記事・インタビュー

夜間・休日往診代行サービス ON CALL 代表 符 毅欣(ふう たかよし)によるシリーズ記事の第5回をお送りします。
2040年ピークを見据えた、地域のいびつな伸び方
厚生労働省の将来推計によれば、在宅医療を必要とする高齢者数は2040年前後に全国でピークを迎えるとされる。団塊世代の後期高齢化により、地域によっては外来よりも在宅のほうが多くなる時代がやってくる。

しかし、その伸び方は均等ではない。都市部では在宅患者数が急増する一方で、地方では医療機関そのものが減少し、夜間・休日の医師確保が難しい地域も少なくない。24時間体制を整備している在宅医療機関は全国の4割に届かず、夜間の往診依頼に応えられないエリアは広がっている。
この「都市と地方の非対称な伸び」は、医療資源の偏在の象徴であり、今後の在宅医療を左右する最大の課題だ。ON CALLでは、この“余白”をどう埋めるかを、事業の課題として見つめている。


効率では測れない、地方のペインに挑む

会社としてON CALLが常に問い続けてきたのは、「どうすれば地方にもこのバックアップサービスを展開できるか」ということだ。
都市部のモデルをそのまま地方に持ち込んでも、距離・気候・医師数の問題が立ちはだかる。現場への移動、夜間の待機、通信環境の確保──いずれも都市より手間とコストがかかる。それでも地方こそ、ペインが深い。疲弊する医師、対応できない看取り、不安を抱える家族。そこにこそ支援が必要だ。
だからON CALLは「効率では測れない価値」を追求する。
医師が地方で働く際に発生するすべての要素―移動、宿泊、通信、情報共有―を一つずつ可視化し、サポート体制を整備する。現在は、遠隔指示・電話再診の代行を含めたバックアップ体制を設計中で、どの地域でも同じ品質で夜間医療を届けられる仕組みを模索している。
私たち以外の事業者でも、新しい発想が生まれている。
たとえば「ふるさと診療」。都市で常勤として働く医師が、自分の出身地や縁のある地域で短期的に往診や遠隔診療を担う。月1回や週末のみのハイブリッド参加であっても、地方の医療を支える大きな力になる。そのような支援の動線を生み出すことも、私たちが目指す医療の循環だ。
共創でつくる、地域医療の新しい形
地方展開を進める上で、ON CALLが最も重視しているのが“共存設計”である。
医局・医師会・行政のそれぞれと対話を重ね、単発の展開ではなく地域の体制に組み込む形を目指す。医局とは、教育プログラムの一部として若手医師が地域医療に参加できる枠組みを検討する。医師会とは、地域診療所との連携や後方支援体制を共に設計する。行政とは、夜間体制やICT導入の支援を行うための予算編成を取り組む。
ある地域では、コールセンターを中核にした共同運用モデルを試行し、週末の医師配置を共同で行う仕組みが生まれつつある。
こうした取り組みは、単なる受け皿づくりではなく、地域の意思を支える仕組みづくりだ。誰かが一時的に助けるのではなく、地域が自ら続けられる形を共に探す。
その中心に、ON CALLのプラットフォームがある。
あなたの余白が、地域を支える力になる

ON CALLが描く未来は、都市と地方の医師が双方向につながる社会だ。
都市で常勤勤務を続けながら、夜間や週末に地方の患者を支える。オンラインや電話再診を活用しながら、遠隔で地域医療に関わる。月に一晩の「余白」が、地域の安心を支える仕組みを動かす。
ON CALLは、その余白をつなぐプラットフォームでありたい。
「地方に行けるかではなく、地方をどう支えるかを考える時代にしたい」
2026年には関西圏への展開を皮切りに、九州・東北・北海道へと拡大を予定している。地域特性に合わせた拠点設計と、行政・医師会との協働を前提に、全国で“持続可能な夜間医療”を形にしていく。
あなたの時間の余白が、誰かの暮らしを支える。
ON CALLは、そんな未来の一員となる医師を待っている。
【 夜間在宅で切り拓く〈第三の医師像〉シリーズ 】
- ① 医療の空白を埋めるプラットフォームを創る
- ② 30秒で医師が動く!オンコールDXの裏側
- ③ 0 → 1 の資金調達:保険診療でも「成長曲線」は描けるか
- ④ 時間外・自宅待機往診バイトの働き方
- ⑤ 都市と地方、その“医療の余白”をつなぐ―在宅医療の新しい循環へ ※今回

符 毅欣(ふう たかよし)プロフィール

無料ダウンロード|ONCALL 医師専用アプリ
iOS:https://apps.apple.com/jp/app/on-call/id6472429135
Android:https://play.google.com/store/apps/details?id=com.oncall.spotmatching
限定登録コード:EKRS4KZU
(登録方法)
1. アプリをインストール
2. コードを入力
3. 以下の書類をアップロード
・医師免許証
・保険医登録票
・臨床研修修了証
夜間・休日往診の最前線へ。
今すぐ無料でダウンロードし、ONCALLネットワークに加わりましょう。
株式会社on call 公式サイト:https://oncall-japan.com/
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