アンケート記事
医師の皆様の働き方のひとつとして定着しているスポットアルバイト勤務。 民間医局コネクトでは働き方改革の影響もみえてきたこともあり、今回、会員医師に計3回のWebアンケートを実施しました。
[ 目 次 ]
・スポットアルバイト勤務に関して
・経験のある勤務内容(種別)
・頻度と理由
・今後の予定
・スポットアルバイト勤務を行っていない理由
・「また勤務したい」 「もう勤務したくない」 と感じた医療機関(求人)の特徴
Q. これまでに経験のあるスポットアルバイト勤務内容を、いくつでもお選びください。(回答数:947 ・ 複数回答可)
最も多いのは「当直」と「外来」
全体として「当直」(553件)と「外来」(517件)が最も多く、次いで「健診」(496件)が続きます。スポットアルバイト勤務として定番の形式が上位にあることが分かります。「自由診療(美容・AGA等)」は182件とやや少数派ではあるものの、30代以下では一定数の方(99件)が経験されていることがわかります。
一方、50代以上では「健診」(202件)が最多となり、体力的に負担の少ない勤務が好まれていることがわかります。「スポットアルバイト勤務をしたことがない」との回答は全体で97人でしたが、30代以下が67人と多く、常勤先の多忙などによる勤務ボリュームが影響している可能性があるかと思われます。
Q. スポットアルバイト勤務をする頻度と理由を教えてください。
収入確保のため働く医師が多く、特に若年層では今後の勤務増を検討中
スポットアルバイト勤務の主な理由は「収入を増やしたいから」(681件)で最多となりました。加えて、「空いている時間の有効活用」や「気分転換」といった理由も一定数見られ、目的は多様化しています。
現在の勤務頻度を見ると、「ほとんど行っていない」が39.7%で最多ですが、50代以上では「週1回以上」(16.9%)や「月2〜3回」(16.5%)の比率が高く、他年代に比べてスポットアルバイト勤務を積極的に取り入れていることがわかります。
勤務頻度の背景にも「収入アップ」が最多であり、勤務回数と動機が一致している構図が見て取れます。その他、「体力に余裕がある」「常勤先のシフトが安定している」といった理由もあり、ライフステージや勤務状況によってスポットアルバイト勤務のしやすさに差が出ているようです。
Q. 今後、スポットアルバイト勤務の頻度を変更する予定はありますか。(働き方改革の影響など)(回答数:508)
約4割が「増やしたい」と回答
全体の42.9%が「今より増やしたい(増やさざるを得ない)」と回答し、スポットアルバイト勤務のニーズが拡大傾向にあることが分かります。特に30代以下(44.2%)と40代(44.1%)での増加希望が高く、収入面やキャリア形成への意識が影響していると考えられます。
一方で、「現状のまま」が55.5%と多数派を占めており、現状の頻度がベストと考えている医師が多いようです。「減らしたい」は全体でわずか1.6%と少数にとどまりました。50代以上では「増やしたい」が40.1%と他年代より低めで、安定志向の傾向が見られます。
Q. スポットアルバイト勤務をほとんど行っていない理由を教えてください。(回答数:335 ・ 複数回答可)
多忙と私生活の都合が主な要因
スポットアルバイト勤務を控えている理由として最も多かったのは「常勤先が多忙で時間が取れない」(146件)、次いで「家庭や私生活の都合」(124件)でした。どの年代でもこの2項目が上位にあり、時間的制約が主なボトルネックであることが分かります。
30代以下では「常勤先が多忙」(73件)が特に多く、若手医師ほど業務負担が大きい傾向にあります。また、「希望に合う案件が見つからない」(35件)や「収入で充分」(21件)といった理由も散見され、業務環境や経済的背景が選択に影響している様子です。50代以上では「家庭や私生活の都合」が他年代より相対的に多く、プライベートを重視した働き方が見られました。
これらの回答から、医師の皆様のスポットアルバイト勤務への関心や意向は、年代や生活状況により大きく異なっています。現状では「ほとんど行っていない」医師が最多ながら、将来的には約4割が勤務頻度を「増やしたい」と考えており、今後スポットアルバイト勤務の需要はさらに高まると予想されます。若手医師では多忙さが主な障壁である一方、中堅層は収入確保のため積極的に取り組もうとする姿勢が見られます。50代以上は既に一定の頻度で勤務しており、比較的安定した働き方を模索している様子です。全体として、スポットアルバイト勤務は医師のライフステージに合わせて柔軟に活用されていることが明らかになりました。
