アンケート記事
仕事や自己研鑽などに多くの時間を割いている医師たち。緊張感のある業務も多い中、どれくらいの人が、リフレッシュの時間や仕事以外の充実感を得る“趣味”を持っているのでしょうか。また、それぞれどんな趣味を選び、どれくらの時間やお金をかけているのでしょう。民間医局コネクトでは、医師・初期研修医を対象に、趣味をテーマとしたアンケートを実施し、2,666名から回答を得ることができました。結果からは、多岐にわたる趣味を継続して楽しんでいる様子が見えてきました。
[ 目 次 ]
・約9割の医師は趣味を持っている
・1番好きな趣味の上位には、「ジム通い・筋トレ」「ゴルフ」「ランニング」「旅行(国内)」「映画鑑賞・ドラマ鑑賞」「読書」「楽器演奏」「スポーツ観戦」「音楽鑑賞」が挙げられた
・1〜3番目に好きな趣味全体を見ると、「ジム通い・筋トレ」「旅行(国内)」「映画鑑賞・ドラマ鑑賞」「スポーツ観戦」「音楽鑑賞」の人気が根強い
・趣味を選んで良かった理由のトップは「気分転換・ストレス解消」「達成感・充実感がある」
・趣味の継続時間は「10年以上」が最多。続いて「7年〜10年未満」で継続力の高さが読み取れる
・6割以上が、週に1回以上趣味を行っている
・平日に趣味に使う時間のトップは「1時間未満」。平日に行う趣味は短時間かつ、好きな順番で優先して行っている
・休日に「7時間以上」趣味に使っている人は10%前後いる
・「もっぱら一人で」趣味を行う人が5割以上
・趣味にかけるお金の最多は「5千円未満」、平均額は月3万円程度で、月10万円以上も1割弱
・家族やパートナーから、趣味への理解が得られている人は約9割
・1割弱が、「一緒に過ごす時間が減る」「お金がかかる」という理由で理解が得られていない
・今後始めてみたい趣味のトップは、「ジム通い・筋トレ」
約9割の医師が、運動から旅行、音楽鑑賞まで多様な趣味を持つ
趣味があると答えた医師は88.5%と約9割にのぼりました。好きな趣味を1番目から3番目まで聞いたところ、「ジム通い・筋トレ」「旅行(国内)」「映画鑑賞・ドラマ鑑賞」「スポーツ観戦」「音楽鑑賞」の5つがすべての質問でトップ10に入り、人気の高さがうかがえます。63項目にわたる趣味の内容に対し、すべてに1人以上が回答しており、趣味が非常に多岐にわたることがわかりました。
Q:現在、ご自身が行っている趣味はありますか(回答数2,666)
趣味の有無を聞いたところ、「趣味はある」は88.5%と回答し、「趣味はない」の11.5%を大きく上回る結果になりました。
では、具体的にどのような趣味を楽しんでいるのでしょう。
Q:ご自身が行っている趣味で、1番好きなものを教えてください(回答数2,359)
[趣味の選択肢一覧]
ゴルフ/ランニング/マラソン/ヨガ/野球/ジム通い・筋トレ/ウォーキング(散歩)/サイクリング/テニス/ラグビー/サッカー・フットサル/サーフィン/スキューバダイビング/格闘技/e-スポーツ/スポーツ観戦/その他のスポーツ関連/文筆活動/川柳/映画鑑賞・ドラマ鑑賞/絵画/音楽鑑賞/楽器演奏/ライブ・フェス参加/その他の芸術関連/料理/食べ歩き/ワイン/日本酒/焼酎/その他のグルメ、お酒関連/株式投資/FX/暗号通貨/外貨投資/不動産投資/その他の資産運用関連/ゲーム/手芸/アニメ・漫画/読書/その他インドア関連/旅行(国内)/旅行(海外)/ドライブ/ロードサイクル/ツーリング(バイク)/鉄道/登山/釣り/キャンプ/ガーデニング・家庭菜園/その他アウトドア関連/犬/猫/ハムスター/ウサギ/鳥類/魚類/昆虫/爬虫類/その他動物・生き物関連/表記以外の趣味/特になし
「趣味はある」と答えた2,359人に1番好きな趣味を聞いたところ、トップは「ジム通い・筋トレ」の8.5%でした。次いで、「ゴルフ」が5.8%、「ランニング」が4.9%となり、体を動かす趣味が上位を占めました。
トップ10は上記3項目のほか、「旅行(国内)」4.5%、「映画鑑賞・ドラマ鑑賞」4.3%、「読書」4.2%、「楽器演奏」3.9%、「表記以外の趣味」3.9%、「スポーツ観戦」3.6%、「音楽鑑賞」3.6%となり、鑑賞を楽しむ趣味が複数入っています。
全体を見ると、1.0%以上の人が回答した趣味は28項目で、そのうち11項目が運動・スポーツ関連の趣味という結果になりました。63項目すべてに1人以上が回答しており、実に多様な趣味が行われていることがわかります。
