アンケート記事
職場や業務において能力が高く、効率的に成果を出す 「仕事ができる医師」。ただ単にスキルがあるだけではなくさまざまな要素が求められますが、医療現場ではどのような特徴で「仕事ができる」と見られるのでしょうか。民間医局コネクトは会員医師・研修医・医学生を対象にオンラインでアンケートを実施。 2,322人から回答が寄せられました。
Q:ご自身が考える『仕事ができる医師』に必要な特徴をお選びください。(複数回答)
全体での上位は「豊富な専門知識がある」「コミュニケーション能力がある」「診断能力が高い」の3点でしたが、職種別に見てみると、若い世代ほどコミュニケーション能力を重視している事がわかりました。
Q:ご自身が考える『仕事ができる医師』に、実際出会ったことはありますか。
出会った方は、それはどなただったか教えてください。(複数回答)
Q:前問でお答えいただいた「仕事ができる医師」について、ご自身はどのような印象をお持ちでしょうか。
どのようなことでも大丈夫ですので、教えてください。(自由記述)
・スーパーローテートで回った麻酔科の指導医だった。 毎日、夜遅くまで手術のある病院だった。土日祝日もICUの管理のためにほぼ毎日出勤されていたようだ。家族との時間がほとんど取れていないと同僚にも心配されていたが、それでも隙間時間に毎日新しい論文を読み、そこから得た知識を惜しみなく、私に教えてくれた。 他の指導医が、『やったことないんやったら見とけ』と言って絶対やらせてくれなかった 処置を、『やったことないんやったらここでやれ。でないと二度とできなくなるぞ』と言って、気切等どんどんやらせてくれたので、かなりの経験を積むことができた。今でもそれ以上のドクターに会ったことがない。その後、別の科に進んだが、あのまま麻酔科に進んでも良かったかなと思うこともある 。ずっと感謝している。(産婦人科 40代)
・自身の医局の教授(関東圏の国公立大学、周産女性診療科) がまさにそんな方で、専門知識の豊富さはさることながら、人間性も素晴らしく、コミュニケーション能力、リーダーシップ、指導力、傾聴力、向上心の高さも持ち合わせていた。むしろ上の項目全てをまたしていると言っても過言ではなく、医局員はみな、教授にお産をとっていただくことを希望している。(産婦人科 40代)
・技術と知識と人格を高いレベルで兼ね備えた医師は決して多くはないですが存在します。日本にとって不幸なのはそのような優秀な医師の割合が、指導的立場になるにつれて減少することです。優秀な医師を正当に評価する仕組みができればいいなと感じております。(小児科 40代)
・最初は無愛想で堅物な印象をもっていたが、一緒に仕事をしていく中でとても頼りになり、このような医師になりたいと思える医師像であった。自身が診療で悩んだときは、その医師ならばどのように行動するか、を考え行動するようにしていた。(消化器内科 30代)
・以前に同期の医師に「いつまでも病棟に残っているのが良い医師なのではない、時間内に同じ量の仕事ができ定時に帰れる方が『できる医師』だと思う」と言われ、目からウロコだったしその後の仕事観が変わり、周りの医師を見る目も変わった。(神経内科 40代)
・基本的な事(マニュアルメディスン、入院患者の処方を看護師に指摘される前に出す、入退院に関する書類を遅滞なく準備するなど)ができたうえで、深い病態生理の理解に基づいた診療ができる医者と考えている。(内分泌科 30代)
・以前の非常勤医師、専門は脳卒中だったが、専門外の癌の分類を書いてもスラスラ答えるほど何でも知っていた。見ただけですぐに覚えられるらしい。人格も温和で、いつのまにか教授になっていた。(精神科 50代)
・突然の心停止でスタッフ皆が焦っている中、普段と変わらぬ様子で落ち着いて的確に診断・指示を出しながら、迅速に人工心肺を留置した先生がいますが、仕事ができるなと思いました。(循環器内科 30代)
・医学知識のみならず信頼できる人柄が形成されている医師であると思います。いくら専門知識があっても思いやりのない尊大、横柄な人は ”仕事だけ できる医師” だと思います。(内科 60代)
・外来・病棟とも、患者・家族に満足感を残していた。かつ自分の全力を傾注して新しい医療器具の開発に、基礎実験から臨床に努力していた。(内科 80代)
・仕事ができることと、医師として尊敬できることは必ずしもイコールではないことに今回のアンケートで気づきました。(内科 40代)
・他職種と密に連携を図り、医療チーム全員で患者の最善最短の転帰へと繋げられる。自然と職場の雰囲気も良くなる。(神経内科 20代)
・その医師の補助をしたい、がっかりさせたくない、という思いが自然と沸いてくる。(外科 40代)
Q:「仕事ができる医師」について、ご自身はどのようにお感じになりますか。
どのようなことでも大丈夫ですので、教えてください。(自由記述:全文・原文のまま記載)
≪ 医師 ≫
・「適材適所」の言葉通り、環境と本人が合っている時にベストパフォーマンスが発揮できると思う。全てにおいてバランスが良い完璧な人はほとんどいない。(健康診断 30代)
・目の前の仕事に忙殺されるだけでなく、タイムマネジメントを的確におこない、自身のストレスもうまく発散し、プライベートも充実させている人は、仕事ができると思う。(その他 30代)
・一見すると優れた人間性に見えても接するとそうでもない、あるいは逆の方がおります。技術と倫理観は相関しないと思います。(内科 40代)
・上の先生は癖だらけ、研究しかできない人が多いです。私が尊敬するのは、実務もできて、臨床研究もできる人ですが、見たことはないです。(精神科 50代)
・医療は一人ではできないので、周りのスタッフといかに円滑にやっていけるかも大切かと思います。(総合診療科 50代)
・スーパードクターになんてならなくてもいいと思います。皆合格点以上の医師であればよい。(糖尿病科 40代)
・知識があることが大切だが患者や周りの人たちとの信頼関係を結ぶことも重要。(初期研修医・小児科 20代)
≪ 研修医 ≫
・知識や技術があっても、患者さんや周囲の仲間とのコミュニケーションが上手く取れない先生は仕事ができるとは言わないと思う。しかし、コミュニケーション力だけでもだめなので、技術や予期せぬ事態への柔軟な対応などが伴えば、完璧だと感じた。(医学生 20代)
・学ぶべき姿勢があると感じる。自身が医学生として仕事ができる指導医に教えられたため、仕事ができる医師には是非後世を育てる意識も持ってもらえるといい。 自分もそのような医師になりたい。(医学生 20代)
・仕事ができるといってもいろいろなタイプがあるあってよいと思うが、総じて言えることには周囲や相手も立場およびを想像今後起こりうることを正しく予測し対応できる方だと思う。(医学生 20代)
・目指したいが、難しいと思っている また、一般市民の医師像に近いのではないかと思う 医者の医師像と一般市民の医師像の違いはかなり大きいと思う。(医学生 20代)
・1人では患者さんを診ることはできないので、他の医師やコメディカルと情報共有している医師が効率よく仕事できているように感じます。(医学生 20代)
・優秀な先生はたくさんいらっしゃいますが、「仕事ができる」と感じる先生は限られていると思います。(医学生 20代)
・物腰柔らかで精神的に余裕がありそうな医師は、学生から見ても仕事ができそうだと感じます。(医学生 30代)
・自分がそうでありたいし、あるべきだと思っている。そのために今勉強を頑張っている。(医学生 20代)
【アンケート概要】
調査期間:2024年9月20日 ~ 2024年9月22日
対象:「民間医局」会員の医師・研修医・医学生
回答者数:2,322人