記事・インタビュー
1965年の開設以来、地域の医療を支え続けている京都市立病院。現在同院では、専門研修を行なう専攻医を募集しています。そこで今回は、同院の専攻医として働く羽生裕太先生と高木佑亮先生、同院で初期研修を終え、これから専門研修を行なう大西佑弥先生と吉田葵先生にインタビュー。病院の雰囲気や後期研修の実情などを伺いました。
<お話を伺った先生>
京都大学を卒業。同大学での初期研修を経て、京都市立病院に入職。血液内科専攻医一年目。
浜松医科大学を卒業し、京都市立病院にて初期研修を行なう。現在は同院の循環器内科専攻医一年目。
滋賀医科大を卒業。京都市立病院の初期研修医二年目。同院の糖尿病代謝内科を専攻予定。
福井大学を卒業。京都市立病院の初期研修医二年目。同院の呼吸器内科を専攻予定。
※この記事は2024年2月に取材した内容を元に編集しています。
Q:京都市立病院を専攻先に選んだきっかけを教えてください。
高木 先生
きっかけのひとつは、当院での初期研修です。医師同士の垣根が低く、さまざまな科の先生とお話できることに魅力を感じました。先輩が2名いらっしゃったので、当院の専攻医の働き方や、循環器内科では手技をどこまでやるかを、実際に見て把握していたことも決め手として大きいです。この病院ほど手技をやらせてもらえるところはないと思い、専攻先として選びました。
吉田 先生
私も初期研修を当院で行なっています。初期研修に関しては、見学の際に、研修医の方々が楽しそうに研修している印象を受けたこと、また、上級医の先生方が非常に熱心に指導されていることが決め手になりました。実際に当院で働き、QOLが高く働きやすい環境だと実感し、専攻医として引き続き勤務することを決めました。
大西 先生
僕は大阪出身ということもあり、最初当院のことを知りませんでした。知り合いから良い病院だと聞き、いざ見学に来てみたら本当に雰囲気が良かったため、初期研修先として決めました。そうした環境の良さに加え、指導医の先生から3年目以降も専攻医として残るように熱心に勧誘していただいたこともあり、専攻医として働くことを決めました。
羽生 先生
私は京都大学の初期研修プログラムを経て、専攻医からこちらに入職させていただきました。働くことを決めた理由のひとつはポリクリで当院に来たときに、血液内科の部長先生のポリクリの指導が素晴らしかったこと、密に接してくれたことも印象的でした。移植件数は神戸や大阪の大病院に比べると少ないところもありますが、京都大学との連携を活かして、ほかではできないような検査なども行なっている。且つ指導体制が素晴らしく、ポリクリでのなじみのあったことから、後期研修先として当院を選びました。
Q:京都市立病院の特徴や魅力は?
吉田 先生
魅力のひとつは、さまざまな出身大学の先生が在籍することだと思います。同期には地方大学の方がたくさんいますし、京都府立医科大学や京都大学の方もいます。医局に関しても、府立と京大の両方がある病院は、京都では少ないのではないかと。いい意味で偏りがなく、居心地が良いです。
羽生 先生
それこそ、こんなに血液内科が強い病院も市中病院ではあまりないかと思います。
高木 先生
ただし、三次救急は受け入れていないため、すごく派手な外傷などは診ることができませんが、症例数がしっかりあるのは魅力的です。
Q:専門研修プログラムは一般コースとサブスぺ混合型のコースがありますね。みなさんはサブスぺ混合型コースとのことですが、特徴を教えてください。
高木 先生
循環器内科でいうと、循環器の病棟や外来、施術を早いうちからやらせてもらえるのが特徴です。そのため、やりたいこと、やっていきたいことなど、今後自分がどこに向かっていくべきかを比較的早い段階で把握できるかと思います。
羽生 先生
専門以外の部分については、専攻医一年目は総合内科外来を週1回担当し、一般的な疾患の対応を行います。そのほかの時間をサブスぺ部分の科目にあてています。総合内科や救急から入院になった患者さんも診られるので、専門以外の疾患も担当できます。J-OSLERで数が足りないものは、部長がほかの診療科の先生に症例が経験できるように話をつけてくださいますね。
内科1:呼吸器・感染症・内分泌
内科2:循環器・腎臓・神経・代謝内科
内科3:消化器・血液
※内科 1~3 の全ての診療科で研修が必須ではなく、不足する症例数や希望に合わせ調整します。
<連携施設>
・急性期医療、慢性期医療および 患者の生活に根ざした地域医療を経験できることを目的とした高次機能病院
京都大学医学部附属病院、京都府立医科大学附属病院、地域基幹病院である京都第一赤十字病院、京都第二赤十字病院、京都医療センター、京都桂病院、大津赤十字病院、市立福知山市民病院、松下記念病院、京都山城総合医療センター、市立大津市民病院、神戸市立医療センター中央市民病院、兵庫県立尼崎総合医療センター、地方独立行政法人静岡県立総合病院、近江八幡市立総合医療センター
・神経および膠原病疾患の専門研修施設
京都宇多野病院
・循環器疾患の専門研修施設
三菱京都病院
・地域医療密着型病院
京都民医連中央病院、新京都南病院、京都南病院、京丹後市立弥栄病院、国保京丹波町病院、京都市立京北病院
・特別連携施設
医療法人 立岡神経内科
Q:専攻医以上の先生は基本的に医局からきているのですか?
羽生 先生
医局からきている方が多いですね。
高木 先生
上の先生はみなさん医局人事ですね。
Q:専攻医になると医局に所属しなければいけないのでしょうか?
吉田 先生
勧誘はされますが、所属するかどうかは自由です。私は専攻医の間の3年間はフリーでいて、その後、院にいきたいと感じたら医局に入ることを考えようと思っています。
高木 先生
サブスペシャルティに進む時に入るかどうかを選ぶことになります。専攻医の間に必ずしも医局に所属しないといけないわけではありません。
大西 先生
科によっては研修後も医局に所属せず、この病院に残る先生もいます。ちなみに、糖尿病代謝内科は医局に所属することになっています。
Q:大学病院ではなく、こちらの病院を選んだ理由を教えてください。
高木 先生
一番は、第一線に立つ機会が多いことです。もちろん、サポートが必要な場合は、相談をすれば快く受けてもらえます。当院は、自分で見て考えてどうするかを、割と早くから求められる。そういう意味では経験値を多く積むことができ、第一線で活躍出来る医師になれると思います。
Q:冒頭に雰囲気の良い病院だとお話がありましたが、専門研修におけるQOLはいかがでしょうか?
高木 先生
当直は月2〜3日ほどです。診療科に、月にもよりますが、症例数も多く、充実した専門研修を送れていると感じています。
吉田 先生
育休を取得した男性医師がいたり、時短勤務の先生がいたりと、女性にとってはすごく働きやすいかと思います。また、定時で帰る科が割と多い印象です。代休制度も特徴的で、金曜日と土曜日の当直に入ると、そのあと一日休みをもらえます。
羽生 先生
有給も取りやすい方だと思います。夏季休暇はちゃんと取得しようと部長先生が言ってくれるので、取得率は高いと思います。
羽生 裕太、高木 佑亮、大西 佑弥、吉田 葵
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