記事・インタビュー

2024.09.01

沖縄県北部地域の精神科医療を支えて44年 これからも地域に寄り添い共に歩む病院

案件番号:24-C058 医療機関名:もとぶ記念病院

沖縄県有数の観光地に位置する精神科・老年科病院より、精神科医の募集を致します。
「明るく開放的で信頼される病院」・「地域に根ざした公益性の高い病院」を目指しており、理念に共感する方をお待ちしています。

沖縄県那覇市から車で約2時間、本部町にある医療法人博寿会もとぶ記念病院は、医療圏で初の精神科病院として設立、長年にわたり地域の医療をリードし支えてきました。
若い医師からは新しい知識と感性を、ベテラン医師からは豊富な知識と経験を共有し、共に学び成長する環境で、一緒に働きませんか。

おすすめポイント

精神科と内科を標榜、法人全体で地域精神/老年医療サービスを展開しています。
近隣僻地・離島への往診・訪問を実施、アウトリーチ活動にも意欲的です。
人気観光地エリアにあり、美しい海・自然を満喫できます。
残業ゼロ、年休消化率100% ワークライフバランスが取りやすい環境・体制を整えています。
ゼロエミッション活動に積極的に参加、太陽光発電システムを備え年間使用電力量の約27%を供給、
CO2削減量は年間179t

医療法人 博寿会 もとぶ記念病院について

沖縄県北部、自然豊かな人気観光地に位置する精神科病院です。
離島や僻地が多い環境下で、開院当初からアウトリーチによる精神科医療を展開、同時に高齢者医療の役割も担っている医療施設です。

特徴や魅力について、同院を開設された院長の髙石利博先生にお話を伺いました。

インタビュー

ーいまから44年前に本島北部地域の精神科医療を担う病院として「もとぶ記念病院」を開院されています。設立の経緯をお聞かせください。

髙石院長

 院長  医療法人「博寿会」は、あらゆる¨心の問題¨に専門的に取り組み、全人的関わりを通して一人一人を大切にし、地域に根ざした信頼される医療の提供を目指すことを理念に運営しています。
北部地域には当時、県立名護病院(現在の沖縄県立北部病院)と国立療養所愛楽園の2つの病院しかなく、いわゆる医療過疎地と呼ばれる状況でした。
当時那覇市内の病院で勤務しており、そこで知ったのが北部地域に住む患者さまが那覇まで一日がかり、あるいは泊りがけで通院している実情でした。「北部地域にこそ精神科医療が必要だ」という強い思いが芽生え、当時の精神科医療界では、開放的精神医療の導入という新しい動きが広がりつつあり、私自身、県内でもその導入を急ぐべきだと考えていたところ、そうした時代の流れと県内の厳しい実情を目の当たりにした経験が重なり、本島北部で開業しようと決めた経緯があります。

ー貴会がめざしてきた三つの柱は、「開放的精神医療」「地域精神医療」「高齢者医療」とされています。それぞれについてお聞かせ願いますか。

■「開放的精神医療」について

全体写真
開院当時の院長挨拶
31年前、診療報酬化される以前から行っていた
長期入院の患者様と、スタッフ付き添いで外出支援を行っている様子

 院長  いまでこそ開放的精神医療は一般的となっていますが、1970年代までの精神科病院では、ほとんどが患者さまを制約の多い管理のもとで看る閉鎖病棟の形態が主体でした。私は大学を卒業後、東京の虎の門病院で3年間勤務していたのですが、そこでは“壁のない精神病棟”と呼んで、精神科と他科の患者さまが同室で入院したり、保護室を設けないなど新しい取り組みが行われていました。
そこを経て赴任した那覇市内の病院では、広い敷地が確保され、とても恵まれた環境で医療に関わることができました。それが私にとって開放的医療の良さを実感する機会となったのです。こうして1980年4月、多くの方の応援をいただきながら県内ではじめてとなる開放的精神医療を行う病院をスタートさせました。
開放医療とはいっても、従来型のやり方がある程度は必要となります。当院は全面的な開放医療からスタートし、いろいろと経験を積む中で、より良い医療体制のあり方を追求しながら、必要となる従来型のやり方を一つずつ加えていった独自の歩みをたどっています。精神科病院の多くが、少しずつ「閉鎖から開放へ」と移行し始めたころでした。
振り返ると「開放的精神医療」とは、閉鎖病棟があるかないかの問題ではなく、患者さまへのかかわり方が“普通の人間関係の中で信頼し合えるような”関係として築かれていること、言い換えれば、私たち自身が持つ“病者への心の壁(バリア)”から開放的であり続けること、それに尽きると思います。

