アンケート記事

2024.01.11

医師の自宅購入額は6割超が5000万円、1割超が1億円以上 ~「住まい」アンケート~

高収入である一方で、当直や勤務先からの呼び出しも少なくない医師は、自宅を選ぶ際どんなことを重視しているのでしょうか。民間医局コネクトは、「住まい」について会員医師にアンケートを実施し、2050人から回答を得ました。「持ち家」派か「賃貸」派か、「一戸建て」派か「集合住宅」派かなど、それぞれの思いが表れる結果になりました。

[ 目次 ]
・現在の住まいは、持ち家と賃貸でほぼ半々
・持ち家の購入価格は、6割超が5,000万円以上
・賃貸の賃料は、86.7%が20万円未満、99.6%が50万円未満
・住まい選びの決め手トップ3は、「環境(エリア)」「広さや間取り」「勤務先へのアクセスの良さ」
・希望する住まいは、持ち家派が約7割、賃貸派は約3割
・住宅形式は、一戸建て派57.5%、集合住宅派42.5%
・今後、自宅購入を考えている人は約4割
・自宅購入検討者の6割強が一戸建てを希望
・自宅購入を検討しない理由は「簡単に住み替えができない」が最多

現在のお住まいは、持ち家と賃貸でほぼ半々

はじめに、現在の自宅について、住居や所有形態を聞きました。

Q現在の自宅について、あてはまるものを教えてください。(回答数2050)

最も多かったのはマンションで49.3%でした。一戸建ては35.2%、アパート形態が12.7%になりました。
自身が所有する家に住む人は45.0%。ご家族の所有は8.1%でした。所有で5割を超えていますが、賃貸は46.3%となり、ほぼ半々という結果になりました。

次に、自宅を自己所有と答えた方923人に、その購入金額を聞きました。

Q現在のご自身の自宅について、ご自身の所有とお答えいただきましたが、購入金額を教えてください。(回答数923)

※端数処理のため合計値が100.0%になりません

ボリュームゾーンは、3,000~5,000万円未満の26.8%、5,000~8,000万円未満の37.5%でした。
5,000万円以上の家を購入した人を見ると、6割超の64.4%という結果に。1億円以上と答えた人も全体の11.8%になりました。

では、月々の負担額はどれくらいなのでしょう。ローンの支払い額についてお答えいただきました。

Q現在のご自身の自宅について、月のローンの支払い額を教えてください。(回答数923)

※端数処理のため合計値が100.0%になりません

ローンの支払いは10~20万円未満が最も多く39.8%、続いて20~50万円未満が19.7%でした。また、1割弱がキャッシュで購入し、18.9%がローンを完済と回答しています。

一方、賃貸の月々の家賃はどうなっているのでしょう。
自宅の所有形態で「賃貸」と回答した949人に、月間の賃料を教えていただきました。

Q月間の家賃を教えてください。(回答数949)

※端数処理のため合計値が100.0%になりません

 賃貸では、10万円未満が38.4%、10~20万円未満が最も多く48.3%となりました。20~50万円未満は12.9%となり、50万円未満が99.6%という結果になりました。

住まい選びの決め手は、住環境にあり

では、自宅を選ぶ際、医師の皆さんは何を重視しているのでしょう。選ぶ決め手について、最大3つまでお答えいただきました。

Qご自身の自宅を選ぶ決め手は何でしょうか。最大3つまで教えてください。(複数回答可、回答数2050)

最も票を集めたのは「環境(エリア)」でした。「広さや間取り」に続き、「勤務先までのアクセスの良さ」も重視していることがわかります。「価格や家賃」はその次という結果になりました。

Q9 現在のご自身の自宅について、次の項目の満足度をそれぞれ教えてください。(回答数2050)

現在の自宅への満足度を聞くと、環境や広さや間取り、勤務先までのアクセスの良さなど、先の質問で「重視する」と回答する人が多かった点で満足度が高いことがわかりました。自己所有、賃貸に関わらず、こだわって自宅選びをしている様子がうかがえます。

