アンケート記事
2020年に感染拡大し、2023年の5類移行までに4年を要した新型コロナウイルス感染症。医師たちは医療現場でどのような対応をしていたのでしょうか。また、状況が変わっていく中でどのような変化が起こっていたのでしょうか。民間医局コネクトでは、感染拡大から5年が経過した2024年5月、医師・初期研修医・医学生を対象にアンケートを実施し、医師1,529名、初期研修医205名、医学生284名の合計2,018名から回答を得ることができました。感染拡大直後は混乱していた医療現場も、時間と経験を経て、徐々に体制を整えていった様子が読み取れました。
※グラフや文章内の「%」表記は、小数点第二位以下の端数処理のため数値がずれることがあります。
[ 目 次 ]
・新型コロナ流行直後の2020年当時の勤務先の状況は、「かなり混乱した」が52.0%で過半数に。「やや混乱した」37.3%で合わせると、9割が「混乱した」と回答
・新型コロナ流行直後の変化では、「外来患者数」「紹介・救急搬送受け入れ件数」「入院患者数」は減少。「患者からの問い合わせ」「ご自身の業務負担」は増加傾向に
・流行直後から現在までの新型コロナ患者診療は「実施有」「制限付きで実施有」が多い
・流行直後は「制限付きで実施有」「無実施」としていた医療機関も、体制や設備・機器等が整備されるにつれて実施が増えていったと推察される
・実施があったと回答した人にさらに質問したところ、2020年の流行直後から2022年までの3年間は、「なんとか対応」がトップでそれぞれ4割前後となった。「問題なく対応」をみると、2020年は6.9%、2021年は13.4%、2022年は23.6%と年を経るごとに増加している。反対に「困難な対応」「とれも困難な対応」は減少傾向にある
・勤務先で行われたこととして「医療従事者のマスク着用」は期間に限らず8割以上
・ワクチン接種すべきだと考える対象は、「高齢者」「基礎疾患保有者」は各年で過半数に
・勤務先の7割で緊急時対応やプロトコルが整備されている。そのうち3割強が新型コロナ蔓延後に整備された
・2024年の公費負担の終了による影響について、増えたものは業務負担や外来患者数、入院患者数、紹介・救急搬送受け入れ数。減ったのは感染対策手当、感染対策のための設備・備品という結果が見られた
2020年当時の勤務先では、過半数が「かなり混乱した」と回答
新型コロナ流行直後の2020年当時の勤務先の状況を聞いたところ、「かなり混乱した」が52.0%で過半数を超えました。「やや混乱した」を合わせると、医師の9割が「混乱した」と回答しました。
医学生など2020年当時医師として勤務していなかった人に医療機関の状況がどうだったと思うか聞いたアンケートでも、71.7%が「かなり混乱したと思う」と回答しており、医療機関の外側から見ても混乱したと考えていたことがうかがえます。
Q:ご現在のご職業を教えてください(回答数2,018)
回答者の属性は、医師が75.8%(1,529人)、初期研修医が10.2%(205人)、医学生が14.1%(284人)となっています。
Q:次に挙げる年について、ご自身は「医師もしくは初期研修医」として就業していましたか。あてはまるものをすべてお選びください(回答数1,734)
医師・初期研修医に就業状況を聞いたところ、新型コロナ流行前の2019年に勤務していた人が最多の1,249人。流行直後の2020年、ワクチン接種が開始された2021年が1,040人で最小となりました。その後徐々に増え、2024年現在は、1,208人が医師・初期研修医として就業しています。
Q:新型コロナウイルス感染症が流行し始めた当初(2020年)、当時のご自身の勤務先はどのような状況でしたか。(回答数1,040)
新型コロナ流行直後の2020年当時の勤務先状況について、医師・初期研修医として就業していた人に聞いたところ、「かなり混乱した」が52.0%で過半数を超えました。次いで「やや混乱した」が37.3%となり、両者を合わせると、回答者の9割が「混乱した」と答えたことがわかります。
一方で、少数派ながら「まったく混乱しなかった」と回答した人も1.2%(12人)いました。
同じ設問内容を、医学生および2020年当時医師・初期研修医として就業していなかった人にも聞きました。
Q:新型コロナウイルス感染症が流行し始めた当初(2020年)、当時の日本の医療機関は、ご自身から見てどのような状況だと思いましたか(回答数978)
