アンケート記事

2024.08.22

医療現場に起こる変化は「デジタル化の推進」、自身に起こる変化は「ない」が多数派だが年収減少を危惧する人も 〜診療報酬改定アンケート〜

医療DXの推進や医療従事者の賃上げなどを目的に、2024年6月1日に施行された診療報酬改定。6年に一度の医療・介護・障害福祉サービスのトリプル改定としても注目されました。医療現場ではどのような変化が見られ、医師の収入にはどのような影響があるのでしょうか。民間医局コネクトでは、医師・初期研修医・医学生を対象に、診療報酬改定による変化や収入への影響などについてアンケートを実施し、2,494名から回答を得られました。 アンケート結果からは、今後の収入に不安を抱きながら、多様な収入源を模索する医療関係者の意思が見えてきました。
※グラフや文章内の「%」表記は、小数点第二位以下の端数処理のため数値がずれることがあります。

 

[ 目 次 ]
・2024年6月の診療報酬改定に対して良い悪い「どちらともいえない」の回答が約4割
・診療報酬改定によって、多くの人が医療現場のデジタル化推進が進むと考えている
・自分自身への影響は医師・初期研修医では「変わらない」が多数だが、勤務時間の増加に1割以上、収入の減少に2割以上が答えた
・同様の質問で、医学生の場合は収入が「増える」と回答した人が「減る」をやや上回る
・医師・初期研修医のうち、収入が増えると回答した人の想定額はトップが「1〜10万円未満」、減ると回答した人の想定額はトップが「100万円以上」
・医師・初期研修医の年収のボリュームゾーンは「1,500万円未満」
・現在の収入への満足度は「どちらともいえない」「やや満足している」「あまり満足していない」の3項目に票が割れた
・現在の年収額に対して、医師・初期研修医は「役職」や「責任」に見合った収入は得られているものの、「成果」の反映や、「能力」の評価が足りてないと考えている人も多い
・医学生が望む年収は、「1,500万円未満」24.6%がトップ
・医師・初期研修医は、7割強が収入明細を毎月確認している
・普段お金をかけているものは、「生活費」1,448票がトップ
・収入が増えた時にお金をかけたいものは、「旅行・レジャー」1,184票がトップ
・会社の業績や自身の待遇向上に対して大きな期待をせず、アルバイトや投資などの収入源を模索している方が多い傾向
・「今後収入を増やしたいと思う」が78.3%、「今後の収入(年収)に不安を感じる」は62.8%
・収入が高いと思う診療科目のトップは「美容外科」22.5%

診療報酬改定のもたらす影響は「医療現場のデジタル化」の回答が多数

今回の診療報酬改定に対して、医師・初期研修医・医学生の多くは良いものとも悪いものとも捉えていないようで、「どちらともいえない」と回答した人が約4割にのぼりました。また診療報酬改定が医療現場にもたらす変化について聞いたところ、医師と初期研修医、医学生、ともに医療現場のデジタル化に関する項目が最も多くの票を集めました。

Q:現在のご職業を教えてください(回答数2,494)

今回のアンケート回答者の内訳は、医師1,781人(71.4%)、初期研修医265人(10.6%)、医学生448人(18.0%)です。

Q:2024年6月より診療報酬改定が施行され、診療報酬本体は引き上げとなりました。今回の診療報酬改定について、ご自身はどのようにお感じになっていますか(回答数2,494)

全員に2024年6月に施工された診療報酬改定についてどのように感じているのか質問をしてみました。すると「どちらともいえない」(43.0%)という回答が最も票を集めました。肯定的な回答、否定的な回答に絞って見ると、良い改定だと思う(良い10.3%、まあ良い17.4%)は27.7%、良い改定だと思わない(思わない10.9%、あまり18.4%)は29.3%と、ほぼ同じ割合になりました。

今回アンケ―トを取った医療関係者の中では、診療報酬改定に対する評価が定まっていないことが見て取れます。

Q:今回の診療報酬改定によって、現在の勤務先で今後起こると思われる動きや変化を教えてください(回答数2,046)

医師と初期研修医に対して、診療報酬改定によって現在の勤務先で今後起こると思う変化を聞いてみました。最多の回答数となった「特になし/わからない」を除くと、「医療現場のデジタル化推進」581票、「電子カルテシステムの導入・普及」397票が多くの票を集めました。その他の項目に関しても、「その他」を除くと、それぞれ150票以上を集めています。