持ち家と賃貸、どちらがいいかについては、さまざまな理由や考えが寄せられました。

Q自宅を決める際、「持ち家」「賃貸」のどちらがいいと思いますか。(回答数2050)

※端数処理のため合計値が100.0%になりません

「持ち家」がいいと回答した人は、どちらかといえば持ち家がいいという人も含めると、67.6%と多数派になりました。
「賃貸」がいいと回答した人は、どちらかといえば賃貸がいいという人も含めて32.3%でした。

では、なぜ「持ち家」「賃貸」がいいと思うのか、具体的な理由を見ていきましょう。

Q前問で、そのようにお答えになった理由を教えてください。

【持ち家派】
・気兼ねなく暮らせるから(外科・30代)
・自分だけの空間は代え難い(腎臓科・40代)
・資産になるから(精神科・30代)
・ペットなども飼いやすいから(糖尿病科・20代)
・庭付きの家がほしいため。自分で一から環境を考えたいため(小児科・30代)
・持ち家の方が家のクオリティが高いから(眼科・30代)
・高齢になってから賃貸を借りるのは大変と聞くので(その他・30代)
・子どもが走り回っても周囲に気を遣う必要がないから(循環器内科・30代)

【賃貸派】
・いつでも気軽に引っ越せるから(整形外科・30代)
・気に入らなくなれば住み替えが楽だから(呼吸器内科・30代)
・異動があるため(病理学・30代)
・隣人と災害のリスク(麻酔科・40代)
・後始末のことを考えなくていい(内科・30代)
・持ち家の資産価値が暴落するのが怖いため(精神科・20代)
・管理が楽だから(形成外科・20代)
・家賃補助が出るから(内科・50代)
・転職先を選べるから(泌尿器科・30代)

「持ち家」派は、資産になるからという意見や、傷や音などを気にすることなく暮らせることにメリットを感じる人が多くいました。
「賃貸」派では、転勤の可能性が高いから、土地に縛られずに動きやすいからという声が多く、災害のリスクを懸念して賃貸を選ぶ人もいました。

次に、「一戸建て」か「集合住宅」かについても意見を聞きました。

Q自宅を決める際、「一戸建て」「マンションなどの集合住宅」のどちらがいいと思いますか。

どちらかといえば一戸建てという人も含めると、「一戸建て」派が57.5%と多勢に。「集合住宅」派は、どちらかといえば集合住宅という人も含めると42.5%でした。

Q前問で、そのようにお答えになった理由を教えてください。

【一戸建て派】
・物音に神経質にならなくてもよいこと、気軽に外と行き来できること、共用部がないためすべてを好きなように変更できること(産業医・40代)
・上下階を気にしなくて良い(腫瘍内科・40代)
・広いから。自分で間取りを一から作れるから(泌尿器科・30代)
・集合住宅はなにか問題がおこったときに、他人の意向も考え合わせなければならないから(内科・30代)
・土地含め自分の財産になるから(総合診療科・30代)
・趣味のガーデニング、家庭菜園をしたい(産業医・60代)
・マンションは管理組合など煩わしい(精神科・50代)
・マンションが老朽化したとき問題になりそう。住む人が減ると管理費が値上がりしそう(呼吸器内科・40代)
・庭で子どもとサッカーをしたり、BBQをしたり、いろいろなことができるから(救命救急科・40代)

【マンション派】
・患者に家を知られる可能性があり、セキュリティがしっかりしているから(精神科・30代)
・セキュリティが安心。町内会などの面倒な近所付き合いがない。虫がやって来づらい(代謝内科・30代)
・マンションの方が、ゴミ出しなどが楽で良い(産婦人科・30代)
・管理を共同でできることと、建物が頑丈(腎臓科・30代)
・将来売却するときに、買い手が多いから(消化器内科・60代)
・一戸建ては掃除が大変。マンションの方が立地が良いから(精神科・30代)
・気密性が高い。寒がりなので(精神科・40代)
・除雪などの手間が少ない(内科・50代)
・管理が行き届いている、コンシェルジュがいるなどの利便性(心臓血管外科・40代)