医療機関の状況について、医学生および当時医師・初期研修医ではなかった人の71.7%が「かなり混乱したと思う」と回答。次いで「やや混乱したと思う」が22.4%となり、94.1%が「混乱したと思う」と回答しました。当時、医師・初期研修医として就業していた人よりも、していなかった人のほうが、現場は混乱していたと考えていたようです。
コロナ禍で「患者からの問い合わせ」と「業務負担」は増加傾向に
新型コロナ流行前と直後の変化を聞くと、減ったのは「外来患者数」「紹介・救急搬送受け入れ件数」「入院患者数」、増えたのは「患者からの問い合わせ」「ご自身の業務負担」という答えが寄せられました。
勤務状況の多忙さについては、新型コロナ流行前後に関わらず、各年で忙しいと答える傾向が見られ、医師の仕事の大変さがうかがえます。
Q:新型コロナウイルス感染症が流行する前(2019年)と流行直後(2020年)を比較してください。次の項目の増減について、当時の勤務先の状況を思い出しながらお答えください。(単一回答マトリクス、回答数952)
新型コロナ流行の前後比較について聞いたところ、感染拡大により「外来患者数」では「減った」が35.0%で最多で、「やや減った」もあわせると過半数が「減った」と回答しました。
それ以外の各項目では「変わらない」が最多でそれぞれ約3割になっています。
「紹介・救急搬送受け入れ数」は、「変わらない」に次いで「減った」が22.4%でした。
「入院患者数」は、「やや減った」「減った」をあわせて45.7%となりました。
一方「増えた」の回答が多かったのが、「患者からの問い合わせ」と「ご自身の業務負担」。でした。「患者からの問い合わせ」は、「増えた」21.6%、「やや増えた」26.1%となっており、「ご自身の業務負担」では「増えた」22.5%、「やや増えた」27.4%となりました。合計すると、約5割は「増えた」と回答していることがわかります。
Q:2019~2024年それぞれの時期について、ご自身の勤務状況を点数でお答えください。「1点:余裕あり/5点:普通/10点:かなり忙しい」を基準としてお答えください(単一回答マトリクス)
勤務状況の忙しさについて聞いたところ、すべての年で「5点:普通」が最多になりました。詳しく年ごとに見ると、2024年が43.9%、2019年が39.5%の順で高く、2020年が一番低くなっています。
新型コロナ蔓延直後の2020年から、年を経るごとに「5点(普通)」と答える割合が増えており、徐々に勤務状況が落ち着きを取り戻していったことが読み取れます。また、全体を通して、新型コロナ流行前後に関わらず、各年で忙しいと答える傾向が見られました。
同じように、医学生および2019〜2024年に医師・初期研修医として就業していないと答えた人にもアンケートをとりました。
Q:2019~2024年それぞれの時期について、ご自身がお感じなる日本の医療機関の対応状況を点数でお答えください。「1点:余裕あり/5点:普通/10点:かなり忙しい」を基準としてお答えください(単一回答マトリクス、回答数354)
当時医師・初期研修医として勤務していた人と同様に、各年で「5点:普通」と答えた割合は、2019年と2024年が高く、2020年が一番落ち込んでおり、そこから年を経るごとに回答率が上がっています。
新型コロナ流行直後の2020年に「10点:かなり忙しい」と答えた人が46.3%と突出して多く、当時未就労だった人からすると、流行直後の医療機関はかなり疲弊しているように見えていたことがわかります。
Q:ご自身はこれまでに、新型コロナに感染したことはありますか。感染したことがある場合は、その回数も教えてください(回答数2,018)
ご自身の感染状況を聞いたところ、「感染したことはない」が最多で43.8%という結果に。次いで「1回」が41.8%、「2回」が9.3%、「3回以上」が1.8%となり、約1割は複数回感染したことがあるようです。
コロナ診療は「実施有」「制限付きで実施有」が大半を占める
5類以降以前の新型コロナ患者の診療について聞いたところ、各年で「実施有」「制限付きで実施有」に票が集まりました。流行直後は診療体制の未整備等を理由に「制限付きで実施有」「無実施」としていた医療機関も、整備されるにつれて実施が増えていったことが推測されます。「問題なく対応」できたと回答した人は、年を経るごとに増加し、対応に慣れていった様子が読み取れます。
