アンケート記事
医療福祉分野での公的資格を証明するためのHPKIカード。電子処方箋や医療文書への電子署名、資格確認、研修会の単位管理などができるようになりますが、医師への普及状況は現在どうなのでしょうか。また医学生はどう考えているのでしょうか。
民間医局コネクトは会員医師・研修医・医学生を対象にオンラインでアンケートを実施。 2,536人から回答が寄せられました。
Q:HPKIカードについて、ご自身にあてはまるものをお選びください。(回答数: 2,536)
Q:HPKIカードについて、ご自身はどの程度必要性を感じますか。(回答数: 2,536)
Q:前問でお答えいただいた理由を教えてください。(回答数: 2,536)
≪ 必要性を感じる ≫
・以前、救急隊が要救助者の妻が看護師でありルート確保を依頼し罰せられており、医療関係者であることを容易に証明できればバイスタンダーとなった際に動きやすいと思うから。(例えば心停止していないがボリューム不足で血圧低下している患者にルート確保し外液投与するなど)(初期研修医・小児科 20代)
・現時点でデジタルトランスフォーメーションが全く進んでいないので、この認証システムを基盤としてより多くの安全なサービスが展開できると考えたからです。(循環器内科 20代)
・医師免許証が賞状であることからも、様々な場面で免許を持っていることを提示する必要がある際に、こういったものがあると便利だと感じるから(消化器内科 20代)
・病院外で緊急の場面に立ち会ったとき、消防は医師と名乗る人を信用していないと聞いたことがあるが、HPKIカードなら医師であることが証明しやすく、消防と連携できるのではないかと思うから。(初期研修医・救命救急科 40代)
・他の病院での治療歴などを把握する時間が短縮され、安全を維持した状態で医療のスピード質が上がると思うから。(医学生 20代)
・全部マイナンバーカードに集約して全学会費とか全部自動支払して住所とか勤務先とかも勝手に自動的に更新していただけるとありがたい(小児科 50代)
・診療のデジタル化・遠隔化が将来的は進んでいくことは不可避と考えられます。その際にこのような証明を保有していなければ、診療に支障が出てくる可能性が高いと考えられます。このため、やや必要性を感じると回答しました。(糖尿病科 30代)
・臨床研究のためのデータ集めが容易になるかもしれない。専門医などの資格を外勤先にすぐ提示できるかもしれない。(泌尿器科 20代)
・現在あらゆるものの電子化が進んでいるため、そのセキュリティ強化を目的として将来的には導入する必要があると思うが、勤め先に利用するシステムが構築されるまでは取得する必要を感じない。(医学生 40代)
・デジタル化が世界的に進められている中、煩雑なこれら医療業務がこのカードによって簡略化されると考えられるため。然しながら、患者の重要な情報等をカード1枚で取り扱えるという点についてはマイナンバーカード同様に大きなセキュリティをつけるべきだと思う。(医学生 40代)
・現在病院実習中の病院でIDとパスワードに加えQRコード認証がセキュリティと加わり、かえって煩雑になったのに加え、先生方もあまり有用性を感じておらず、そういった面も補えるのであれば一体化したシステムの導入はあっても良いと思う(医学生 20代)
・いわゆる医療DXの先駆けとして全国共通で使える仕組みだと思うので不要な労働時間の削減に役立つ一面もあるのではないでしょうか(医学生 20代)
≪ 必要性を感じない ≫
・業務上支障がないため。業務上必要であれば、申請費用が自己負担というのが納得できない。(呼吸器内科 20代)
・広く知られているならまだしも、限定的な範囲で使われているだけであれば使うメリットを感じない。(初期研修医・放射線科 70代)
・現在は産業医として勤務しており、今後おそらく病院等で外来業務を行うことはないだろうと思うから。(産業医 30代)
・このカードが現時点で必須でなければ、物がかさばるどころか、個人情報流出リスクがあるから(循環器内科 40代)
・定期非常勤で健診業務の掛け持ち勤務をしており、各施設での汎用性が得られていないと思うから(内科 40代)
・大学病院勤務だがHPKIカードを全く必要とされてない。事務方から取得してくださいとも言われない(呼吸器内科 40代)
・これまで使っていなくても問題なかったから。また、周りでつかっているという人も聞かないため。(初期研修医・リハビリテーション科 30代)
・電子化されたものを利用する患者が、ITを使いこなせない高齢者であるため。登録にあたって自分のマイナンバーカードの情報を提示せねばならずプライバシーが侵害されるため。(泌尿器科 30代)
・小児科なので慢性疾患が少なく薬剤の情報を知る必要性が低い。まだ一度も使っていないし、業者も使い方がまだわかっていない様子。(小児科 40代)
・マイナンバーカードに統合するならともかく、説明文の内容から推察するに煩雑になるだけだと思うから。(健康診断 40代)
・電子処方箋の処方に必要となっているが、現時点では取得を検討していない(申請すれば無償で交付されるのであれば検討するが)。(麻酔科 30代)
・便利かと思われるが、それほどの状況に接したことがないため、それほどなくてはならないものではないから(産業医 60代)
≪ どちらともいえない ≫
・病院全体が電子処方箋になるために半強制的な取得であり、そのほかで使用する予定はない(総合診療科 20代)
・証明書としての機能は良さそうですが、情報の追跡や管理は患者さんのカード(マイナンバー保険証など)で充分なのではと思いました。理解不足かもしれませんが。(放射線科 20代)
・病院から取得を求められているが、どのように活用するのかわからないから(初期研修医・総合診療科 30代)
・医師免許は大きいので、小さい証明書は便利と思うが、使う場面はあまりなさそう(眼科 20代)
・勤務先に取得を義務付けられたら取りにいくと思うが、今のところ何も言われていないから。(産婦人科 20代)
・医療機関間で情報の共有ができるというのは良いが、カードを落としたりした時に大変そうだから。共有できるプラットフォームがあるのは良いが、カードの存在意義がわからない。(血液内科 20代)
・便利になる面もありそうだが、今なくても困っていない。取得や維持がめんどくさそう。(救命救急科 30代)
・カード1枚で証明できるのはよいが、どれだけの医療機関でこのシステムが利用できるかわからないため。(初期研修医・循環器内科 40代)
・身分証明のカードとして使いたい。もっとデザインをかっこよくしてほしい。取得も更新も、非医師会員でも無料にしてほしい(病理診断科 40代)
・医師免許証を持ち歩くわけにいかず、資格証明が不確かな現在より良い気もするが、リスクもあると思うので、判断はよりよく理解してからにしたい(精神科 20代)
【アンケート概要】
調査期間:2024年5月14日 ~ 2024年5月16日
対象:「民間医局」会員の医師・研修医・医学生
回答者数:2,536人