記事・インタビュー

2025.12.26

臨床・教育・創薬――医師だから描けるキャリアの循環

案件番号:24-C011 医療機関名:ヒューマンダイナミックス

臨床・教育・創薬――医師だから描けるキャリアの循環

ヒューマンダイナミックス社は、創業25年を迎え、メディカルドクター(MD)職や新薬開発関連ポジションにおいて、業界トップクラスの紹介実績を誇る人材紹介会社です。今回、過去に製薬企業で新薬開発業務に携わり、現在は大学で医学教育に従事しながら、再び製薬企業でメディカルドクターとして勤務予定のA先生に、転職までの経緯やキャリアに対する考えを伺いました。

<今回お話を伺った方>

A先生A医師

消化器内科を専門とし、勤務医としての経験を経て治験実施施設に入職。在籍中に、大手グローバル製薬企業グループの一員である日本の製薬企業から誘いを受け、入社。新規治療薬の開発および臨床試験における医学専門家として、社員向けの医学教育を担当。
その後、アカデミアに復帰し、医学教育ならびに企業治験の実施業務に従事。治験の実施のみならず、製薬企業からの依頼に基づき、治験計画や安全性評価に対して医学的・臨床薬理的視点から助言を行う。また、企業治験の医学専門家として新薬開発にも参画。
こうした製薬企業およびアカデミアで培った臨床試験に関する経験と知識を再び製薬業界で活かしたいとの思いから転職活動を開始し、外資系大手製薬企業のトランスレーショナルリサーチ部門への入社を決定。

Q:現在担当されているお仕事の内容を教えてください。

 A 医師 

国立大学医学部の教官をしています。医学教育とともに研究の一環として早期臨床試験(Phase1試験や臨床薬理試験など)の実施に携わっています。

Q:どのような魅力ややりがいを感じておられますか?

 A 医師 

これから医師になる医学生の教育には大変やりがいを感じます。その教育の中で新薬開発に関することや、臨床現場における臨床薬理学的知識の重要性を伝えることができる今のポジションでの職務は、これまでにない貴重な経験でした。

Q:製薬会社での勤務を考えられたのは、どのような背景・理由からでしょうか?

 A 医師 

アカデミアとして大学で働く前に数年間ほど国内製薬会社に在籍し新薬開発業務に携わっていました。現職においてもアカデミアとして新薬開発に継続的にかかわってはきたものの、やはり現場で薬を創りたいという気持ちが強く、製薬業界に戻ることを決意しました。

Q:製薬会社での勤務に関する情報は、どのようにして入手されたのでしょうか?

 A 医師 

以前からお世話になっているヒューマンダイナミックスの堤さんから随時情報を提供いただいておりました。堤さんは私のこれまでのキャリア(臨床医、治験責任医師、製薬会社MD、アカデミア)をよくご存知で、それにフィットするような案件を中心にご提案くださいました。特に、製薬会社MDとして働くにあたり、私が興味をもっている領域をよくご理解くださったうえで情報を共有してくださいましたので大変助かりました。

Q:どのような情報が、転職を決められるに有用でしたか?

 A 医師 

私の場合、ただ製薬会社に入職できればいいというわけではなかったので、これまでの経験・専門性を今後のキャリア形成に活かせる、そして何より自分が最も興味を持っている(得意とする)分野でのポジションにこだわりました。そのため、募集案件のjob description情報だけではなく、会社の動向やそのポジションに求められること、そして募集に至った背景なども、私にとっては転職を決意する重要な情報でした。

Q:転職のお手伝いをする人材紹介会社は、どのようにして知られましたか?

 A 医師 

以前勤務していた治験実施施設の同僚ドクターが製薬会社に転職され、その際にお世話になった人材紹介会社さんとしてヒューマンダイナミックスさんのことを初めて知りました。

Q:人材紹介会社を利用されて良かったのはどのような点になりますか?

 A 医師 

2点あります。まず1点目は、多くのやり取りをしながら、私のこれまでの経験や専門性を十分にご理解いただいたうえで、今後私が活躍できるような案件を中心にご紹介いただけたことです。2点目は、豊富なご経験から、募集要項だけでは知り得ない様々な有用な情報や採用過程における適切なアドバイスをいただけたことです。特に、各面接後の製薬会社からのレスポンスのタイミングや内容の解釈、また入社時期の交渉など、私だけでは到底対応できなかったことをサポートくださった点が人材紹介会社さんにお願いしてよかったと思えたポイントでした。

Q:逆に、よくなかった点としては、どのようなことがありましたか?