「一戸建て」派は、騒音を気にせず過ごせることをメリットに感じているようです。「マンション」派は、セキュリティや管理面、ゴミ出しなどの利便性、設備の充実さを利点に感じる声が多く寄せられました。

これから自宅の購入を考えている人は約4割

続いて、自宅購入に関する今後の方針についても聞きました。

Q今後、ご自身の自宅を購入したいと考えていますか。(回答数949)

現在「賃貸」に住んでいると回答した949人に対して質問したところ、考えている人が42.3%、考えていない人が35.9%という結果になりました。

では、いつごろの購入を検討しているのでしょう。

Q自身の自宅をいつごろまでに購入したいと考えていますか。(回答数401)

※端数処理のため合計値が100.0%になりません

自宅を購入したいと考えていると回答した401人に対するアンケートでは、3年後までに購入したいと答えた人は42.6%。4~5年後までと回答した人は30.4%となり、7割以上が5年以内を目途に検討していることがわかりました。

Q購入を検討する住宅の種類を教えてください。(回答数401)

購入を検討する場合の住宅の種類は、63.8%が一戸建てと回答し、分譲マンションの35.4%と大きく差が出ました。

一方、自宅購入を検討しないと回答した人は、どのような理由を挙げているのでしょうか。該当者341人に質問をしました。

Q自身の自宅の購入を検討しない理由を教えてください。(複数回答可、回答数341)

最も多かったのが「簡単に住み替えができない」点で、次いで「仕事柄、転居が多い」という理由が続きました。
引っ越しのしやすさは、賃貸のメリットであることが改めてわかりました。

すでに住宅を所有している人は、今後住宅の買い替えやリフォームをどう考えているのでしょうか。

Q今後、新たに住宅の購入(買い替え)を考えていますか。(回答数923)

自宅を自分で所有していると回答した923人に質問をしたところ、購入は考えていないという人が63.7%を占めました。購入を考えている人は少数派ながら、19.3%と2割弱いることもわかりました。

Q自身の自宅を何年後までに購入(買い替え)したいと考えていますか。(回答数178)

※端数処理のため合計値が100.0%になりません

買い替えを考えていると回答した178人に質問をしたところ、5年後までに検討している人が58.4%と6割弱という結果に。比較的早い段階での購入を考えている人が多いことがわかります。

Qリフォームについて、現在のご自身の自宅にあてはまるものを教えてください。(回答数923)

リフォームに関しては、52.9%が「リフォームをしていないし、するつもりもない」と回答し、現状に一定程度満足している様子が読み取れます。

Q現在のご自身の自宅で、リフォームした内容を教えてください。(複数回答可、回答数168)

自宅をリフォームしたことがある人168人にその内容を聞いたところ、内装のリフォームと外装のリフォームが大半を占めています。

Q現在のご自身の自宅で、希望するリフォーム内容を教えてください。(回答数267)

次いで、自宅のリフォームをしたことはないが、「してみたい」と回答した人267人に、希望するリフォーム内容を聞くと、内装のリフォームがトップに。

尚、今回のアンケートにご協力いただいた医師の皆さんの、ご自身と世帯の年収は次のような結果になりました。

Q現在の年収を「ご自身」と「世帯」に分けて教えてください。(回答数2050)

※「世帯年収」は端数処理のため合計値が100.0%になりません

まとめ:住まいの形は人それぞれ

異動や転勤の可能性を考慮し「引っ越ししやすい賃貸」を選ぶ人がいる一方、自分でカスタマイズして暮らせる点や、資産になる点をメリットとして、「持ち家」を好む人も多くいることがわかりました。

【アンケート概要】
調査期間:2023年9月22日~28日
対象:「民間医局」会員の医師
回答者数:2050人(男性1480人、女性475人、答えたくない95人)

回答を寄せていただいた方の内訳は以下の通りです。

医師の自宅購入額は6割超が5000万円、1割超が1億円以上 ~「住まい」アンケート~

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