新型コロナ流行に対して勤務先で行われたこととしては、「医療従事者のマスク着用」が期間に限らず8割以上と高い水準で行われているようです。また、ワクチン接種すべきだと考える対象について、「高齢者」「基礎疾患保有者」は2020〜2024年の各年で過半数を超えました。「医療従事者」も多数票を集めましたが、年を経るごとに回答数が減少。「すべての人に必要ない」は、2020年から年々増え、2024年は1割強が答えています。
Q:2020~2024年それぞれの時期について、ご自身の勤務先における新型コロナ患者診療実施の有無を教えてください。
※その年に勤めていた勤務先についてお答えください。
※2023年5月の5類移行後、新型コロナ患者の診療は全医療機関で行う一般的な対応へ変わりました(単一回答マトリクス)
それぞれの年に医師・初期研修医として就業していた人へ質問したところ、各年で最も回答率が高いのは「実施有」で、2番手もすべての年で「制限付きで実施有」という結果になりました。「実施有」は年を追うごとに増える傾向で、「制限付きで実施有」は減る傾向が見られました。「無実施」が一番多いのは「2020年」の18.9%。そこから「2021年」14.1%、「2022年」12.1%と減少し、「2023年」は12.2%、「2024年」13.7%と再び増加しています。
流行直後は診療体制の未整備等を理由に「制限付きで実施有」「無実施」としていた医療機関も、整備されるにつれて実施が増えていったことが推測されます。また、「無実施」が2023年以降減少傾向となったのは、5類移行や公費支援終了などにより診察を受けにくる患者数が減ったのではないかと考えられます。
次に、各年で「実施有」「制限付きで実施有」と回答した人を対象に、診療への対応がどれくらいできていたのかを聞きました。
Q:ご自身の勤務先における、新型コロナ患者診療への対応度合い(医療リソース・物資・設備が間に合っていたか等)について、2020~2024年それぞれの時期ごとに教えてください。
※その年に勤めていた勤務先についてお答えください(単一回答マトリクス)
2020年の流行直後から2022年までの3年間は、「なんとか対応」がトップでそれぞれ4割前後。「問題なく対応」をみると、2020年は6.9%、2021年は13.4%、2022年は23.6%と年を経るごとに増加しているのがわかります。反対に「困難な対応」「とれも困難な対応」は減少傾向でした。2023年以降は「問題なく対応」がトップで、2023年は5割弱、2024年は5割強という結果になっています。
流行直後は困難な直面にあったものの、年を経るごとに医療リソースや物資、設備が整っていったことが読み取れます。
では、医師の皆さんの勤務先では、どのような対応が行われていたのでしょうか。
Q:2020~2024年においてご自身の勤務先で行われたことを、それぞれ教えてください。
※その年に勤めていた勤務先についてお答えください(単一回答マトリクス)
「発熱者の隔離処置」は、2022年までの3年間は各年回答者の7割以上が投票。2023年は約6割、2024年は5割を切り減少傾向になっています。「医療従事者のマスク着用」は、各年であまり大きな変化は見られず、すべての年で8割以上が投票しました。
「医療従事者の手洗い・消毒の徹底」は、2022年までの3年間は8割を超え、2023年77.2%、2024年71.7%と徐々に得票率を下げています。
「医療従事者の短期感覚でのPCR検査実施」は、2021年45.0%、2000年42.7%、2022年40.0%の順で多く、各年の回答者の4.5割から4割が投票。2023年以降は減少し、2024年は9.8%で1割を切りました。
「医療従事者のワクチン推奨・管理」は、ワクチン接種開始の2021年が最も票を集め、回答者の8割弱が投票。年を経るごとに回答率は低下し、5類へ移行した2023年は5割を切り、2024年は3割を切っています。
「患者にマスク着用の促進」は、2020年からの3年間は8割強で推移。2023年以降に減少傾向となり、2024年は7割を切りました。
「患者との距離確保」「患者教育の強化(感染予防の啓蒙)」も同様に、2023年以降は減少傾向になっています。
「患者の来院時間の調整」は、2020年、2021年は4割強が投票。2022年以降は年を経るごとに得票率が下がっています。
「新型コロナ感染者との接触履歴の管理」は、2020年からの3年間は6割以上が投票し、中でも2020年、2021年は7割に迫る得票を得ました。以降、2023年は4割、2024年は約2.5割と減少しています。