Q:ご自身が行っている趣味で、2番目に好きなものを教えてください(回答数2,359)
2番目に好きな趣味を聞いたところ、「旅行(国内)」が7.4%でトップに。続いて、「ジム通い・筋トレ」が6.0%、「映画鑑賞・ドラマ鑑賞」が5.5%でした。
トップ10を見ると、上記3項目のほか、「スポーツ観戦」5.2%、「音楽鑑賞」5.0%、「食べ歩き」5.0%、「ウォーキング(散歩)」4.1%、「アニメ・漫画」3.9%、「ランニング」3.7%となり、多様な項目になっています。ほかに、「株式投資」と答えた人も3.5%いました。
1番好きな趣味で2位だった「ゴルフ」は、トップ10から消えて17位(2.3%)という結果になりました。3番目に好きな趣味でも30位(1.0%)となっており、ゴルフを趣味としている人は、複数の趣味を持っている中でも、1番好意度が高いことがうかがえます。
Q:ご自身が行っている趣味で、3番目に好きなものを教えてください(回答数2,288)
さらに3番目に好きな趣味を聞くと、「旅行(国内)」と「3番目に好きな趣味はない」が7.4%で同率トップになりました。次いで、「映画鑑賞・ドラマ鑑賞」が6.1%になっています。
トップ10は、上記3項目のほか、「スポーツ観戦」5.8%、「食べ歩き」4.7%、「アニメ・漫画」4.6%、「ジム通い・筋トレ」4.1%「音楽鑑賞」3.9%、「読書」3.8%、「ゲーム」3.5%となり、1割弱の人が、趣味は2つまでという結果になりました。
1〜3番目を通して好きな趣味全体を見ると、「ジム通い・筋トレ」「旅行(国内)」「映画鑑賞・ドラマ鑑賞」「スポーツ観戦」「音楽鑑賞」の5つがすべての質問でトップ10に入る結果に。多くの医師の皆さんが、インドアとアウトドアそれぞれで楽しめる趣味を持っていることがわかりました。
約6割が、1番好きな趣味を週1回以上実施。好きな趣味ほど高頻度に楽しんでいる
1~3番目に好きな趣味に対して、選んで良かった理由を聞いたところ、トップが「気分転換・ストレス解消」、次いで「達成感・充実感がある」という回答になりました。とくに1番好きな趣味に関しては、2番目・3番目の趣味と比較して、より達成感・充実感を得ていることが読み取れます。
趣味の継続時間は、「10年以上」が最多になり、続いて「7年〜10年未満」。多くの人が、趣味を長く継続していることがわかります。
趣味を行う頻度を聞いたところ、1番好きな趣味は、「週に2〜3回程度」20.7%、「週に1回程度」18.4%、「毎日」16.7%の順で多く、週1回以上行っている人が約6割を占めています。2番目、3番目に好きな趣味の頻度と比較しても、好きな度合いが高いほど、高い頻度で行っている傾向が読み取れました。
Q:1番目~3番目の趣味について、選んでよかったと思う理由をそれぞれ教えてください(複数回答マトリクス)
1〜3番目に好きな趣味すべてにおいて、選んで良かった理由を聞いたところ、トップは「気分転換・ストレス解消」、次に「達成感・充実感がある」となりました。
得票率をみると、2番目・3番目に好きな趣味では「気分転換・ストレス解消」と回答した人が、「達成感・充実感」と回答した人の約2倍になっており、両者の間の開きは大きくなりました。1番目では、「気分転換・ストレス解消」1,651票、「達成感・充実感がある」が1,402票とそこまで大きな差はなく、1番好きな趣味は、2番目・3番目の趣味と比べると、より達成感・充実感を得られているといえるでしょう。
また、「暇つぶし」の項目に着目すると、好意度が下がるにつれて回答数が増えていることがわかります。2番目、3番目の趣味は時間にゆとりがあるときに行う傾向が推測されます。
次に、それぞれの趣味をどれくらい長く続けているのかを聞きました。
Q:それぞれの趣味について、継続期間を教えてください(単一回答マトリクス)
趣味の継続時間は、最多は「10年以上」、続いて「7年〜10年未満」となり、1〜3番目に好きな趣味すべてで同様の傾向が見られました。
「1年未満」「1年〜3年未満」「3年〜5年未満」もそれぞれ10%を超え一定数いるといえますが、多くの人が趣味を複数年にわたって長く続けていることがわかりました。
では、趣味を行う頻度はどれくらいなのでしょう。
Q:それぞれの趣味について、1週間でどの程度行っているか 教えてください(単一回答マトリクス)
