アンケート記事

2024.08.29

知名度トップは映画化に加え、何度も映像化されたあの不朽の名作 〜「医療系作品への所見について」のアンケート〜

ドラマ、漫画、小説などでさまざまな観点から描かれる医療系作品。一般の方々からも人気の高いジャンルですが、医師、医学生はどのような視点で作品を観ているのでしょうか。民間医局コネクトは会員医師・研修医・医学生を対象にオンラインでアンケートを実施。 2,545人から回答が寄せられました。

Q:次に挙げる医療系作品(ドラマ・漫画・小説等)について、 「①知っている作品」「②面白いと思う作品」「③医療現場をリアルに再現している作品」 をそれぞれ教えてください。(複数回答可)

①知っている作品(複数回答可 n=23,750)

②面白いと思う作品(複数回答可 n=11,901)

 

③医療現場をリアルに再現している作品(複数回答可 n=4,197)

Q:前問の「②面白いと思う作品」もしくは「③医療現場をリアルに再現している作品」で、その作品をお選びいただいた理由を教えてください。(回答数: 1,652)

≪ コウノドリ ≫
・他科の現状を知りうる作品としてもみていて面白い。自分の科(コウノドリ)については患者さんに広く現状を知ってもらえるきっかけになると嬉しい。(産婦人科 40代)

・産婦人科の先生が、ポリクリよりコウノドリ見る方が勉強になるから見てねと言っていたので。(医学生 20代)

・ドラマチックに全員助かるのではなく、助けられる命は助ける、でも助けられない命もあるということをきちんと表現していると感じたから。(医学生 20代)

・コウノドリは読んでいて感動した。自分に子供ができた時にさらに感動した(訪問診療 30代)

・医師側の心情もリアルに再現しているため。(医学生 20代)

・産科の苦悩を社会に広めてくれた。分娩の陰の部分に光を当ててくれた。(産婦人科 70代)

・「コウノドリ」は周産期について非常にわかりやすく、ドラマとしても面白く表現してあった。また風疹ワクチンの周知などにも協力してくれている。(精神科 30代)

≪ 白い巨塔 ≫
・言わずと知れた山崎豊子が某大学をモデルに書いた医療系ドラマの代表、教授選のリアルな裏事情はまさにそのもの。(健康診断 50代)

・何十年前の話にも関わらず、大名行列のような回診、教授選の駆け引き、その他自分のいた医局はそのまんまでした。(皮膚科 50代)

・白い巨塔は、世代を超えて良くも悪くも多くの人に知られ、医療界のイメージに大きな影響を及ぼしたという意味で面白い作品だと思う。(医学生 40代)

・医学生になってから経験した事柄を包み隠さず作品に反映されていると思ったから。(医学生 20代)

・面白いのは医学的に間違った内容がないこと。白い巨塔は現場をリアルに再現している。外科手術もよく調べて描かれている。山崎豊子の取材力が凄まじい。(健康診断 40代)

・今ではあまり考えられないような内容であるが、原作が発表された当時は現実的であったから。(産業医 60代)

≪ コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命 ≫
・自分自身が研修医の時に「コードブルー」を観ていました。自分の現在進行形の苦労と作品内の苦悩を重ね合わせて、自分の励みにしていました。今でもミスチルの「HANABI」を聴くとジーンとなります。(小児科 50代)

・コードブルーに憧れて救急の強い研修病院を選んだ。(腎臓科 30代)

・自分が医師を目指すきっかけになったから。(初期研修医・小児科 20代)

・一部ドラマ用に面白くアレンジしてあるものの、救急医が感じている葛藤も含めて、リアルな救急医療の舞台が濃縮されているから。(救命救急科 40代)

・倫理面の問題などもテーマにあって考えさせられた。(総合診療科 50代)

≪ ブラックジャックによろしく ≫
・ストーリーとしてのドラマチックさより医療従事者にしかわからないリアリティがストーリーの根幹になっているから。(糖尿病科 40代)

・ブラックジャックによろしくは社会問題が提起されていて良かった。(救命救急科 30代)

・医療現場の過酷さ、当直体制や患者との立場の差、医療従事者との解離を伝えてくれました。 一般の方には理解されていない面に鋭く切り込んだと思います。(健康診断 40代)