 A 医師 

私が現職で大学業務のみならず国内製薬企業実施Phase1試験の医学専門家や外部コンサルタント等をしていたことから、一般的なアカデミアとは少し異なる状況にあり、そこを十分かつ正確に人材紹介会社さんにお伝えできていなかったというのはありました。ですが、そのことによって採用プロセスで問題が生じるようなことはなく、総じて人材紹介会社を利用して良かったと思っています。

Q:応募や面接に際しては、どのような準備をされましたか?

 A 医師 

まずは応募先の企業のことを調べました。中長期的なビジョンなどインターネットで入手可能な情報に目を通しました。実際の面接に関しては、グローバル企業だったこともあり、3回の全ての採用面接が英語で行われました。これまで英語での面接は受けたことがなかったので、一般的な想定質問に加え、そのポジションに関連する細かなことまで質問されたときに備えて準備をしました。

Q:入社が決まるまでに、どのくらい時間を要しましたか?

 A 医師 

最初の面接から入社が決まるまでは約3ヶ月でした。最終面接が終わってから他の応募者との兼ね合いもあり1ヶ月ぐらいかかりました。

Q:医局の教授あるいは所属の上長には、いつの時期にどのようにして退職を相談されましたか?

 A 医師 

採用内定のご連絡をいただいた翌日に話しました。良いご縁があれば製薬業界に戻りたいということは以前からお伝えしていましたので、話はスムーズでした。教授ご自身も大手グローバル製薬会社に長年在籍していた経験をお持ちで、先輩として私のオファーレターの内容チェックまでしてくださいました(笑)

Q:転職先の会社が決まり、入社日までにはどのような学習や準備をされましたか?

 A 医師 

まずは現職の多岐にわたる業務の整理です。大学内外で治験関連業務を行っていましたので、一番にそこに手をつけました。同時に、学問的な知識のアップデート、そしてサイエンスとビジネス両方の側面から英語で有用な議論ができるように英語力を強化しました。

Q:製薬会社への転職において、重要な点としてはどのような事項があるとお考えですか?

 A 医師 

これは製薬会社への転職に限らないことですが、やはり自分のキャリアに対するビジョンを簡単にでも持っておくことが重要かなと思います。その中に“臨床現場以外でのキャリア経験”という選択肢が入っているなら、私は迷わず製薬会社MD職をお勧めします。私はすでに製薬企業勤務の経験があり、医師が製薬企業で働くというのはどのようなものかを知っています。私の場合は「また戻りたい」と思えるほどフィットしていたのかもしれません。ですが、残念ながら臨床から来た先生方の中には「思っていたのと違った」と感じて半年も経たずに企業を去り臨床に戻る先生もいらっしゃいます。でもそれ自体は何の問題もないと私は思っています。合うか合わないかはやってみないとわかりませんので、重要なのは「新薬開発の世界」という新たな分野に飛び込んでみるモチベーションだと思います。臨床を離れることで医療に貢献できなくなるわけではなく、むしろ新薬開発の分野で成し得ることこそ真に未来の医療への貢献につながるという視点でみると良いかもしれません。

Q:製薬会社で勤務を考えられている臨床の先生方や医学生に一言コメントをお願いいたします

 A 医師 

医師となり経験を積み、専門性も携え、ご自身の強みをこれからどう活かすかを考える時、より大きな視点から「医療への貢献」について考えてみてください。革新的な新薬の開発は世界の医療標準を変えることが可能となり、それは全て患者さんへ還元されます。そして、医療現場の真のメディカルニーズを知り、それを新薬の開発に取り入れることができるのは現場で働いた経験をもつ医師のみです。その貴重な「経験」と臨床医としての「肌感」をぜひ新薬開発の現場で活かしてみてください!!

<インタビュアー>

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堤 康行(つつみ・やすゆき)
株式会社ヒューマンダイナミックス
代表取締役社長

 

ノバルティス、イーライリリーおよびCROのパレクセルで、主に臨床開発とメディカルアフェアーズ部門に所属し、約30年間にわたり各部門の企業医師と業務を共にする。製薬企業およびCROでの業務内容のみならず、近年の製薬企業動向や雇用条件も含めたクローズ情報に精通。その確かな経験と豊富な情報をもとに、製薬業界への医師転職サポートを行う。

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