趣味を行う頻度について聞いたところ、1番好きな趣味は「週に2〜3回程度」が20.7%、「週に1回程度」が18.4%、「毎日」が16.7%の順になりました。「週に4〜6回程度」14.4%も合わせると、週に1回以上行っている人が7割を超える結果でした。仕事で忙しいイメージのある医師の皆さんですが、趣味の時間はしっかり確保している様子がうかがえます。
2番目に好きな趣味については、「週に2〜3回程度」と「週に1回程度」がともに19.4%でトップとなり、続いて「月に1回程度」が14.6%でした。3番目に好きな趣味では、「週に1回程度」が20.8%、「週に2〜3回程度」が17.9%、「月に1回程度」が16.3%の順になり、「週に1回程度」「月に1回程度」の割合が増えています。つまり、好きな度合いが高いほど、高い頻度で行っている傾向が読み取れるでしょう。
ただし、1〜3番目に好きな趣味すべてで、週に1回以上行っていると答えた割合は6割を超え、多くの方がさまざまな趣味を楽しんでいることがわかりました。
趣味は「一人で」行う人が5割以上。休日にまとまった時間をかける人も一定数いる
医師の皆さんは、自分の趣味にどれくらい時間やお金をかけているのでしょうか。
平日に趣味に使う時間は、1時間未満がトップになり、なかなか時間をかけられない現状が見て取れます。一方、休日では、7時間以上という回答が10%前後になり、休みを利用して多くの時間を費やす人が一定数いることがわかりました。
趣味にかける月額の費用は5千円未満が最多でしたが、10万円以上と答えた方も1割弱いました。
また、誰と趣味を行うかについては、「一人で」続けている人が5割以上で最多という結果に。一人で行える趣味だからこそ、長く継続できているとも考えられるでしょう。
Q:それぞれの趣味について、平日にどの程度時間を使っているか教えてください(単一回答マトリクス)
平日に使う趣味の時間を聞いたところ、1~3番目に好きな趣味いずれにおいても、トップは「1時間未満」となり、なかなか多くの時間を割けない状況がうかがえます。
次いで、1番目に好きな趣味では「1〜2時間未満」、2・3番目に好きな趣味では「平日は行っていない」と回答。平日に趣味を行う場合は、短時間かつ、好きな順番で優先して行う傾向があるといえるでしょう。
一方、休日にはどれくらいの時間を使っているのでしょうか。
Q:それぞれの趣味について、休日にどの程度時間を使っているか教えてください(単一回答マトリクス)
休日に使う時間では、1〜3番目に好きな趣味いずれにおいても、「1〜2時間」が最多に。次いで「1時間未満」、「2〜3時間未満」が続きます。
「7時間以上」の数字に注目すると、1〜3番目に好きな趣味それぞれにおいて平日は1%強であったのに対し、休日は10%前後になっています。休日にまとまった多くの時間を費やす人が一定数いることが読み取れます。
次に、誰と趣味を楽しんでいるのかについて聞きました。
Q:それぞれの趣味について、どなたと一緒に行っていますか(複数回答マトリクス)
最も多くを占めたのは「もっぱら一人で」。1〜3番目に好きな趣味すべてに共通して、5割以上になりました。趣味は一人で行う人が多数派であり、誰かと行う場合は「家族」が多いようです。また、「趣味を通じて知り合った仲間」と楽しんでいる人は、1番好きな趣味において、2・3番目よりも多くいることがわかりました。
さらに、費用の面で、それぞれの趣味にどれくらい費やしているのかを見ていきます。
Q:それぞれの趣味について、毎月どのくらいの費用をかけていますか(単一回答マトリクス)
※端数処理のため合計値が100.0%になりません
毎月趣味にどれくらいの金額をかけているのかを聞いたところ、1〜3番目に好きな趣味すべてに共通して、最多は「5千円未満」でした。
次に多いのは、1番目に好きな趣味で「1万円〜5万円未満」、2番目に好きな趣味で「5千円〜1万円未満」、3番目に好きな趣味では「5千円〜1万円未満」と「1万円〜5万円未満」が同率になりました。大きな差が見られたわけではないものの、2番目・3番目よりも、1番好きな趣味によりお金をかける傾向があるようです。