診療報酬改定によって変化が起きると考えている医師・研修医は、特に医療現場のデジタル化に大きな関心を持っていることがわかります。また、医療DXのみならず、さまざまな面で変化が訪れるであろうとも考えているようです。

Q:今回の診療報酬改定によって、日本の医療機関で今後起こると思われる動きや変化をお知らせください(回答数448)

続いて医学生に、今回の診療報酬改定によって、日本の医療機関で起こると思われる動きや変化について質問してみました。その結果、「電子カルテシステムの導入・普及」224票、「医療現場のデジタル化推進」221票に票が集中しました。また、その他の項目に関しても、まんべんなく票を集めました。

このように回答の傾向は医師・研修医と同じようなものになりました。医学生もまた、診断報酬改定により医療現場のデジタル化が今後進んでいくだろうと考えているようです。

診療報酬改定で収入が「減る」と考える医師と初期研修医は2割超

今回の診療報酬改定が自分自身にどのような影響を及ぼすのか聞いたところ、医師・初期研修医・医学生ともに、多くの人が「変わらない」または「わからない」と考えていることがわかりました。一方で変化が起きると考えている人の回答傾向を見ていくと、収入・福利厚生・助成制度など待遇面への影響を懸念している人が多いという結果に。医学生は「収入」が増えると考えている方がわずかに多い傾向でしたが、医師と研修医では「収入」が減ると考えている方の割合が多く、どれくらい減ると考えるかという質問では、4割近くの方が年間50万円以上と回答しました。

Q:今回の診療報酬改定の影響で、ご自身にとってどのような変化があると思いますか。次に挙げる項目について、それぞれの増減をお知らせください(単一回答マトリクス、回答数2,046)

医師と初期研修医に対して、今回の診療報酬改定がもたらす自分自身の変化について質問してみました。すると、すべての項目で「変わらない」と回答した人が半数以上となりました。「わからない」という項目もそれぞれの項目で1割前後を占め、多くの方が自分自身の職務に対する診療報酬改定の影響は少ないものと考えていることがわかります。そんな中でも、増える(増える・やや増える)の回答に注目すると、「勤務時間」の項目のみが16.1%(増える4.4%、やや増える11.7%)と1割を超える回答を集めています。一方で、減る(やや減る・減る)の回答に関しては、「収入」の22.7%(やや減る12.8%、減る9.9%)と「福利厚生や助成制度などの拡充」の15.7%が、1割を超えました。

変化はないと考える方が多数派を占める一方、勤務時間の増加や、収入や福利厚生、助成制度など待遇面へのネガティブな影響を気にされている方も一定数いることがわかりました。

Q:今回の診療報酬改定の影響で、医師にとってどのような変化があると思いますか。次に挙げる項目について、それぞれの増減をお知らせください(単一回答マトリクス、回答数448)

同様の質問を、医学生にもしてみました。すると、医師・初期研修医ではすべての項目で「変わらない」という回答が半数以上を占めましたが、医学生では半数を下回りました。また「わからない」と回答した人の率は各項目で医師・研修医よりも多く、それぞれ1.5割〜2割弱となりました。一方で、「増える・減る」の回答に注目すると、いずれも「収入」の項目が最も高い回答率となっています。詳細を見ると、増える30.8%(増える8.3%、やや増える22.5%)、減る24.1%(やや減る18.3%、減る5.8%)と、増えると回答した人のほうが少し上回っています。

医師・初期研修医とは違い、医学生は診療報酬改定によって収入が増えると考えている方が多いことがわかりました。

Q:診療報酬改定の影響で、収入が【増える・やや増える】とお答えいただきましたが、1年間でどの程度収入が増えると思いますか(回答数162)

次に、医師・初期研修医のうち「収入」が増える・やや増えると回答した方に対して、1年間でどれくらい収入が増えると思うか聞いてみました。その結果、「1〜10万円未満」が33.3%と全体の3割の票を集めました。次いで、「10〜30万円未満」21.6%、「1万円未満」13.6%と続きます。また、「50〜100万円未満」9.9%、「100万円以上」2.5%と、50万円以上増えると答えた人も1割以上となりました。

