アンケート記事
日々多くの診察を行う医師たち。緊急度や予約状況、疾患の種類や専門性など様々な要因はありますが、受診回数が異なる患者を診る際どのような視点で診察の順番を決めているのでしょうか。民間医局コネクトは会員医師・研修医・医学生を対象にオンラインでアンケートを実施。 2,365人から回答が寄せられました。
Q:外来で多くの患者さんを対応しなければならない場面を想定してください。
このような場面で、ご自身はどちらの患者さんから先に診察したいと思いますか。
※選べないという方も、「どちらかといえば」という視点でお答えください。
※医学生の方は、医師になったことを想定してお答えください。(回答数: 2,365)
Q:初診患者、または再診患者を選んだ理由を教えてください。(自由記述)
≪ 初診患者 ≫
・色々と検査が必要になることが多く、検査などに回ってもらう時間を考えると、先に初診の患者を診ておきたいから。初診の患者の緊急性がなければ、検査に行ってもらったあとは再診患者を優先したい。(救命救急科 30代)
・初診の方はいろいろ不安もある中で受診されているし、病院側としても患者さんを増やす上で良いと思う。(産婦人科 70代)
・初診でどこまでその日に検査をするか、あるいは即日入院とするかの判断が効率よいと思うから。(呼吸器内科 60代)
・緊急性があるかないかの大まかな判断、心電図レントゲンざっと採血をオーダーしてまた再診患者の合間で診ていく。(循環器科 50代)
・重症患者が紛れている可能性があるから。再診の方には「お待たせして申し訳ありません」と謝りやすいから。(総合診療科 20代)
・再診患者と比べ情報がなく、検査などに時間を要するためファーストタッチは早めに済ませたい。(健康診断 30代)
・主訴から、診断へ至るまでの過程を組み立てることにやりがいを感じる。(循環器内科 50代)
・再診よりも急ぐ可能性があるため。自分は実際に経験しなかったが、隣の外来で胸痛で受診し即心電図を取ったところ急性心筋梗塞と判明していた症例があった(その後すぐPCIになった)。(初期研修医 20代)
・初めての患者さんはしっかり対応しないと信頼関係を築けず、医療機関から足が遠くなるかもしれないから。(医学生 30代)
・すぐに診てほしいという希望があり、空いている病院を探して来院している可能性もあるから。(医学生 20代)
≪ 再診患者 ≫
・まずは所要時間の読める患者さんから診察します。初診患者さんは時間がかかり、再診患者さんすべてに迷惑がかかる恐れがあるので、いつも最後まで待っていただくようにしています(予約制です)。(神経内科 60代)
・治療状況が分かっていて早く終わる人を先に片付けてしまいたいから。初診は時間がかかるので、専用に枠を設けています。(外来枠の終盤)(泌尿器科 30代)
・ある程度意思疎通や信頼関係が取れており状況確認をしやすいのと、著変なしで処方のみのようなら早めに対応してあげたいから。(内科 40代)
・サービスの質が落ちると医師患者関係に大きな影響が出て困る。初診なら極端な話、一期一会のこともあるので。(総合診療科 30代)
・既に患者情報がある程度判明している上に、緊急性がある病態だった場合のトラブルが懸念されるため。(放射線科 30代)
・再診患者であれば診察時間はある程度できるし、今後も通院してくれる可能性も高いので優先すべき。(不問 20代)
・受診後の予定を立てていると、お待たせして1日の予定が変更になるのは申し訳ないため。(救命救急科 30代)
・頼りにしてくれている患者さんを大事にしたいから。(消化器外科 30代)
・安定していてすぐ終わるなら先に診てあげたいし、片付けなければいけない件数を減らして自分の心の負担も軽くしたいため。(初期研修医・30代)
・いつも見ている患者さんの経過が気になるから。治療法があっているか見たいから。顔なじみの方が安心感や対応の仕方が分かるから。(医学生 20代)
・良い関係を築くには、病院に来るのが億劫だと思ってもらわない様に努めるべきだと思うから。(医学生 20代)
【アンケート概要】
調査期間:2024年10月24日 ~ 2024年10月26日
対象:「民間医局」会員の医師・研修医・医学生
回答者数:2,365人