記事・インタビュー
現在、医師人材紹介会社の数は大小含め300社以上あるとみられ、病院やクリニックはもちろん老健施設や製薬会社などでも医師人材紹介会社を利用して募集を行っています。多忙な医師にとっても、医師人材紹介会社を利用するのは今や当たり前。みなさんの同僚や、先輩後輩医師の中にも、紹介会社を利用してアルバイトや転職をした方がいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は「医師人材紹介会社の利用」をテーマに、そのメリットやデメリットの他、信用と実績のある医師人材紹介会社の選び方なども解説していきたいと思います。
医師の転職・アルバイト探しの3つの方法
医師がアルバイトや転職先を探す方法は、大きく分けて3つあります。まずはその3つの方法とそれぞれの特徴を紹介します。
(1)自分で探して直接応募する
求人情報、各医療機関、自治体などのホームページを見て、自分の希望するアルバイトや転職先を探し、自分で直接応募する方法です。医師の求人情報を扱うサイトでは、その多くが希望条件を入力して詳細な求人検索ができるようになっています。医師個々人が、自分のニーズあった転職先やアルバイトを容易に検索・比較することができ、ひと昔前と比べても格段に便利になっています。とはいえ、自分で求人情報を探すことは少なからず手間がかかることに違いはありません。また、個人で転職活動をするため、問い合わせなど常に実名で活動しなければならないというデメリットもあります。
(2)周囲に紹介してもらう
知人や医局、所属する医療機関から紹介してもらう方法です。転職先やアルバイト先に話が通っているため、よほどのことがない限り書類や面接で落とされることはありません。スピーディーな転職が可能ですが、その反面、紹介による転職は雇用契約があいまいなまま話が進んでしまったり、他の求人と比較することができなかったり、あるいは他に条件の良い求人情報があっても断り難いというデメリットがあります。
(3)医師人材紹介会社を利用する
アルバイトや転職先を自分の代わりに医師人材紹介会社のエージェントが探すという方法です。自分の希望条件に合う求人を探してもらうだけでなく、面接日時や勤務開始時期の調整、さらに勤務条件の交渉などもエージェントが代行してくれます。多くの紹介会社では、こうした手厚いサービスを無料で受けることができます。ただし、現在、数多くの医師人材紹介会社があるため、どの会社を利用したらよいのか判断しづらいというデメリットがあります。
医師人材紹介会社を利用するメリットとデメリット
それでは、今回のテーマである医師人材紹介会社を利用するメリット・デメリットについて詳しく解説していきましょう。
医師人材紹介会社を利用するメリット
- 手間なく転職に役立つ情報を入手できる
- 募集背景、詳細情報を知ることができる
- 面接日程などの調整を代行
- 断りやすい
手間なく転職に役立つ情報を入手できる
医局や医療機関、知人友人からの紹介や情報は限定的ですが、紹介会社の持つ情報量は非常に豊富です。全国に多くの拠点がある会社ともなれば、その情報量に比例して選択肢も多くなります。また、病院や医局が「誰か良い人がいたら紹介してほしい」と個別にエージェントに頼んでいるケースもあるので、市場に出回っていない非公開求人や一般には知られていない情報を得られることも、医師人材紹介会社を利用する魅力です。
病院の患者数や実績、勤務体系や給与、休日、福利厚生などは求人サイトや病院のホームページに記載されています。しかし、転職を検討している医師が本当に知りたいのは、そこには記載されていない情報です。たとえば、病院環境やそこで働く医師やスタッフの雰囲気はどうなのか、意見は言いやすいか、会議は多いのか、上司となる医師は周りからどのような評価を得ているのかなど、実際に病院で働かなければ知ることができないような情報です。
医師人材紹介会社のエージェントは日々、病院に足を運んでいます。病院の中を実際に目で見て肌で雰囲気を感じとることはもちろん、管理職やときには病院長とも話をして、病院が求める人材像を聞き取っています。逆に、転職を検討している医師からも、現勤務病院の情報を聞いたり、転職後の病院の様子を聞いたりするなどして、医師が本当に知りたい情報を常に蓄積しています。こうした情報は、転職を検討する医師にとって大きな参考になるでしょう。