収入が増えると回答した医師・初期研修医が考える増加額は、10万円未満が過半数を占めました。一方で50万円以上という回答も全体の1割強という結果になりました。

Q:診療報酬改定の影響で、収入が【減る・やや減る】とお答えいただきましたが、1年間でどの程度収入が減ると思いますか(回答数464)

一方で、「収入」が減る・やや減ると回答した医師・初期研修医に、1年間でどれくらい収入が減ると思うかを聞いてみました。その結果、トップが「100万円以上」22.0%、次いで「30〜50万円未満」18.2%、「まだわからない」16.6%という並びになりました。「100万円以上」と「50〜100万円未満」15.1%を合わせると、37.1%となり、4割近くの方が50万円以上、収入が減ると考えていることになります。少ない金額を見ますと、10万円未満は12.1%(1万円未満1.3%、1〜10万円未満10.8%)と全体の1割強程度となっています。

先にご紹介した質問では、医師・初期研修医の多くが診療報酬改定による年収の減少を懸念していることがわかりましたが、その想定金額を見ても、増えるとしても10万円未満程度であり、減る額は50万円以上と考えている人が多いことがわかりました。

現状にやや満足しつつも、約4割が仕事の成果が収入に反映されていないと回答

年収について質問をしてみたところ、現在の年収について満足しているかという質問では、「どちらともいえない」、「やや満足している」、「あまり満足していない」という3つの回答に票が集中しました。さらに「能力」「責任」「役職」など、さまざまな項目で自身の年収に対する考えを聞いたところ、役職や、勤務日数・時間は収入と見合っているが、成果は収入に反映されていないと考えている人がやや多いという傾向が見えてきました。

Q:ご自身の現在の年収を教えてください(回答数2,046)

医師・初期研修医に現在の年収を聞いたところ、トップ3は、「1,500万円未満」16.2%、「1,200万円未満」13.7%、「1,800万円未満」10.1%で、1,500万円前後の人が4割となりました。一方で、500万円未満と回答した方は9.4%、2,000万円以上の方は11.1%(2,500万円未満6.8%、2,500万円以上4.3%)で、それぞれ1割程度いることがわかりました。

Q:ご自身の現在の年収について、どの程度満足していますか(回答数2,046)

続いて、医師・初期研修医に、自身の年収に対する満足度を聞きました。最多となったのは、「どちらともいえない」で29.0%です。また、「やや満足している」27.4%、「あまり満足していない」24.6%にも多くの票が集まりました。「かなり満足している」は7.5%、「まったく満足していない」は11.5%で、それぞれ「やや満足している」と「あまり満足していない」を足すと、満足34.9%、不満足36.1%で、どちらも3人に1人が答えています。

Q:ご自身の年収額について、どのようにお感じになっていますか。次のABの項目をよくご覧になっていただき、どちらが近いと思うかそれぞれお知らせください(単一回答マトリクス、回答数2,046)

医師・初期研修医に、自信の年収額について、さまざまな項目でどう感じているか質問をしてみました。例えば、「能力」であれば評価されているか否か、「役職」であれば見合っているか否か、といった質問です。全体的には、すべての項目で「どちらともいえない」という回答が最多となりました。特に「査定の仕組み」という項目では52.2%と半数を超える方が「どちらともいえない」と回答。また、肯定的な回答(A)と、否定的な回答(B)で比較すると、全体としては前者が平均約26%、後者の平均は約30%で、否定的な回答のほうがやや占める割合が高くなりました。

肯定的な回答の率が高かった項目は、「勤務日数・時間」と「生活水準」32.5%、「役職」の29.6%、「責任」28.9%の順となります。逆に否定的な回答の率が高かった項目は、「成果」の35.4%、「査定の仕組み」の33.6%、「医療機関の水準」31.1%、「生活水準」の30.5%の順となりました。「生活水準」、つまり求める生活水準に十分な金額に満足か、足りていないか、という質問は、肯定・否定ともに高い回答率となりました。

肯定的な回答が否定的な回答を上回った項目は、「役職」「勤務日数・時間」「生活水準」の3項目です。その差が最も大きかったのが「役職」で、「見合っている/やや見合っている」が否定的な回答を6.2%上回りました。一方で、否定的な回答が肯定的な回答を上回ったのは「能力」「責任」「成果」「査定の仕組み」「医療機関の水準」の項目です。その差が最も大きかったのは「医療機関の水準」で19.4%差、次いで「成果」の14.6%差となりました。