「待合室の定員制限」は、2020年の44.8%から毎年減少し、2024年は10.7%で約1割となりました。
「院内の換気/共有物品の除菌・消毒」は、2020年からの3年間は7割強で、2023年61.9%、2024年54.5%と徐々に減少しています。
「新規入院の制限」は、2020年、2021年は過半数となり、その後減少傾向へ。2022年は約4割、2023年は約2割、2024年は1割を切りました。
「外来診療の制限」は、2020年が最多得票率で過半数、その後減少していき、2024年は6.4%になっています。
「クラスター発生時の対応マニュアル設置・運用」は2021年の69.4%が最も回答率が高く、次いで2022年の67.1%、2020年の62.0%が上位になりました。2023年以降は減少傾向になっています。「テレメディシンやオンライン診療の活用」でも同様の傾向で、2020年から2022年の3年間が3割前後、2023年が2割弱、2024年は1割と減少しています。
Q:新型コロナのワクチン接種についてお答えください。2021~2024年時点で、ご自身はどなたがワクチンを接種すべきだとお考えになっていましたか/お考えになりますか(複数回答マトリクス、回答数2,018)
ワクチン接種すべきだと考える対象について聞いたところ、「高齢者」「基礎疾患保有者」は各年で過半数が投票。「医療従事者」も多数票を集めましたが、年を経るごとに回答数が減少しています。
「それ以外の一般的な健常者」「すべての人に必要」も、2021年、2022年は約2割が投票しましたが、その後減少傾向となっています。「すべての人に必要ない」は、2020年の56票から年々増え、2024年は230票で1割強が答えていることがわかりました。
コロナを機に、緊急時対応やプロトコル整備が強化&見直しに
緊急時対応やプロトコルが整備について聞いたところ、勤務先の7割が整備されており、そのうち3割強が新型コロナ蔓延後に整備されたことがわかりました。また、内容が見直しされたとの回答のうち、3.5割が新型コロナ蔓延後に見直されたと答えています。
見直しされたきっかけとして、感染拡大の影響や医療従事者の感染リスク低減に加え、法規制やガイドラインの変化が絡んだことがわかりました。
Q:現在の勤務先で、パンデミックなどの緊急時対応やプロトコルは整備されていますか(回答数1,208)
緊急時対応やプロトコルの整備状況について聞いたところ、「新型コロナウイルス感染症が蔓延した後(2020年以後)に整備されている」が32.9%で最多という結果に。次いで、「時期は分からないが、整備されている」が27.7%、「わからない」が21.2%となりました。「整備されていない」は10.1%、「新型コロナウイルス感染症が蔓延する前(2019年以前)に整備されている」は8.1%で最小でした。
回答者の勤務先の7割で緊急時対応やプロトコルが整備されており、そのうち3割強が新型コロナ蔓延後に整備されたことがわかりました。
Q:現在の勤務先で整備されている、パンデミックなどの緊急時対応やプロトコルについて、見直しされたことはありますか(複数回答可、回答数830)
緊急時対応やプロトコルの見直し状況について、「時期は分からないが、見直しされた」が314票でトップでした。続いて、「新型コロナウイルス感染症が蔓延した後(2020年以後)に見直された」が290票、「わからない」は144票、「見直しされていない」は50票、「新型コロナウイルス感染症が蔓延する前(2019年以前)に見直しされた」は42票でした。
8割弱が見直しされていると回答しており、3.5割が新型コロナ蔓延後に見直されたことがわかりました。
では、見直しされたきっかけは何だったのでしょうか。
Q:前問で【新型コロナウイルス感染症が蔓延した後(2020年以後)に見直しされた】とお答えいただきましたが、どのようなことがきっかけで見直しをしましたか(複数回答可、回答数290)
「新型コロナウイルス感染症が蔓延した後(2020年以後)に見直しされた」と回答した人に、そのきっかけを聞いたところ、「新型コロナウイルス感染拡大の影響」が167票でトップに。僅差の160票で「医療従事者の感染リスクの増大」が続きました。
「法規制やガイドラインの変化」は120票、「医療従事者の教育・訓練の充実」は93票、「患者の症状や重篤度の変化」は92票となり、多様な要因に票が寄せられました。感染拡大の影響や医療従事者の感染リスク低減、そこに法規制やガイドラインの変化が絡み、見直された様子が読み取れます。
公費終了で増えたのは業務負担や患者数
