アンケート記事
生涯賃金が高い医師は、自身に「もしも」のことがあった場合に備えて、保険にいくらぐらいお金をかけているのでしょうか。民間医局コネクトは、「民間医局」の会員である医師に「保険」についてアンケートを実施しました。回答者の7割以上が何らかの保険に加入しており、そのうち約7割が死亡保険に加入していることがわかりました。死亡した場合に保障される保険金は1000万円~3000万円未満という人が最も多く、1億円以上という人も1割弱いました。
現在保険に加入している人のうち、約7割が死亡保険と医療賠償保険に加入
民間医局コネクトでは、民間医局登録の医師に「保険」に関するアンケートをオンラインで実施しました。
まず、生命保険などの保険商品の加入状況について聞きました。全体の74.0%にあたる211人が「現在加入している」と回答しました。「過去加入していたが、現在は加入していない」という人は8.1%(23人)、「現在も過去も加入していたことはない」は17.9%(51人)でした。
Q:生命保険など、保険商品に加入していますか。(回答数285)
「過去加入していたが、現在は加入していない」「現在も過去も加入していたことはない」と回答した74人に対して、保険に加入していない理由について尋ねました(複数回答可)。最も多かったのは「現時点で保険の必要性を感じていない」で35人が回答しました。次いで、「保険料が高い」が23人、「将来への不安があまりない」「他の金融商品で資産運用したほうが有利」がそれぞれ16人と続きます。
Q:現在、保険に加入していない理由を教えてください。(回答数74、複数回答可)
現在加入している保険があると回答した211人に対して、加入している保険の種類について聞きました(複数回答可)。最も多かったのは「自分の死亡保険」で、7割以上の156人が加入していると回答しました。2番目に多かったのは、医療行為を起因とする事故によって法律上の損害賠償責任を負ってしまった場合に保険金を受け取れる「医師賠償保険」(140人)で、こちらも6割超の医師が加入していることがわかりました。また、「自分の医療保険」(118人)、「個人年金保険」(59人)、「自分の就労不能保険」(32人)も一定の回答を集めました。
Q:加入している保険の種類は何ですか?(回答数211、複数回答可)
1カ月に支払う保険料の総額についても尋ねました。「1万円未満」は20.9%(44人)、「1万円~3万円」は22.7%(48人)、「3万円~5万円未満」は15.2%(32人)で、合わせると6割弱を占めます。また、「5万円~10万円未満」は17.5%(37人)となり、10万円以上支払っている人も合わせると2割弱いました。
Q:1カ月に支払う保険料は、総額でいくらになりますか?(回答数211)
死亡保障は「1000万円~3000万円未満」「5000万円~1億円」が多く
ここからは、死亡保険について尋ねました。自分の死亡保険に加入している156人に対して、死亡保険の保険金額(もしもの場合に支払われる保険金額)について聞きました。
最も多かったのは「1000万円~3000万円未満」で28.8%(45人)でした。以下「3000万円~5000万円未満」で25.0%(39人)、「5000万円~1億円未満」で16.7%(26人)と続きます。「1000万円~1億円未満」がボリュームゾーンで、回答者の7割強を占める結果になりました。
さらに、「1億円~1億5000万円未満」は7.7%(12人)、「1億5000万円以上」は1.9%(3人)と、死亡保険金を1億円以上に設定している人も1割弱いました。
Q:ご自身の死亡保険の保険金額(もしもの場合に支払われる保険金額)は、いくらですか?(回答数156)
また、自身にかけている死亡保険金の金額についての考えを聞きました。最も多かったのは「妥当だと思う」で66.0%(103人)でした。「少ないと思う」は26.9%(43人)、「多いと思う」は6.4%(10人)でした。
Q:自身にかけている死亡保険金の金額についての考えを聞かせください。(回答数156)
全員に対して、生命保険の補償金額を検討するうえで重視することについて聞きました(複数回答可)。圧倒的に多くの回答を集めたのは「家族の生活費を確保する」(209人)で7割以上の医師が選択しています。「子どもの教育資金を確保する」26.7%(76人)、「相続対策として保険金の非課税枠を活用する」15.4%(44人)、「住宅ローンの負担をなくす」13.0%(37人)となりました。
Q:生命保険の補償金額を検討するうえで、重視した(する)ことは何ですか。(回答数285、複数回答可)
死亡保険の保障金額を考えるとき、いちばん気になることについても聞きました。最も多かったのは「配偶者ら、残された家族の生活費がまかなえるかどうか」が44.2%(126人)、次いで「子どもの教育費がまかなえるかどうか」で17.5%(50人)でした。やはり、もしものときに残された家族のことが気になる人が多いようです。
また、「支払っている保険料が多すぎるのではないか」が16.5%(47人)、「保険を見直すタイミング」が10.2%(29人)と、保険の契約状況について気になるという人もいました。
Q:死亡保険の保障を考えるとき、いちばん気になるのはどんなことですか?(回答数285)
保険の加入について、相談する人についても尋ねました(複数回答可)。最も多かったのは「配偶者」(173人)で、6割超にあたる人が回答しました。さらに「親または子ども」は15.1%(43人)で、身近な家族と相談する人が多いことがうかがえます。
一方で、「保険会社の担当者」は8.4%(24人)、「ファイナンシャル・プランナー(FP)」は13.3%(38人)で、保険について詳しいプロに相談している人は少数派という印象です。「いない。自分だけで決める」という人も18.6%(53人)いました。
Q:保険の加入について、相談する人は誰ですか。(回答数285、複数回答可)
配偶者がいる人のうち、「配偶者も医師」という人が約半数
家族(配偶者や子ども)について尋ねました。配偶者がいると回答した人は74%(211人)でした。また、子どもがいると回答した人は54.0%(154人)でした。
Q:ご家族について教えてください。(回答数285)
配偶者がいると回答した211人に対して、配偶者の方の職業について聞きました。最も多かったのは「勤務医」で42.2%(89人)でした。「開業医」3%(7人)と合わせると、半数近くが夫婦2人ともに医師であることがわかります。2番目に多かったのは「専業主婦・主夫」で27.0%(57人)でした。また、「看護師」7.6%(16人)、「医師・看護師以外の医療関係者」9.5%(20人)となりました。
Q:配偶者の方の職業は何ですか。(回答数211)
1億円以上の死亡保険金をかけている医師も1割
今回のアンケートでは、保険加入者のうち7割以上が死亡保険に加入していることがわかりました。1カ月に支払う保険料の総額は「5万円未満」が約6割を占めました。「5万円~10万円未満」も2割弱、さらに10万円以上という人という人も2割を占めました。
自身に「もしも」のことがあった場合に、家族が受け取る死亡保険金は「1000万円~1億円未満」で設定している人が7割強でした。ただ、1億円以上の死亡保険金をかけている医師も1割以上いました。
また、医療事故などが起こってしまった場合に補償を受けられる医師賠償保険に加入している人も多く、死亡保険と同程度の約7割の医師が加入していました。日頃の診療の際に起こりうる「もしも」に対しても多くの医師が備えていることがわかりました。
【アンケートの概要】
調査期間:2023年6月15日
対象:「民間医局」会員の医師
回答者数:285人