記事・インタビュー

2015.12.17

医師と違う?同じ? 一般社会の転職事情

医師と違う?同じ? 一般社会の転職事情

医師にとって「転職」は身近なもの。
1人平均で3、4回転職するといわれています。
では、一般の社会人の転職事情はどうなっているのでしょうか?

転職の回数

業界によっても異なりますが、転職支援会社等の調査によれば、20-30代の平均転職回数は2回程度となることが多く、採用する企業側も「2、3回までの転職であれば気にしない」とすることが多いようです。
また、企業の規模が小さくなるほど、転職者の割合は増える傾向があります。

転職を考えるタイミング

転職を考え始める時期は人それぞれですが、学生時代の友人や同期の転職が重なれば、誰しもそわそわするもの。
主だったタイミングを見ていきましょう。

1. 入社後数ヶ月

せっかく入社した会社を数ヶ月で辞めてしまう、というのは驚きですが、そもそも不本意な入社だったり、学生時代のアルバイトの延長線上の感覚だったりというケースもあるのかもしれません。
また、「ブラック企業」といった言葉が一般化するにつれ、残業などが続くと「もうこの会社はブラックだ」と早々に見切りをつける傾向も見られます。また、近年では「親」が就職活動に介入しているケースも多く、早々の転職にも「親の意向」が反映されることも多いようです。
残業や土日出勤、当直などで勤務時間が長くなりがちな医師にとっては、ちょっとわがままに映るかもしれません。

2. 入社後3年

「石の上にも3年」という言葉通り、どんな業界でも3年続けていれば一通りの業務を経験できることが多いでしょう。
このタイミングで、もっと条件のよい同業他社を探したり、異なる業界に挑戦したり、といったことを考える人が多くなります。
大学卒業して3年、25~27歳程度までは「第二新卒」と呼ばれ、新入社員に続くボリューム層として積極的に採用する企業も多く、転職しやすいことがさらに追い風となっています。
この時期に転職すれば、転職先で「同期」を得られる可能性も高く、心強さもあるでしょう。
多くの医師が初期研修を終える歳までに、2社、3社の勤務を経験する社会人も少なくありません。

3. 30歳前

新卒入社から転職してこなかった人も、30歳を前に自分のキャリアを考える人は多いようです。
既に社会人としては新人とはいえませんが、まだ役職者になって責任を負う立場になることは少ないので、純粋に自分の興味で転職を考えられるタイミングです。同じ会社、同じ業界に留まるべきか、別の挑戦をすべきか、もしくは大学院への進学やMBA取得などを検討するか。
このタイミングでは業界を変える転職も容易なだけに、さまざまな選択肢が視野に入ります。
医師が専門を決め、専門医取得に励むタイミングと重なり、多くの選択肢から次第に自分の専門を絞りはじめる時期と言えるでしょう。
新専門医制度がスタートすると、同年代の社会人との様相がまた変わるかもしれませんね。

4. 結婚・出産時

30歳前後からは「結婚・出産」というパーソナル・イベントがキャリアに影響してきます。配偶者の転勤に伴って他地域に引っ越ししたり、勤務地を変える必要のある人が出てきます。また、女性を中心に、「出産」は働き方を変えることが迫られる一大イベント。
ここでいったん離職してパートなどの勤務に切り替えたり、比較的業務負担の少ない会社に転職したりといったケースが出てきます。
企業側もせっかく育成した社員に辞められることのないよう、さまざまな対応策をとっていますが、都心部では保育園を見つけることが容易ではなかったり、夫も激務で育児の協力が得にくかったりと、勤務を継続することを諦めざるを得ないことも多いようです。
医師も事情は同様ですが、職場復帰が一般化してきている一般社会と違い、復職に二の足を踏む女性医師がまだ多くいるのは大きな違いです。女性医師支援については、別機会にお届けしたいと思います。

5. 組織の「壁」にあたったとき

一昔前までは「35歳の壁」と言われ、35歳以上の転職は難しいと言われてきましたが、企業・転職者ともそうした明確な意識は薄らぎつつあります。
とはいえ、40歳を過ぎれば、さすがに転職のハードルは上がります。
そうした年代でも、組織内のポスト争いに破れ、「先が見えてしまった」といった理由から転職を希望される人もいます。
スペシャリストとしてずば抜けたスキルを持っていたり、リーダー・マネジャーとして優れた管理職のスキルを発揮したりといった実績があれば、この年代でも転職は十分に可能です。
定年がある一般社会と70代でも現役の臨床医として活躍されている医師の世界ならではの違いです。
ただ、医師も団塊の世代が多くなり、30代や40代で院長就任という話も珍しくない昨今、医師も年代に応じたキャリアの築き方を考えるのは必要ですね。

「タイミング」は人それぞれ、プロに相談を

医師と違う?同じ? 一般社会の転職事情

そうはいっても、転職は個人的なものであり、一般化には限界があります。
職場の人間関係、上司と合わない、専門スキルが身につかない、体調を崩した、子供の進学……人それぞれがもつ多くの事情が、転職のきっかけとなり得ます。
最近では転職の方法も多様化しており、「知人の紹介」以外にwebでの情報収集や紹介会社を利用して転職をするという手段が主流になっています。
転職ノウハウを熟知したキャリアコンサルタントとともに、自分のキャリアを客観的に振り返り、自分のルートでは知り得なかった最新の業界事情・求人情報を知ることができるのが、紹介会社を使う大きなメリットです。
現在転職を考えている医師や自分のキャリアに迷った時は、ぜひ一度転職エージェントに相談してみてください。

最終更新(2015/12/17)

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