・自分が学生の時に読んだ。当時は実感が湧かなかったが、まさに医療の問題と真っ向に向き合った漫画だと思う。 (消化器内科 40代)

・昔の研修医のリアルが描かれており、恐怖を覚える瞬間など共感できた。(内科 30代)

≪ 救命病棟24時 ≫
・救命病棟の、スピード感や忙しさの緩急が、研修医の時に経験した救急外来、ICUに近いと感じる(精神科 30代)

≪ Dr.コトー診療所 ≫
・Dr.コトーのような作品は医療職を目指すきっかけになったり、僻地医療に興味を持ったりするきっかけになる。とても良い作品と思う(麻酔科 30代)

・自分も過疎地勤務のため、ある程度、同様の経験がある。(物語とは異なります。) (心臓血管外科 50代)

・ドクターコトーに感銘を受けて研修医の地域研修で離島に行った(小児科 30代)

・僻地医療に起こりがちな対人関係や土地への愛着から治療のためであっても離れたがらず死を選ぶ、などは実際にある話でとても実感が湧くから。どの作品も共通なのが、こうしたドラマチックに描く以上、常人離れした力量を持つ天才が多すぎることだけでしょう(総合診療科 30代)

≪ 王の病室 ≫
・最もリアルでした。リアル故に打ち切りにさせられたという噂を聞きましたが、是非続編を出して欲しいです。(初期研修医・リハビリテーション科 40代)

≪ フラジャイル ≫
・原作で病理診断において「分からないものは分からないと診断することが大事」という台詞があり、診断学の本質を分かっていると思った。(放射線科 30代)

・フラジャイルが面白いと思う。臨床医の存在しか知らない一般市民に病理の重要性を伝えることができるから。(病理診断科 30代)

・弊学の病理医が監修していたこともあり、話の所々で弊学附属病院の風景と思われる箇所があり、テンションが上がります。(医学生 20代)

・病理医を取り上げた作品は少ないので、少々過激な表現でも職業が周知されて喜ばしい。ドラマにしにくい一見地味な業務内容をよく表現してくれたと思う。(健康診断 30代)

・病理医がどのようなことをしているのか知ることができた。病理医の診断によって、患者の人生が左右されると思った。また、オペが上手い医師が居るだけでなく、腕の良い病理医がいる病院だと良いなと思った。(医学生 20代)

≪ 神様のカルテ ≫
・医療現場に立つ前に読んでいた本なので今読んだらどうかわからないが、医師として仕事と私生活の線引き、私情についてなど考えることが多かったように思う(神様のカルテ)(医学生 20代)

・神様のカルテの生と死の間を描いたところに医療の醍醐味を感じたから。(医学生 20代)

≪ はたらく細胞 ≫
・擬人化で分かりやすい: 赤血球や白血球などの細胞が擬人化され、まるでドラマのようなストーリー展開で私たちの体の仕組みを学べる。  キャラクターの魅力: 個性豊かな細胞たちが登場し、それぞれの葛藤や成長に共感できる。特に、主人公の赤血球AE3803と白血球U-1146のコンビは最高!  笑いあり涙あり: ギャグや感動的なエピソードがバランス良く描かれており、飽きずに最後まで楽しめる。  体への意識が変わる: 作品を読むことで、自分の体の中で働く細胞たちに感謝の気持ちを抱き、健康的な生活を心がけたくなる。(リハビリテーション科 30代)

・血球成分の働きや免疫機能の作用の仕方等がわかりやすく表現されている。(健康診断 50代)

・はたらく細胞はアニメも含めて完成度が高い。免疫の勉強のために見ていたが、ちゃんと「そこにあるべき細胞」と「そこにいてはならない細胞」の書き分けがしっかりなされている(医学生 20代)

・小学生の娘が好きで、医学、生物に興味を持つきっかけになるいい作品だと思います。(放射線科 40代)

・好きなのは「はたらく細胞BLACK」で生活習慣病の末路を扱っていて正直怖い、背筋が凍る(眼科 30代)

≪ ブラックジャック ≫
・手塚治虫先生のブラックジャック、生命への賛歌、愛、畏怖が感じられます。取り上げられるテーマもSF、ヒューマン、コメディ、ホラー、恋愛etc.と幅広く、今読んでも楽しめます。(その他 50代)

