記事・インタビュー
目黒駅から徒歩約3分という好立地に立つ「けいクリニック」。在宅医療を専門としながらも、循環器分野を中心に病院に近い対応が可能とあって、多くの患者さんから信頼を集めています。
また、院長の温かな人柄やワークライフバランスのとれた職場環境、安定した収入面などから、在籍医師から高い評価を得ている点も好ポイント。入職した先生からも「人間関係が良く、働きやすい」との声が寄せられました。
「けいクリニック」の特徴や一日の流れ、求める医師像といった気になるポイントを、院長の伊藤敬一先生、勤務医の市野武司先生、A先生に伺いました。
<お話を伺った方>



Q: けいクリニックならではの診療体制や、他院にはない強みについて教えてください。

伊藤 先生
当院の大きな特徴は、循環器内科に強いことです。常勤医師が2名、非常勤医師が約9名在籍しており、そのうち6名が循環器内科医です。さらに、眼科・耳鼻科・精神科など、各分野を専門とする医師も揃っており、幅広い診療に対応できる体制が整っています。
例えば、肺炎をきっかけに心不全を発症した患者さんの場合でも、心不全が治ったあと、耳鼻科医が嚥下機能を評価し、必要に応じて対応ができます。また、眼科医もいるため、高齢者に多い緑内障の評価も可能です。在宅で嚥下内視鏡検査や無散瞳眼底検査といった専門的な検査もできるので、私もすごく助かっています。循環器内科という専門がありながらも、チーム全体で幅広い診療に取り組めることは、当院の強みと言えます。
Q: ドブタミンの投与や輸血にも対応していると伺いました。
伊藤 先生
患者さんの「自宅で最期を迎えたい」という思いを叶えるため、当院ではドブタミン持続静脈内投与や赤血球製剤・血小板輸血にも対応しています。実際に、ドブタミンを点滴投与しながら退院し、ご自宅で過ごした患者さんも何例かいらっしゃいます。
近年はフレイルと心疾患の関係が注目されていることから、人工知能による歩行解析も導入しました。
市野 先生
幅広い疾患に対応できるうえに専門性も備えたクリニックは、決して多くはありません。また、高齢になるほど痛みが長引いたり、入院をきっかけに認知症が進んだりと、さまざまな疾患が併発しやすくなります。当院の特徴である、病院に近い専門的な治療を在宅で提供できる点は、患者さんから選ばれるクリニックとして理想的な形に近いのではないかと思います。
Q: ほかに、なにか心がけていることはございますか?

伊藤 先生
なるべくご依頼を断らないことですね。主な訪問エリアは城南地区で、目黒駅周辺から半径4〜5kmほどですが、依頼があればできる限り対応します。可能な限り断らず、そしてできるだけ早く訪問することを常に意識しています。
市野 先生
「断らず幅広く診ること」と、先ほどお話のあった「専門性のある疾患にも対応できること」は、当院の2本柱になっています。さらに、訪問診療はチーム医療であるため、関連機関との密な情報共有が欠かせません。ケアマネジャーや訪問看護師、ヘルパーなどとも連携し、一体となって取り組むことも大切にしています。
Q: 患者さんは、やはりご高齢の方が多いのでしょうか。
伊藤 先生
患者数はおよそ300名で、その多くが80歳以上です。正確な統計は取っていませんが、平均年齢は90歳前後だと思います。疾患別では半数以上が循環器疾患で、なかでも心不全の患者さんが圧倒的に多いです。
市野 先生
循環器疾患以外ですと、脳梗塞の後遺症や脳血管障害の方、認知症の患者さんもいらっしゃいます。高齢の患者さんが多いため、整形外科・皮膚科・泌尿器科などに関わる多重疾患を抱えているケースも多く、対応する疾患は幅広いと感じます。
私自身は大学病院での勤務時に神経内科を専門としていたこともあり、神経変性疾患やパーキンソン病の患者さんも診ています。
Q: 循環器に強いと聞くと忙しいイメージがありますが、実際はいかがでしょうか。一日の流れも教えてください。