Q. 「また勤務したい」 「もう勤務したくない」 と感じた医療機関の特徴は?(回答数:929 ・ 複数回答可)
・「また勤務したい」医療機関: 「楽な業務」「高収入」が人気
「また勤務したい」と感じた医療機関の特徴で最も多かったのは「業務が楽」(574件)と「収入が高い」(559件)で、労力と報酬のバランスが満足度に直結していることが明らかです。
「アクセスが良い」(419件)や「清潔感がある」(332件)といった環境面も重視されています。30代以下では「アメニティーが整っている」(123件)の回答が高く、働く環境や設備への関心が強い傾向があります。一方、50代以上では「求人表通りの勤務」(101件)や「受け入れ態勢が整っている」(87件)といった信頼性や安心感を重視する声が多く聞かれます。
<自由記述>
・ 職員食堂が無料で利用可能で食事がとても美味しい(麻酔科・40代)
・ 車通勤が可能など、通勤の利便性が高い(消化器科・60代)
・ スポットアルバイトではあるが、地域のためになどやりがいがある(小児外科・50代)
・ パラメディカルのレベルが高い。スタッフが協力的(外科・50代)
・ しっかりと医療安全の体制が整備されている(救命救急科・40代)
・ 当直室、シャワー室がキレイでシャンプーが備え付けられている(救命救急科・30代)
・ 「もう勤務したくない」と感じた医療機関: 不満の主因は「業務内容と報酬の不一致」
ネガティブな評価の最多は「収入に見合わない業務内容」(586件)で、全世代共通の大きな不満ポイントです。「業務が思った以上に大変」(487件)や「求人表通りではない勤務」(337件)といった、実際の勤務と事前情報のズレが不信感につながっていると考えられます。
30代以下では「清潔感がない」(136件)や「アメニティーに不満」(75件)といった職場環境への意見が相対的に高く、労働環境への意識の高さが伺えます。50代以上では「公共交通機関が使えない」(51件)など通勤面での負担を挙げる声も多く、勤務以外の要素も判断材料になっていることがわかります。
<自由回答>
・ 免責目的のcallが多い病院。(整形外科・30代)
・ 名前が間違えて登録されており、2回目にも修正してくれなかった(消化器外科・30代)
・ 特に求人票と大きく異なる終了時間(内科・60代)
・ 電波が悪い(眼科・30代)
・ 診療体制に見合った患者受け入れになっていない(外科・60代)
・ 非専門分野の領域の知識が求められる(精神科・30代)
・ 紙カルテ(救命救急科・40代)
・ 看護師等スタッフが非協力的で外部医師に対してやや敵対的なところ(外科・50代)
・ 医療安全の体制に不備がある(救命救急科・40代)
・ スタッフ間の伝達不足なのか、「先生は勤務予定でない」と言われた(緩和ケア科・40代)
・ ご飯が美味しくない(救命救急科・30代)
・ エアコンが壊れているが修理をしてもらえない(呼吸器内科・30代)
以上、医師がスポットアルバイト勤務を行う背景には、「収入アップ」が現状も最も大きな動機として存在しており、世代を問わず共通した傾向となっています。勤務先に対する印象の良し悪しは、「業務量」と「報酬」のバランスに加えて、「アクセスや清潔感」「求人の信頼性」など、実用性と快適性の両立がカギとなっています。一方で、不満の多くは「業務量」と「報酬」のバランスの悪さや「実際の勤務内容との齟齬」に集中しており、医療機関側はスポット求人出す際の勤務内容や諸条件の正確さ、受け入れ体制や、周辺アメニティの整備などによりスポット医師の採用の難易度に大きく影響することが浮き彫りになった結果となりました。
【アンケート概要】
対象:「民間医局」会員の医師
回答方法:Webによる回答
調査期間・回答者数:
第1回 2025年5月 8日 実施・ 947人
第2回 2025年5月22日 実施・ 843人
第3回 2025年5月29日 実施 ・ 929人
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