≪ ER ≫
・当時の日本のドラマとは比べ物にならないほど現実に近い設定と、ドラマの内容もとても良かった(総合診療科 40代)

・ER緊急救命室は抜群に面白い。 テンポ・セリフ・役者のうまさ・カメラアングル・感情の機微などダイナミックかつ繊細に表現されている。1990年代にこのドラマが存在していたこと自体驚きです。日本のドラマでこのレベルの作品を見たことがないし、今後も見ることはないと思う。そこが残念です。(その他 30代)

≪ ラジエーションハウス ≫
・放射線科特有の薄暗い雰囲気で、確定診断に持っていく点が面白かった(初期研修医・精神科 30代)

・ラジエーションハウスによって放射線技師や放射線科に注目が集まった点は嬉しく思います。表現がオーバーだと感じることもしばしばありますが、それを私たちは楽しんでいます。(放射線科 30代)

・現実とは違い、できすぎたストーリーな部分もあるが、放射線科に興味を持ってもらうきっかけとなる点が良いと思う。(放射線科 30代)

≪ アンナチュラル ≫
・法医学が死体だけでなく生体や社会、遺族に還元できる学問だと伝える姿勢が真摯で的を射ていると感じた。(その他 30代)

≪ ドクターX ~外科医・大門未知子~ ≫
・実際に現場でありえないので面白い。ドラマなので再現性が高いかではなく面白いかが大切。(腎臓科 40代)

・現実離れたストーリーと現実的な医療現場を双方描いており、キャスティングも絶妙でよい(整形外科 40代)

・失敗しませんは言えないセリフ。米倉涼子さんが言っていてかっこいい。リアルすぎない方が共感できる。(産婦人科 30代)

・短編でありながら全体としてストーリーがあり、エンタメ性が高く面白いと思う。再現性という点においては違和感ありまくりだが、現実と違う世界の話として見るととても楽しめる。(外科 30代)

≪ JIN-仁- ≫
・仁は江戸時代に現代の医師がタイムスリップしたらというSF的な内容であり、展開がどうなるのかワクワクしながら楽しむことができたため。(脳神経内科 20代)

・今のような発達した医療機器などがない時代の医療を描くことで、本来あるべき医師の姿が見えて感動したため。(医学生 20代)

・ペニシリンを作る場面など、医療の原始になる部分を描いているため面白いと感じる。(消化器内科 30代)

≪ PICU ≫
・PICUは現場のリアル感と主人公の気持ちがリアルすぎて泣きました。(小児科 30代)

・なぜ選択肢にPICUが入ってないのですか?あんなに再現度の高い医療ドラマは稀だと思います。(小児科 30代)

≪ アンメット -ある脳外科医の日記- ≫
・最近の医療ドラマの中で出色の出来栄えだと思います。脚本の内容、俳優さんたちの演技、カメラワーク等のどれをとっても素晴らしかったです。(消化器内科 60代)

≪ ガン回廊の朝 ≫
・戦後の医療黎明期において、国立がんセンターの先生方の献身と努力に脱帽します。これを読むと診療への志を新たにします(外科 40代)

≪ ゴットハンド輝 ≫
・読んでいて非常に興味深く、特にゴットハンド輝は医師だけでなく他の職種も取り上げるなど多角的な視点から読むことができ、実際に医師を志した理由の1つだから(医学生 20代)

≪ メスよ輝け ≫
・メスよ輝けは基本的に原作者の体験から来ていると思われる内容が多く、(発表年代の関係上古い内容が多くなるし、過重労働極まれリですが)違和感なく読める。その分地味な感は否めませんが。(内科 50代)

≪ 東京MER ≫
・現場の緊張感、スピード感が伝わってくる(小児科 60代)

≪ 透明なゆりかご ≫
・内情を知っているとしか思えない脚本(不問 50代)

≪ 麻酔科医ハナ ≫
・「麻酔科医ハナ」はほどよく感動的で読みやすくてよかった。あまり”闇をあばく”とか”赤裸々”的な作品は疲れるし考えこんじゃうし好きじゃないです。(皮膚科 60代)

【アンケート概要】
調査期間:2024年7月4日 ~ 2024年7月6日
対象:「民間医局」会員の医師・研修医・医学生
回答者数:2,545人

知名度トップは映画化に加え、何度も映像化されたあの不朽の名作 〜「医療系作品への所見について」のアンケート〜

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