記事・インタビュー

2018.04.26

<海外研究・臨床留学をサポートする病院>獨協医科大学病院

獨協医科大学病院は日本有数の病床数(1195床)を誇り、1974年に栃木県壬生の地に開院して以来、高度で先進的な地域密着型の医療を提供しています。さらに、大学病院として医学教育や研究にも大きく力を注ぎ、その一環として海外の臨床、教育、研究に触れるために多くの医師が留学し、また海外からも多くの医師を迎え入れるなど、海外交流も盛んに行われています。

そこで今回は、共に海外留学経験のある獨協医科大学の精神神経医学講座 主任教授である下田 和孝先生、そして獨協医科大学の総合診療医学講座 主任教授である志水 太郎先生に、「獨協医科大学病院」における海外留学のサポートや海外留学の意義などについてお話を伺いました。

<お話を伺った先生>

下田 和孝(しもだ・かずたか)先生

下田 和孝(しもだ・かずたか)先生
獨協医科大学 精神神経医学講座 主任教授
獨協医科大学病院 臨床研修センター センター長

滋賀医科大学医学部卒 / 専門:精神科

志水 太郎(しみず・たろう)先生

志水 太郎(しみず・たろう)先生
獨協医科大学 総合診療医学講座 主任教授

愛媛大学医学部卒 / 専門:総合診療科

Q:「獨協医科大学病院」の海外留学支援について教えてください

A(下田先生):獨協医科大学の海外留学支援としては、「学外研修員制度」というものがあります。これは「本学の発展に資するため学外において研究、調査、教育などに従事する者」を対象として費用を援助するものであり、海外留学の場合は海外で必要な旅費、滞在費などが支給されます。
具体例を挙げますと、留学期間が1年以内の場合は年間最大200万円に旅費、滞在費、さらに基本給が12カ月分支給されます。

そしてこの「学外研修員制度」の最大の特徴が、他のさまざまな奨学金や助成金制度との“併用”が認められているということです。通常、こうした支援制度を受ける条件として併用は認められてはいません。帰国後は当院に3年間は勤務してくださいという条件などはありますが、私が若い頃にこのような支援制度があれば絶対に使いたいと感じるほど、非常に魅力的で羨ましい制度であると思います。

Q:「獨協医科大学病院」には、海外との交流や海外留学のコネクションなどはありますか

A(下田先生):当院は大学病院であり、海外の多くの大学と交流を結んでいます。

下田和孝(しもだ・かずたか)先生

ドイツのヴェストファーレン・ヴィルヘルムス大学(ミュンスター大学)、アメリカのカリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)とは姉妹校、連携校関係にあり、他にも国立フィリピン大学マニラ校、上海の同済大学、ウクライナ国のジトーミル国立農業生態学大学、モンゴル国立モンゴル医療科学大学、タイ王国チェンマイ大学医学部、ベラルーシ国立卒後教育医学アカデミー、西安交通大学医学部などと学術交流協定を結び、多くの医師が海外に留学しています。

また、それぞれの医局で国際学会への参加や海外から著名な医師を講師として迎え入れるなど、海外との交流の場も豊富にあり、こうした機会を海外留学のコネクションづくりに活かすことができます。

A(志水先生):臨床研修センターと総合診療科の共催で、カリフォルニア大学サンフランシスコ校の内科学教授であり、“診断の神様”と呼ばれている世界的に有名なローレンス・ティアニー先生など、年に何度も、海外のいろいろな先生を招いています。こうして世界一流の医療技術や考え方を間近で見て学ぶことができる機会を設けるなど、海外との交流は盛んに行われています。

Q:海外留学の経験者として、海外留学のメリットや意義は何だと思いますか

A(下田先生):私は若い頃にアメリカのノースカロライナ大学に1年10カ月、さらにスウェーデンのカロリンスカ研究所に1年間、研究留学をした経験があります。
研究留学中は臨床や当直がないため、実験や勉強に専念できるというメリットがあり、この間に吸収できた知識は帰国後、臨床、教育、研究で大いに活かされましたし、キャリア形成にもプラスを与えてくれました。

留学中は、言葉の壁もあって上手くいかないケースに多く遭遇しますが、その“上手くいかない経験”は日本では経験できないとても貴重なものです。失敗から学ぶことはとても大きく、目からウロコが落ちる経験を何度もしたことで医師としても人間としても大きく成長することができました。
さらに、海外留学は人脈づくりという点においても大きな意味があります。ノースカロライナ大学時代に知り合った仲間たちは今でも繋がりがありますし、多くの医師が帰国後に教授や部長などの要職に就いて日本の医療を牽引しています。

また、留学中は当直などがなく時間的にも余裕ができたため、家族と共に過ごす時間が日本より長かったことも個人的には海外留学をして良かったことの一つです。

A(志水先生):私はアメリカの公衆衛生学修士(MPH)やオーストラリアの経営学修士(MBA)などの大学院で学びました。渡米後はエモリー大学の大学院でMPHを修了ました。その後、ハワイ大学への入職が決まるまでの1年間もサンフランシスコで学んできました。

志水太郎(しみず・たろう)先生

世界には様々な分野における一流の医師たちがいますし、臨床においても日本では診ることのない病気に遭遇するなど、海外留学をすることでしか学べないことが多くあります。私にとって特にローレンス・ティアニー先生との出会いは、何ものにも代えがたい海外での財産となっています。

また下田先生が仰ったように、海外では言葉の壁もあり上手くいかないことが多くあります。自分の英語が通じずディスカッションに苦労し、鏡の前で毎日発音の練習をしたり、言葉以上にプレゼン能力の必要性を実感したり。言葉の壁以外にも、大学院の授業料を補うために、週末に日本に帰国し臨床現場でアルバイトをしたことなど、こうしたことも海外留学をしていなければ経験できなかったことであり、それを乗り越えたからこそ今の自分があると思っています。

海外留学を考えている若い先生方へメッセージをお願いします

(下田先生):インターネットが発達した現代においては、海外に出なくとも世界中の多くの情報を得ることができます。海外留学を考えている医師のなかにも、「お金が掛かるし、わざわざ苦労してまで海外留学をする意味があるのか」と思い、留学することを躊躇している方もいるでしょう。

一つだけ声を大にして言いたいのは、海外に行きたい気持ちがあるのなら様々な壁があっても諦めずに行くべきだということです。苦労もたくさんありますが、それ以上のメリットがあり、得られることは多く、キャリアに大きなプラスを与えてくれるはずです。金銭的な余裕がなければ「学外研修員制度」をぜひ利用してほしいですし、壁は諦めなければ必ず乗り越えることができます。私たちは海外留学を目指す医師たちを応援します。

(志水先生):若い頃は多くのことを吸収することができますし、その頃に経験したことや学んだことは確かな実力となっていきます。私がアメリカの大学院に通っていたときは、学費を賄うために毎週のように帰国し、救急やICUの現場で多く働いた経験が臨床力の土台となっています。若い医師たちには決してこのような無謀とも思える経験は勧められませんが、海外留学をしていた期間は自分が最も成長することができた有意義な時間でしたし、海外留学をすることで医師としての実力と自信を付けることができ、自分の可能性も大きく広げてくれるはずです。

獨協医科大学病院

獨協医科大学病院
http://www.dokkyomed.ac.jp/hosp-m.html
〒321-0293 栃木県下都賀郡壬生町北小林880
TEL: 0282-86-1111(代表)

下田 和孝、志水 太郎

<海外研究・臨床留学をサポートする病院>獨協医科大学病院

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