肯定的、否定的、いずれかの回答に大きく偏る項目はありませんでしたが、細かな部分を見ていくと、「役職」や「責任」の重さに見合った年収を得られていると考えている人が多い一方で、「成果」が反映されていない、「能力」が評価されていないと考えている人も少なからずいることが、このアンケートからは見えてきます。

Q:ご自身が医師になった際、どれくらいの年収をもらいたいと思いますか(回答数448)

続いて医学生に、自分が医師になった際にどれくらいの年収を希望するか聞いてみました。希望する年収額は多い順に、「1,500万円未満」24.6%、「1,200万円未満」19.2%、「1,000万円未満」12.7%、「2,000万円未満」12.1%、「2,500万円以上」9.8%となりました。この結果を、医師・初期研修医に対する年収額の質問結果と照らし合わせてみると、実際のボリュームゾーンであった1,500万円未満と、医学生の希望年収額がほぼ一致することがわかります。一方で、「2,000万円未満」12.1%、「2,500万円未満」3.3%、「2,500万円以上」9.8%と、より高額な年収を求める医学生も4〜5人に1人割合でいました。反対に「900万円未満」より少ない額を挙げた医学生は5.8%と少数でした。

将来の収入に不安があり、約8割が今後収入を増やしたいと考えている

普段、医師や初期研修医は、「生活費」「飲食・交際費」「貯蓄」などに多くのお金を割いていることがわかりました。一方で、収入が増えた時にお金をかけたいものを聞いてみると、住宅、ファッション、美容健康、生活家電など、普段はお金を使っていない項目にも票が集まりました。また、仕事と生活の将来について、医師や初期研修医にさまざまな質問をしてみると、現在の職場環境や待遇に満足せず、アルバイトや投資などで収入を増やそうと考えている姿が見えてきました。

Q:ご自身の毎月の収入明細について、どの程度ご確認していますか(回答数2,046)

医師・初期研修医に、毎月の収入明細について、どの程度確認しているか聞いてみたところ、73.6%、7割以上が明細を「毎月確認している」と回答しました。その他の項目は、「数ヶ月に一回確認している」11.5%、「気づいたときに確認している」10.3%。「ほとんど確認していない」は4.6%となっており、多くの方がこまめに収入明細を確認していることがわかりました。

Q:「①普段お金をかけているもの」「②(現実的な額の)収入が増えた時にお金をかけたいもの」それぞれについて教えてください(複回答数可、回答数2.494)

 

続いて全員に、お金の使い方について聞いてみました。質問は「普段お金をかけているもの」「(現実的な額の)収入が増えた時にお金をかけたいもの」の2問です。

まず「普段お金をかけているもの」に関しては、「生活費」1,448票がトップになりました。これは全体の6割弱となります。次いで「飲食・交際費」1,125票と「貯蓄」1,120票が、1,000票越えで続きます。「投資」988票、「趣味・娯楽」963票、「旅行・レジャー」937票の項目も多くの票を集めました。「住宅の購入・改築」314票は低い票数となりましたが、住宅は人生で購入する機会が少ないため、このような結果になったものと推測されます。以上の結果から、医師・初期研修医・医学生は普段、「生活や人付き合い」に関わるものに最もお金を費やし、続いて「貯蓄や投資」、そして「趣味やレジャー」の順番でお金を使っていることがわかりました。

では、「(現実的な額の)収入が増えた時にお金をかけたいもの」はどうだったのでしょうか。結果を見ると、「旅行・レジャー」1,184票、「投資」1,085票、「貯蓄」966票、「趣味・娯楽」945票の順となりました。これ以外の項目も、500から800ほどの票を集めました。また、普段お金をかけているものから大幅に票数が変動しているのは、「生活費」906票減、「お子さまの教育費」241票減、「住宅の購入・改装」448票増、「衣料品・ファッション」256票増、「美容・健康」221票増、「生活家電」260票増の項目でした。

収入が増えたら、①旅行やレジャーと投資、②貯蓄と趣味・娯楽の順でお金をかけたいと思っていることがわかりました。また、住宅、ファッション、美容健康、生活家電などの項目に多くの票が集まっていることからも、増えた収入は普段お金をかけていないものに使いたいという心理が見て取れます。逆に、普段(必要性に迫られて)お金をかけている生活費や教育費には、あまり使わないという傾向も見えてきました。