ほかに注目すべきポイントとして、1〜3番目に好きな趣味すべてに共通して、それぞれ4%以上が「20万円以上」と回答している点が挙げられます。つまり、一部の人は趣味にかなりの金額を費やしているということ。10万円以上かけている人は、1番目の好きな趣味では8.2%、2番目に好きな趣味では7.7%、3番目に好きな趣味では7.7%いる結果に。1割弱の人が、ひとつの趣味に10万円以上かけていることがわかりました。
では、「10万円以上」かけている趣味にはどのようなものがあるのでしょう。
1~3番目に好きな趣味すべてにおいてトップは「株式投資」であり、趣味に10万円以上かけている人のうち約3割を占めました。2位、3位は1~3番目に好きな趣味すべてにおいて「海外旅行」「国内旅行」のいずれかがランクイン。4位になると、1番目に好きな趣味では「ゴルフ」、2・3番目に好きな趣味では「その他の資産運用関連」となっています。
また、それぞれの趣味ごとに月にいくらかけているか平均額を見たところ、株式をはじめとした投資関連や海外旅行は10万円超に。ワインや食べ歩き、キャンプといった趣味は3万円を超える結果になり、すべての趣味を平均すると月3万円程度になりました。
家族やパートナーの約9割は、趣味への理解がある
前述のアンケートでは、趣味を一人で楽しむ人が多いことがわかりました。では、家族やパートナーは、それぞれの趣味をどれくらい理解しているのでしょう。
アンケート結果からは、約9割が家族やパートナーからの理解が「ある」と答えており、理解が得られていないという人は1割弱で少数派でした。理解されない理由には「一緒に過ごす時間が減る」「お金がかかる」が多くを占めています。
また、今後始めてみたい趣味を聞いたところ、「ジム通い・筋トレ」をトップに、「ゴルフ」「ヨガ」「株式投資」「旅行(国内・海外)」「楽器演奏」「ウォーキング(散歩)」「料理」とさまざまな声が寄せられました。
Q:ご家族やパートナーは、ご自身の趣味に理解はありますか?(回答数2,359)
家族やパートナーの趣味への理解度を聞いたところ、88.7%が「家族やパートナーが自分の趣味に理解がある」と回答。「ない」は9.8%で1割未満でした。
多くの方が家族・パートナーから理解を得られているようですが、10人に1人の割合で、理解が得られていないという現実も見えています。
では、なぜ理解が得られないのか。次の設問ではその理由を聞きました。
Q:ご家族やパートナーから、どのような点で理解が得られないと考えていますか(回答数231)
家族・パートナーの理解が「ない」と答えた231人に質問したところ、「ご自身とお相手で過ごす時間が削られる」が39.0%で最多に。次いで「お金がかかる」が29.4%でした。
それ以外の理由は、「その他」が16.9%、「世間体」が7.8%、「健康に影響がある」が6.9%の順となり、約7割が上位2つの理由に集中していることがわかりました。
最後に、これから始めてみたい趣味をひとつ挙げてもらいました。
Q:今後、始めてみたい趣味をひとつだけ選んでください(回答数2,666)
今後始めてみたい趣味のトップは「ジム通い・筋トレ」で12.6%。「特になし」が10.9%で2位になり、すでに多くの趣味を持ち楽しんでいる様子が読み取れます。
3位は「ゴルフ」で6.3%、次いで、「ヨガ」6.0%、「株式投資」3.7%、「旅行(国内)」3.6%、「楽器演奏」3.5%、「旅行(海外)」3.4%、「ウォーキング(散歩)」3.3%、「料理」3.1%という結果でした。「ジム通い・筋トレ」と「旅行(国内)」は、1〜3番目に好きな趣味でもそれぞれトップ10にランクインしており、人気の高さがうかがえます。また、この質問でトップ10にランクインした「ヨガ」「旅行(海外)」「ウォーキング(散歩)」「料理」は、1〜3番目に好きな趣味ではトップ10圏外でした。まだ行っていない人が多いものの、いずれ始めてみたいと興味を持っている人が多いのかもしれません。
趣味を楽しむためには、一定の時間とお金をかける自己投資も大切
仕事に追われ多忙なイメージを持たれがちな医師の皆さんですが、アンケート結果からは、合間を縫って趣味の時間も楽しんでいる様子がうかがえました。一つの趣味を10年以上継続する人も多く、楽しむためにはある程度の時間とコストを投資する必要がある、ということも伝わってきました。
【アンケート概要】
調査期間:2023年10月18日~25日
対象:「民間医局」会員の医師、初期研修医
回答者数:1,868人(男性1,394人、女性409人、答えたくない65人)