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2025.12.11

ちょっと話そう、研修医のホンネ。 Vol. 1 初期研修のスタートダッシュ ―怒涛の半年と、忘れられない初当直―

ちょっと話そう、研修医のホンネ。Vol1

皆さん、研修生活はどう過ごしていますか?初期研修が始まって半年、毎日があっという間に過ぎていませんか?
初めての当直、ローテーションでの戸惑い、勉強の仕方、しんどかった瞬間、そして将来のこと。
今回は、1年目の初期研修医2人と、ちょっと先を走る6年目の先輩が、リアルな本音と役立つヒントを語り合いました。
「自分だけじゃないんだ」と思える話が、きっとここにあります。

まずは、「初期研修半年の振り返り」からスタートします。

<登場人物>

柴田先生

ファシリテーター 柴田 泰佑先生

亀田総合病院 救命救急科の卒後6年目。佐賀大学出身。

A 先生

A 先生

中国地方出身で、隣県の国公立大学を卒業。現在は関東のK総合病院にて初期研修中。

B 先生

B 先生

中部地方出身で、同県の国公立大学を卒業。現在は中部地方のN病院にて初期研修中。

【ちょっと話そう、研修医のホンネ。】

自己紹介

今日はお二人に、初期研修のリアルをざっくばらんに話してもらえたらと思います。
まずは自己紹介からいきましょう。私は柴田泰佑、卒後6年目で救急専門医を目指しています。
初期研修は千葉の亀田総合病院で、そのまま救急科に残りました。

K総合病院で研修しています。出身は中国地方で、隣県の国公立大学を卒業しました。
春に関東に来て、右も左も分からない状態からのスタートでした。趣味はラーメン屋巡りです。

僕は中部地方のN病院で研修しています。大学もずっと地元なので外の世界をあまり知らない感じです。
趣味はウィンドウショッピングと、元水泳部なので週1~2回プールに通っています。

怒涛の半年、“あっという間”の毎日

最初の半年、正直どうでしたか?

一言で言うと、「あっという間」ですね。
4~6月くらいまではしんどくて、「これがあと2年も続くのか……」と思っていたんですけど、できることが少しずつ増えて、1日がどんどん早く過ぎていくようになりました。気づいたらもう半年です。

わかります。私も初期研修1年目の頃は毎朝5時に起きて6時に病院に行って病棟の患者さんの採血をして、7時からプレラウンドするという生活でした。
とてもきつかったですが、振り返ると本当にあっという間でしたね。

僕もまったく同じです。半年経って「もう次に後輩が入ってくるのか」と焦っています。
正直、手技もまだ自信がないので不安です(笑)。

ちゃんと先輩として教えられるのか、というプレッシャーが出てきますよね。私も1年目の後半くらいは「2年目になるのが怖いな」と思っていました。

焦りと充実、忘れられない初当直

初めての当直、どうでした?

僕は4、5月に産婦人科を回って、6月から内科ローテーションに入ったタイミングで、内科の病棟当直に入りました。月に3回ほどあって、初めてのときは全く寝られなかったですね。
うちの病院では、内科系の患者さんを当直医3人で見る仕組みになっていて、200人くらいいる患者さんの「発熱しました」「転倒しました」みたいなコールが、まず1年生に来るんです。
最初は動きも分からず、2年生の先生と一緒にサポートで入らせてもらったんですけど、その日は“引きが良かった”のか、ひっきりなしに電話が鳴って…。気づいたら朝6時でした。もう何も分からないまま夜が明けてましたね。

いろんな内科の患者さんを3人で診る、ということですか?

はい。循環器と脳卒中科にはそれぞれ当直がいるんですけど、総合内科や呼吸器など、その他の内科系は内科当直チームでまとめて対応します。
電話を受けて、その都度対応していく、という感じですね。

なるほど。すごいシステムですね。責任も分担も大きそうですね。

そうですね。最初は本当にテンパってばかりでした。

B先生はどうでしたか?

僕は4月中旬、誕生日の日に初当直でした(笑)。
いきなり「問診行って」と言われて、何から聞けばいいのか分からず…。患者さんの名前と生年月日を聞くのを忘れちゃいました。

あるあるです(笑)。
私も最初の救急当直はすごく印象に残っています。最初の問診に1時間かけて、途中で2年目の先生に切られました(笑)。

その日はいきなり皮膚縫合と膀胱洗浄も経験させてもらいました。緊張しましたが、充実した日でした。

膀胱洗浄はきれいになっていく感じが気持ちいいですよね(笑)。

ちょっと話そう、研修医のホンネ。 Vol. 1 初期研修のスタートダッシュ ―怒涛の半年と、忘れられない初当直―

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