Q:次のABの項目をよくご覧になっていただき、ご自身の状況やお気持ちはどちらに近いと思いますか。それぞれお知らせください(単一回答マトリクス、回答数2,046)

医師・初期研修医に、仕事や生活に関するさまざまな項目でどう感じているか質問をしてみました。まず全体としては、すべての項目で「どちらとも言えない」が最多の票数となりました。ただ「物価高などに対応したベースアップ」の項目に関してのみ、B(ない)、ややB(ややない)を合算した数値52.5%が、「どちらとも言えない」38.2%を上回りました。

肯定的な回答(A)と、否定的な回答(B)で比較すると、前者が後者を上回った項目は、「今後の大きな出費」18.2%差、「自分の能力への自信」6.1%差、「勤務時間」9.0%差、「アルバイト」17.5%差、「投資」33.1%差となりました。一方で、否定的な回答が肯定的な回答を上回った項目は、「勤務先の業績」14.7%差、「昇進」23.1%差、「今後の収入」8.8%差、「今後の生活水準」2.4%差、「物価高などに対応したベースアップ」43.3%差、「勤務先の査定方法」13.2%差、「転職予定」13.5%差でした。

自身の能力には自信を深めているものの、勤務先の業績は不透明で、かつ今後の自身の出世や待遇向上についても期待はできない。かといって転職をする予定もないが、今後に大きな出費を控えているため、アルバイトなどの副業や、投資などで収入を増やそうと考えている、そんな意思が傾向として読み取れます。

Q:次に挙げる項目について、ご自身のお気持ちに近いものをそれぞれお選びください(単一回答マトリクス、回答数2,046)

医師・初期研修医に、3つの項目でどのように感じているかを聞いてみました。まず、「今後収入を増やしたいと思う」は、78.3%があてはまると回答(あてはまる46.1%、ややあてはまる32.2%)。次に多いのが「どちらともいえない」の17.2%で、あてはまらないは4.5%でした(あまりあてはまらない2.9%、あてはまらない1.6%)。

また、「今後の収入(年収)に不安を感じる」は、62.8%があてはまると回答(あてはまる28.6%、ややあてはまる34.2%)。次に多いのが「どちらともいえない」の24.8%で、あてはまらないは12.4%となりました(ややあてはまらない8.8%、あてはまらない3.6%)。

「お金を使う時間がない」は、「どちらともいえない」34.0%、あてはまらない33.7%(ややあてはまらない22.9%、あてはまらない10.8%)、あてはまる32.3%(あてはまる8.2%、ややあてはまる24.1%)で、ほぼ均等になりました。

以上の結果から、6割強の人が今後の収入に不安を感じており、8割近くの人が今後収入を増やしたいと考えていることがわかりました。

Q:ご自身がお考えになる、収入が高いと思われる診療科目を1つだけお選びください(回答数2,494)

最後に全員に、収入が高いと思う診療科目を一つ選んでいただきました。トップ3は、「美容外科」22.5%、「眼科」11.9%、「美容皮膚科」9.2%となりました。次いで、「形成外科」4.0%、「外科」「麻酔科」ともに3.8%、「整形外科」3.6%、「精神科」3.0%と続きます。最も票が少なかったのは「リウマチ科」ですが、票が投じられなかった項目がありませんでした。

収入源の多様化が今後ますます進んでいきそう

診療報酬改定によって、多くの方が医療現場のデジタル化が進むであろうと考えられている一方、自分自身に対する影響に関してはまだ具体的にイメージできていない、あるいは影響はないものと考えている方が多いことが、今回のアンケートから見えてきました。
しかし、自身の収入に関して決して関心が低いというわけではなく、今後さらに収入を増やしていきたいと希望しながらも、現在の職場でそれが望めるという期待は少なく、さまざまな手段で収入を得ようと考えている、そんな姿が浮かび上がってきました。

【アンケート概要】
調査期間:2024年6月13日~15日
対象:「民間医局」会員の医師・初期研修医・医学生
回答者数:2,494人(男性1,766人、女性645人、答えたくない83人)

 

医療現場に起こる変化は「デジタル化の推進」、自身に起こる変化は「ない」が多数派だが年収減少を危惧する人も 〜診療報酬改定アンケート〜

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