募集背景、詳細情報を知ることができる
今すぐに転職を考えていなくても、医師人材紹介会社に登録しておくことで、転職市場の動向やさまざまな医療機関の求人情報を受け取ることができます。転職の気持ちが現実味を帯びてきたとき、自分に最適な病院の求人紹介がエージェントからあるかもしれません。ほとんどの医師人材紹介会社の利用は無料であり、それを活用しない手はないでしょう。
面接日程などの調整を代行
求人を探し、面接の予約をし、日程の調整をするのは忙しい医師にとって大きな負担であり、精神的にも疲れるもの。紹介会社に頼めば、医師個々人の細かな希望に沿う求人探しから、面接日時や入職時期など医療機関側との調整をエージェントが代行してくれます。
断りやすい
個人での直接応募や、医局や医療機関、知人や友人からの紹介となると、転職先の病院が自分と希望条件と異なっていても断りづらく、また断るのも悪いからと多少のことは我慢して、転職後に後悔してしまうケースもあるようです。紹介会社を介せばそうしたしがらみはなく、断る際はエージェントが間に立って返事をしてくれるため、転職活動による精神的負担を減らしてくれます。
医師人材紹介会社を利用するデメリット
- どの紹介会社を利用したらいいのかわからない
- 自分の希望が伝わっているかわかりにくい
どの紹介会社を利用したらいいのかわからない
紹介会社を利用する唯一のデメリットは、現在、医師人材紹介会社が乱立しており、どこを利用したらよいのか分からないということでしょう。当然のことながら、厚生労働省による人材派遣業の許可がないのは論外です。厚生労働省の許可があるかどうかは各企業のホームページの「会社概要」などで許可番号を確認するといいでしょう。
ここで注意しておきたいのは、たとえ許可番号があっても実績のある医師人材紹介会社の証明にはならないということ。しかし、実績のない人材紹介会社は今後淘汰されていくことになるでしょう。その理由は、2018年1月1日に施行された「改正職業安定法」です。「改正職業安定法」では人材紹介会社に情報公開が義務付けられ、その内容は厚労労働省の「人材サービス総合サイト」に掲載されることになりました。このサイトでは、年度ごとの「紹介実績(就職者数)」「紹介後6ヶ月以内の離職者数」「手数料(紹介料)」「手数料の返戻金の規定」などの情報を公開しなければならず、当然、利用する病院や医師も確認することができます。こうした情報も、紹介会社を選ぶ指標になるでしょう。
ちなみに弊社「民間医局」メディカル・プリンシプル社は、数ある医師人材紹介会社のなかでも全国に16拠点を構え、現地エージェントが地域に密着したさまざまな情報を提供しています。だから、東京の病院で働きながら、故郷にある医療機関の情報をスムーズに得ることができるのです。
自分の希望が伝わっているかわかりにくい
医師人材紹介会社は「数が多く、どこを利用したらいいのかわからない」というデメリットや、「他人に任せるのは性格的に合わない」など、さまざまな理由で紹介会社を利用したくないという方もいるでしょう。自分で探して自分で応募することは手間も時間もかかりますが、現在は求人サイトも豊富にあり、多くの医療機関のホームページには医師募集項目が設置され、各自治体でもドクターバンクが開設されているなど、自分で探すことも昔と比べて容易になっています。
いかがでしたか。医師人材紹介会社を利用するメリットは、登録はもちろん、求人探しから医療機関との調整・交渉まで無料で行ってくれるのが大きな魅力です。また、今すぐ転職を考えていなくても、さまざまな情報を知っておくことは、将来転職する際にきっと役立つはずです。まずは登録することから始めてみてはいかがでしょうか。
それでも、どうしたらいいのかわからない方へ
転職やアルバイトをお考えの方。また、医師人材紹介会社の利用をためらっている方も、気軽に「民間医局」メディカル・プリンシプル社にご相談ください。初めての転職やアルバイト探しのアドバイスはもちろん、お一人おひとりに最適な求人紹介と成功する転職の実現に向けたお手伝いをさせていただきます。
<参考>
››› 厚生労働省職業安定局 「人材サービス総合サイト」
››› 厚生労働省 職業安定法の改正職業紹介事業者の皆様へ~事業運営のルールが変わります~<職業安定法の改正>
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