記事・インタビュー
医師には外国語、特に英語の“読解力”には自信のある方は多いでしょう。
でも”会話力”となると少し自信がなくなってしまう方もいるのではないでしょうか?
語学の習得に苦労された方ほど「自分の子供にはしっかり語学を勉強してほしい」と考えることでしょう。
でも、子供の英語教育はいつから始めるべきなのでしょうか?
「早いに超したことはない」という意見と、「幼い頃は日本語をしっかり教えたほうが良い」という意見があります。
今回は、早期英語教育の事情についてご紹介したいと思います。
英語は臨界期が来るまでに学ぶと良い?
「人間が言語を学習する上で適した年齢」というものがあります。
これが「臨界期」と呼ばれるもので、「7歳までであれば、母国語以外の言語でも、スムーズに吸収できる」と言われるものです。
この時期までに英語教育をはじめると、一般的に「th」や「v」といった「日本人が苦手」とされる発音も習得することができ、さらには「英語で物事を考える」力もつくとされています。
子供の脳は、発達段階です。脳は8~13歳まで発達を続けるとされ、この時期は「クリティカルエイジ」と呼ばれ、英語教育はこの年齢までにはじめると、「ネイティブレベルの英語力が身につきやすい」と言われています。
早期英語教育で日本語が下手になる?
「早いうちから英語を教えるべきではない」と主張する人の多くは、早いうちから2ヶ国語を学ぶことで「母国語の習得に支障を来す」と考えているようです。
実際、早期に複数の言語を覚えることで、会話中に母語とそれ以外の言語が混ざったおかしな話し方が身に付いてしまったといった例を聞いて、不安になる方もいるでしょう。
しかし、こうしたデメリットに関して言えば、両親が家で子供としっかり母語でコミュニケーションを取ることで、矯正できる部分も多いとされています。
英語と日本語は一緒に勉強できる?
幼い頃に海外生活を経験した人の中には、20歳を過ぎてから再び留学し、数ヶ月でネイティブと同等の語学力を取り戻す人がいます。
その一方、「親の意向で強制的に語学教育を受けさせられた」と、その後英語嫌いになる人もいます。
米国のある研究機関の報告によると、「3歳前に2カ国以上を習得する際は、脳内の隣接した場所に言葉を保存し、それよりも遅い時期に学習する際は別の場所に保存する」とされます。
先の例のように、幼い頃に身についた語学力は、しばらくその言語を使わなかった場合でも、学習を再開することで取り戻せると言われています。
結論として、「臨界期」や「クリティカルエイジ」を迎える前に外国語を学び始めることで、将来、語学力を飛躍的に伸ばせる可能性はありそうです。
バイリンガルやトリリンガルな社会で生きるために、早目に外国語を学び始めるよう促したいと考えるでしょうが、「臨界期」を超えても外国語にコンプレックスを持たない環境があれば、子供は自発的に学ぶことができるのではないでしょうか。
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