■「地域精神医療」について

 院長  本島北部は、離島をかかえる広範囲な地域です。開院当時は、交通事情もいまと違って大変不便でした。 私たちは「病院に来てくれる患者さまだけを診るというわけにはいかない」と、最初から患者さまの送迎をはじめ、往診や離島訪問など地域と密着した医療を行ってきました。
県内でも前例がなく、全員で試行錯誤を繰り返しながらノウハウを積み上げていく毎日でした。
現在、精神科デイケア、精神科デイナイトケア、重度認知症デイケア、精神科訪問看護などの在宅支援が国の医療制度のもとで行われていますが、ようやく時代が追いついてきたという感じです。

■「高齢者医療」について

重度認知症治療病棟の様子
ナースステーション
名護市内にあるメンタルクリニックやんばる

 院長  沖縄本島北部は、国内でも有数の長寿の地域です。それだけに高齢者医療には、どこよりも力を入れて取り組まなければならない現実があります。静かな農村に突如、182床規模の精神科病院が、しかも、施設の内外を自由に行き来できる全開放型で地元の皆さまには大きな戸惑いとご迷惑もおかけしました。しかし、すぐに温かく大らかな気持ちで受け入れていただき、その姿勢にも非常に助けられました。それに応えるために、私たちは地元の方々を積極的に採用し、地元の食材を活用し、そして最も要望の大きかった高齢者のための慢性期内科診療を設置しています。
このような事情でスタートした高齢者医療ですが、しばらくするとADLが低下した高齢者にどのように対応するかが課題となり、すぐに理学療法リハビリセンターを開設・精神科病院で理学診療を取り入れたのは当院が初めてでした。
さらに、認知症診療に力を入れようと新たに「老人性痴呆疾患治療病棟」の開設と「重度痴呆疾患デイケア」を開所、いずれも県内では初の施設で、こうした高齢者医療の延長線上に、介護老人保健施設「もとぶふくぎの里」の開設を含め、早い時期から高齢者医療に取り組み、「リハビリ」「認知症」「介護」の順に高齢者医療の充実を進めてきた歴史があります。

その後「もとぶ記念病院」のサテライト機能を持つ診療所として、メンタルクリニックやんばるを開設し、働き盛りのメンタルヘルス、子どもの心理相談などさまざまな心の悩みに応じ医師による往診やケースワーカー、看護師による訪問看護、精神科デイケア・ショートケアを行うなど、地域のニーズに応える活動を積極的に行っています。

ー経営理念、事業運営の考え方についてお聞かせください。

 院長  医療法人「博寿会」は、あらゆる“心の問題” に専門的に取り組み、全人的関わりを通して一人一人を大切にし、地域に根ざした信頼される医療の提供を目指します。
当会は法人内部の問題で一時期経営を離れなければならない時期がありました。再着任後、改革を推し進める中で痛感したのは、「医業は人なり」ということでした。私たちのように地域とともに存在する医療機関は、なによりも安定した運営が求められますが、それは優秀で心ある「人財」なしでは実現できないことを身を持って感じたのです。全員が一つになって総力戦で取り組むことによって地域医療が成り立つことを考えれば、人材こそ大事な財産です。
民間の医療機関である限り、採算性を確保しなければなりませんが、利潤追求だけでは医業は成り立ちません。医療に従事する者は、つねにサービス精神、医療・介護への倫理観と強い使命感が求められます。私たちは、それを自覚し実践する組織であり続けたいと思っています。

ー人材の育成について、お考えをお聞かせください。

 院長  精神科医療では、社会の変化がもたらす新しい疾患への対応が重要なテーマになることがあります。社会が求める新たな心の病への対処に、私たちはしっかりと応えていかなければなりません。そのために医師だけでなく、職員全員が新しい知識を学び、成長し続けることを方針としてかかげています。

ーこれからの取り組みやビジョンについて、お考えをお聞かせください。

 院長  事業を進めるにあたって、基本的な考え方はこれまでと変わりません。今後を含めた方針を要約すると、次の4点になります。
1.その時々の社会のニーズに応えられるようにソフト面、ハード面の整備を進めること
2.地域精神医療のより一層の強化をめざし、特性のある在宅医療を展開すること
3.超高齢化社会を見据え、制度を活かしながら特色のある高齢者医療を展開すること
4.サテライトとなるクリニックが当法人の医療の玄関としての機能だけでなく、時代に即した特徴のある診療所として地域に貢献すること

