観点からもトレーニングが積める環境です。集中治療部のバックアップもあり、集中治療を要する患者さんにも積極的に関わっていける環境は、非常に勉強になります。
Q:多くの患者さんを診る中で、モチベーションを保つ秘訣はありますか
総合内科はチームで動いており、上級医や初期研修医とチームを作って診療にあたります。専攻医の私たちが主治医として患者やご家族に対応し、患者の治療方針からチームの方針も考えていきます。時として判断が難しい場合や時間を要することもありますが、それが私たちの学びであり、そうやって考えることで患者さんのためになると信じています。私たちが悩んで頑張った分だけ患者さんに還元でき、目に見えて結果が出ることは非常にうれしく思います。
Q:総合内科ならではの教育体制、学べることを教えてください
屋根瓦式の教育体制が自分の学習にも活きています。上級医とのディスカッションやフィードバックは自身の診療の振り返りとして非常に重要なものと考えています。自分の決定が尊重される環境にあるからこそ、それが本当に患者さんにとって正しかったかどうかを考えなければなりません。また他科との連携においても同様のことが言えます。専門科へコンサルトをした際にもフィードバックがあり、自分の診療レベルの向上になります。内科系専門科はもちろん外科を含めた他科との垣根が低いのも、学びの多い日々となっています。
Q:院内における総合内科医の位置づけ、ロールモデルとする先生はいますか?
私が初期研修をしていたころに総合内科の上級医に言われて心に残っている言葉があります。難しい疾患の診断を飄々としてしまうその先生に、どうしてそんなに診断能力が高いのか質問したことがありました.答えは、「総合内科をやめないこと」。簡単な一言でしたが、継続するということはどんなことであっても難しいことです。引き出しが多彩で相談しやすいのが当院の総合内科の良いところであると考えています。
Q:湘南鎌倉総合病院で学びたい研修医の先生へ、メッセージをお願いします

内科専攻医3年目は、当院では「チーフ学年」として後輩指導にもあたらなければならない立場です。病床を回したり内科のチームリーダーとして診療の重要な位置づけにもなることに加え、後輩への教育も重要なウェイトを占めるようになりました。やる気のある初期研修医の指導は私たちにとっても刺激になり、また目の前の患者さんの困っていることを一緒に解決していくことが一番の学びになると私は考えます。
当院は上からも下からも刺激をもらえる稀有な病院なのではないかと感じています。もちろん同期のモチベーションも高く、非常にやりがいがあります。総合内科での研修、また専門科での研修もバランス良く学習ができます.さらに自分のキャリアパスに併せて研修も自由度が高いことも特徴で、研修の途中で総合内科から専門診療科への移行も可能です。ぜひ当院で研修をして、一緒に学んでいきましょう!
湘南鎌倉総合病院では、一緒に働いてくれる医師を募集しています。
お問い合わせ先:https://www.shonankamakura.or.jp/contact/
メール(担当:横田):kenshushonankamakura.or.jp
〒247-8533
神奈川県鎌倉市岡本1370番1
TEL: 0467-46-1717(代表)
<プロフィール>

角田 駿(つのだ・しゅん)
医療法人沖縄徳洲会 湘南鎌倉総合病院
内科専攻医
初期研修先:湘南鎌倉総合病院
角田 駿
人気記事ランキング
-
著者が語る☆書籍紹介 『YouTube 山根塾 自宅でできる外科基本手技トレーニング』
- 新刊
- 研修医
- 医書マニア
著者が語る☆書籍紹介 『YouTube 山根塾 自宅でできる外科基本手技トレーニング』
山根 裕介
-
佐々木淳先生の在宅診療メモランダム Episode5 無力感からの願い
- Doctor’s Magazine
佐々木淳先生の在宅診療メモランダム Episode5 無力感からの願い
佐々木 淳
-
整形外科に進まない研修医も必読!研修医が読んでおくべき整形外科系の医学書4選
- ベストセラー
- 研修医
- 医書マニア
整形外科に進まない研修医も必読!研修医が読んでおくべき整形外科系の医学書4選
三谷 雄己【踊る救急医】
-
手術から創薬へ:製薬企業で臨床経験を生かすやりがい
- ワークスタイル
- 就職・転職
- 病院以外で働く
手術から創薬へ:製薬企業で臨床経験を生かすやりがい
田中 智子、堤 康行
-
書評『当直でよく診る骨折・脱臼・捻挫《研修医☆万里小路尚子の当直サバイバル日誌》』
- 新刊
- 研修医
- 医書マニア
書評『当直でよく診る骨折・脱臼・捻挫《研修医☆万里小路尚子の当直サバイバル日誌》』
三谷 雄己【踊る救急医】
-
“医工連携AI”開発ストーリー⑤ 「発想AI~わずかな入力で大きなヒントを」
- イベント取材・広報
“医工連携AI”開発ストーリー⑤ 「発想AI~わずかな入力で大きなヒントを」
-
バックアップ体制充実!患者さんも職員も安心の診療所
- ワークスタイル
- 就職・転職
- 専攻医・専門医
バックアップ体制充実!患者さんも職員も安心の診療所
田端 志郎
-
<開催報告>けいゆう先生と考える!後悔しない診療科の選び方 ①後悔しない診療科の選び方
- イベント取材・広報
<開催報告>けいゆう先生と考える!後悔しない診療科の選び方 ①後悔しない診療科の選び方
山本 健人
-
書評『救急外来 ただいま診断中! 第2版』まずはここから! 内科系救急研修医の必読書!
- 新刊
- 研修医
- 医書マニア
書評『救急外来 ただいま診断中! 第2版』まずはここから! 内科系救急研修医の必読書!
三谷 雄己【踊る救急医】
-
ブランクからの復職や時短勤務もOK 柔軟な働き方で最先端の眼科医療に触れられる環境
- 研修医
- ライフスタイル
- 就職・転職
ブランクからの復職や時短勤務もOK 柔軟な働き方で最先端の眼科医療に触れられる環境
神戸アイセンター病院