市野 先生
私は月曜から金曜までの週5日勤務で、勤務時間は8時半から18時までです。訪問先の約9割は居宅で、一日の訪問件数は午前・午後それぞれ3~5件、合計で10件ほどになります。
当院では医師とドライバー兼事務スタッフの2名体制での訪問を基本としていますが、日によっては別途ドライバーがつくこともあります。
A 先生
17時半以降のオンコールは夜間担当の先生が対応してくれるため、基本的に定時で帰れます。私自身、今年3月まで大学病院で当直をしていましたが、ここに来てから体調もずいぶん良くなりました。
夜間対応がない分、家族との時間も確保でき、土日祝日の休みに加えて、子どもの幼稚園行事など平日の予定にも柔軟に対応していただけます。ワークライフバランスが整った職場だと実感しています。
Q: オンコールは常勤以外の先生がご対応されているのでしょうか?
伊藤 先生
そうです。非常勤医のうち数名には夜間対応のみを担当してもらっており、勤務時間は17時半から翌朝8時半までです。仕事とプライベートのメリハリがつくようにと、その時間帯をお願いすることを決めました。
患者さんから「息子や娘が帰宅する19時頃に診てほしい」と頼まれることもありますが、病態に関わらない場合は「せめて17時頃までにできないか」とお願いするようにしています。相談してみると、意外と融通がきくことも多いんです。こうした調整は、医師のQOLの向上にもつながっていると感じています。
市野 先生
時間外対応については各勤務医の判断に任されています。例えば、夜間担当医に交代する直前の依頼は引き継いでも構いませんし、逆に、勤務時間を過ぎていても自分で対応したい場合はそうすることも可能です。その際は残業手当も支給されます。
Q: 職場環境はいかがですか。

市野 先生
スタッフは皆穏やかで、横のつながりも良好です。院長がすごく細やかに気を配ってくれる方なので、入職する先生はやりやすい環境だと思いますよ。
A 先生
院長は、ご自身の働き方はアグレッシブですが、人柄はとても柔らかです。他の医師も何かあれば丁寧に教えてくれますし、事務スタッフもフレンドリーにサポートしてくれます。
Q: A先生は今年の春にご入職されたばかりですが、前職とのギャップや在宅医療に対する印象の違いなどはありますか?
A 先生
病院と同じようなエコー検査や点滴治療が可能で、想像していた以上にやりがいを感じています。
私はこれまで大学病院など急性期の病院で勤務してきました。循環器を専門に選んだのも、全身を診られること、そして急性期から慢性期まで幅広く対応できることに魅力を感じたからです。
訪問診療に関心を持った際、当院の循環器に強いという点に惹かれ、自分の専門性を活かせるのではないかと入職を決めました。とはいえ、一般的に在宅医療というと“内科全般を診る”といったイメージが強く、当初は不安もありました。しかし、実際にはこれまでの経験を発揮できるだけでなく、ワークライフバランスや年収面も充実しており、とても満足しています。
Q: 常勤医師を募集中とのことですが、求めるスキルや経験があれば教えてください。
伊藤 先生
スキルがあるに越したことはありませんが、特別な条件は設けていません。採血やバルーンなど、基本的な処置はどの先生も対応できると思いますし、必要なことは入職後に指導できます。訪問診療が未経験の先生には、同行して学んでいただくことも可能です。スキルや経験よりも、人柄の良さとフットワークの軽さを重視しています。
市野 先生
患者さんのほとんどが多重疾患を抱えているため、いろんな経験をもった先生にいらしていただけると良いのではないかと思います。
Q: 最後に、求職者へのメッセージをお願いします。
市野 先生
当院には循環器をはじめ、さまざまな専門分野の医師が在籍しています。わからないことは互いにフォローし合える体制があり、風通しも良いのでストレスなく働ける環境です。特に若い先生にとっては、視野や知識を広げる学びの場になると思います。
A 先生
院長はクリニックの症例で日本循環器学会での発表もされておりますし、入職される先生は臨床だけでなく研究の面からもアプローチできる点が魅力です。
私個人としては、今の働き方に疑問を感じている同世代の先生には、ぜひおすすめしたいです。話を聞いたり、見学したりするだけでも、きっと有意義な経験になるはずです。

伊藤 先生
将来的な法人化を見据え、超高齢化社会で多く見られるフレイルや心疾患・循環器疾患に対応しつつ、眼科や耳鼻科など幅広い診療分野をカバーできるクリニックを目指しています。都会の在宅医療は、とても面白い世界です。目黒区の中心で在宅医療に挑戦してみたい方に、ぜひ来ていただきたいですね。
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けいクリニック
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