「沖縄県の北部に、全国のどの地域にもない貢献度の高い独特の地域精神医療、在宅支援がある」、そんな評価をいただけるように、職員とともに努力していきたいと思います。

院長からのメッセージ

待合室にて
地域医療支援奨励賞を受賞、平成30年には秋叙勲 瑞宝章受賞も
授賞式後スタッフと

医療法人博寿会は、全国的に有名な美ら海水族館、備瀬のフクギ並木、日本一早く咲く八重岳の桜並木など、自然に恵まれた沖縄県有数の観光地である本部町に昭和55年に開設されました。

開設当初より、こののどかな環境と、地域の方々のやさしさを患者様の治療環境の一部としてごく自然に取り込んでまいりました。そして、地元出身者を積極的に採用することで専門性だけではない、地元の人間関係の良さも医療に活かされてきました。このようにソフト面においては沖縄の自然に恵まれた地域であることを精神科医療に反映し、優しく温かみのある医療を実践してきたつもりです。

しかし、「自然に恵まれた」であるがゆえの悩み、それは都市化されていないということでもあり、言い方を変えれば過疎地域、田舎であるという悩みです。患者様にとって豊かな自然、おだやかに流れる時間は大切な治療環境の一側面でありますが、都会と地域の格差が広がりつつある現在においては、都会のような便利で何にでもすぐにアクセスできる社会で教育を受けてきた現在の医療従事者、特に医師の皆様には物足りない社会であることも事実です。

もちろん、このような地であっても専門医制度等キャリアアップを目指すことも可能ですが、多くの症例、急性期の患者様の受け入れなどについては都会の医療機関に比べると見劣りをする部分も多くあります。

しかし、都会から少しだけ離れてワークライフバランスを大切にしたい、風光明媚な地でゆっくりと自身のスキルを地域社会に還元したいと思われる先生方もおられるのではないでしょうか。

我々医療法人博寿会は、特別な医療や突出した実績があるわけではありません。

患者様がこれからも変わらない生活を続けていけるよう、地域の皆様の理解と協力をいただきながら、この地で我々しかしないような地道な実践を続けていきたいと思っております。多くの先生方にこの地の魅力を感じ取っていただき、当法人の医療に興味を持っていただければ幸いです。

副院長からのメッセージ

私は2023年4月から当院で勤務しております。
妻の実家のあるこの町に院長のお誘いで入職し、毎日を楽しく過ごしております。
もとぶ記念病院の医局のチームワークは抜群で、お互いに気軽にコンサルトし合っております。
私は精神科に関しては全くの門外漢で、内科外科を始めとして身体科を中心に診ております。そんな私でもこの病院で勤まるのは、精神科の先生方のサポートがあるからです。院長が寛大な方でスタッフに無理難題を求めることが無いため、かなり自由の効く職場です。
公務員ばかりやってきた私は当院に入職する前は、民間病院にはかなり厳しいノルマがあって、時間外勤務や週末の勤務も多々あるだろうと覚悟しておりました。しかしそんなことは全くなく、たまに週末の日直や当直が入る程度です。週末や祝祭日はしっかり休める体制になっております。
「人は石垣、人は城」が院長のモットーではないかと思っております。そんな風に大切にされながら勤務できる幸せがこの病院にはあります。まずはこの病院で勤務してみて頂き、それからまた次を考えるのも一手ではないでしょうか。

常勤医師からのコメント

職場は優秀なスタッフに助けられながら、自分のペースで仕事ができています。

求人情報

施設名
医療法人 博寿会 もとぶ記念病院
所在地
沖縄県国頭郡本部町石川972
アクセス
那覇空港より車で2時間
許可病床数
170床
募集科目
精神科
募集人数
1名
勤務日数
平日週4.5日(土日祝日はお休み)※半日は研究日扱い、実質4.5日/週
所定労働時間
8:30~17:30(休憩12:00~13:00(60分))
給与
想定年収:1800万円(年齢・経験考慮)
業務内容
外来対応・病棟管理(外来は週1~2コマ担当・午前のみ、~25名/日程度、認知症治療・特別疾患・精神科療養の3病棟を管理)認知症を中心に、老人精神領域、統合失調症・気分障害、離島往診等
休日
土日祝
休暇
12/30~1/3、有給休暇:入職直後10日付与、夏季休暇他、慶弔休暇あり
福利厚生
雇用保険、健康保険、厚生年金保険、労災保険、介護保険
募集の背景
増員
求める人物像
充分な臨床経験、法人方針に共感し実践できる方
選考の流れ
応募書類(履歴書・職務経歴)送付→書類選考→面接(対面 OR オンライン)
イメージ写真一覧

紹介動画

https://www.qab.co.jp/movie/episode/kaerutv120
※当院が取材されている動画です。冒頭に空撮映像があります。

 

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