2024年には公費支援が終了しましたが、それによる影響についても聞きました。結果として、変わらないという回答が最も多く、増えたものとしては業務負担や外来患者数、入院患者数、紹介・救急搬送受け入れ数でした。一方で減ったのは、感染対策手当、感染対策のための設備・備品ということがわかりました。
Q:2024年に公費支援が終了したことで、ご自身や現在の勤務先にどのような影響がありましたか。次の項目について、それぞれあてはまるかどうかお知らせください(単一回答マトリクス、回答数1,208)
2024年現在、医師・初期研修医として就労している1,208人に公費支援が終了したことによる影響について尋ねたところ、3項目すべてで「どちらともいえない」が5割前後で最多になりました。
あてはまる・あてはまらないで見ると、「勤務先の経営が悪化」は、「あてはまる」が優勢(26.0%/あてはまらない22.7%)、「医療従事者のワクチン接種が有償になった」も「あてはまる」が優勢(28.5%/あてはまらない23.1%)という結果に。「自己負担額増の影響により、患者が通院・検査を断ることが増えた」は「あてはまらない」が優勢(27.8%/あてはまる22.4%)でした。
医療機関の経営悪化と医療従事者のワクチン接種有料化はやや進んでいるようですが、患者が自己負担額増によって通院・検査を拒むことはそれほど起こっていない傾向が読み取れます。
Q:2024年に公費支援が終了したことで、ご自身や現在の勤務先にどのような影響がありましたか。次の項目について、それぞれの増減をお知らせください(単一回答マトリクス、回答数1,208)
公費支援終了による変化を聞いたところ、各項目で「変わらない」が最多で、それぞれ4割強から6割程度となりました。
各項目を比較すると、増えた(増えた・やや増えた)が多いのは、「ご自身の業務負担」の19.7%のほかに、「感染対策のための設備・備品」が17.8%、「外来患者数」が17.5%、「入院患者数」が17.3%、「紹介・救急搬送受け入れ数」が17.2%と、それぞれ2割弱が回答しました。
減った(減った、やや減った)が多いのは、「感染対策手当」の30.2%が最多に。続いて、「感染対策のための設備・備品」16.1%、「患者からの問い合わせ」10.8%となりました。
では、公費支援終了によって、医療機関全体への影響をどう考えているのでしょうか。
Q:2024年に公費支援が終了したことで、日本の医療機関にどのような影響があったと思いますか。次の項目について、それぞれあてはまるかどうかお知らせください(単一回答マトリクス、回答数810)
2024年現在、医師・初期研修医として就労していない人に公費支援終了による影響を聞いたところ、「どちらともいえない」がすべての項目で最多になりました。
あてはまる・あてはまらないと答えた中で比較すると、「病院経営が悪化」と「医師の業務負担が増えた」は「あてはまる」が優勢に。「特に影響は出ていない」は「あてはまらない」が優勢で、何らかの影響があったと考える人は、経営は悪化し、業務負担は増えていると考えている傾向がわかりました。
医療従事者以外の人が、新型コロナの正しい知識を持つことが大事
最後にこれからの新型コロナへの対応・対策について聞きました。大切にしている考えとして、医療従事者以外が正しい知識を持つこと、医療機関での感染対策を継続すること、そして正しい知識や情報を啓蒙していくことに票が集まりました。
Q:これからの新型コロナウイルス感染症への対応・対策として大切だと思うことを、いくつでもお選びください(複数回答可、回答数2,018)
新型コロナの今後への対応・対策として大切と考えることを聞いたところ、トップは「医師や医療従事者以外の人が正しい知識を持つこと」で964の票が集まりました。次いで、「病院内でのマスク着用や手指の消毒などの感染対策の継続」が915票、「正確な情報提供と啓発活動」が901票となりました。
そのほか「高齢者や基礎疾患を持つ人への配慮」に745票、「治療ガイドラインやプロトコルの改善」に720票など、さまざまな項目に票が投じられ、「その他」「特になし」を除いた項目の中で最小の「国際的な連携と情報共有」も421票を集めています。多岐にわたる内容で、大切にしたいと考えている様子がわかりました。
【アンケート概要】
調査期間:2024年5月16日~18日
対象:「民間医局」会員の医師・初期研修医・医学生
回答者数:2,018人(男性1,381人、女性543人、答えたくない94人)