記事・インタビュー
「いろは耳鼻咽喉科」では、将来開業を目指す医師を募集しています。
開業からわずか3か月で、一日200人超の外来患者が受診した「いろは耳鼻咽喉科」(兵庫県姫路市)。そのノウハウを、現場で学んでみませんか?現在、将来の開業を目指す医師を対象に、働く医師を募集しています。診療だけでなく、面接やマーケティングなど、戦略の舞台裏まで肌で学べる貴重なチャンスです。このユニークな募集の背景にある想いを院⾧の森田成彦先生に、勤務の魅力を常勤の先生方に伺いました。
<お話を伺った方>

開業3か月で一日の来患200人を実現。選ばれる耳鼻咽喉科の仕組みとは
Q: クリニックを開業されたきっかけや、当時描いていたビジョンについて教えてください。

森田 先生
「開業したい」という思いはもともと持っていました。30代後半に差しかかる頃、大学の先輩の先生から、クリニックで勤務してみないか?と声をかけていただいたことをきっかけに、開業の道に進みました。自身の開業にあたって掲げた目標は、「一日200人の患者さんが来てくれるクリニックをつくること」です。その実現のために、マーケット分析には相当力を入れました。特に土地選びにおいては、競合施設の数や立地、人口マップなど、さまざまなファクターを数字で出し、流行るクリニックを逆算して場所を選定しています。また、人の深層心理の話になるのですが、「友達の評判」「ネットの口コミ」「野立て看板」といった複数の接点があると、記憶が上乗せされて強く印象に残るんです。例えば野立て看板を設置する際には、自分で運転しながら信号で止まりやすい場所や視認性の高い場所を探しましたね。こうした戦略が奏功して、開業から3か月後には、一日200人という目標を達成できました。
Q: 現在の患者数はどのくらいですか?また、周辺機関との連携はいかがでしょう?
森田 先生
平常時で一日あたり250人から350人ほどの患者さんにご来院頂いております。繁忙期には、400人から500人ほどの患者さんが受診されます。患者さんの年齢層は0歳から90代の方までさまざまです。男女比にも偏りはなく、扱う疾患の種類も多岐にわたります。現在では、姫路市内の主要な医療機関と連携が取れており、最近では岡山の大学病院からも紹介状をいただくようになりました。
Q: スタッフ体制や診療の仕組みづくりについてもお聞かせください。

森田 先生
現在、常勤の医師は3名体制で診療にあたっており、看護師は3名、医療事務は15名が在籍しています。医師が複数体制で診療を行っている点は耳鼻咽喉科では珍しく、当院の特徴です。設備面では、WEB問診や自動精算機、電子決済といった医療ITツールを数多く導入しています。
Q: 多忙な中でもスタッフがモチベーションを高く働けるよう、意識していることはありますか?
森田 先生
当院では「多くの患者さんに来ていただくこと」をprimary end pointに掲げ、その実現に向かって全員で走り続けています。そして、共に働くスタッフの生活の質を高めることも、開業当初から変わらず大切にしてきました。マネジメントで重視しているのは、「自分が事業主だったらどう行動するか」を常に考えてもらうことです。自分が事業主ならその振る舞いを選ぶか、という視点を持つことで、自然と行動が変わっていきます。同時に、スタッフのコンディションへの配慮も欠かしません。医師は働きすぎる傾向があり、労働時間の感覚にズレが生じがちです。そのギャップを放置せず、注意を払うことを意識しています。
マーケティングから面接まで。開業のリアルを肌で学ぶ
Q: 開業意向のある医師を対象に募集する理由を教えていただけますか?

森田 先生
私は、耳鼻科医は「開業」の選択肢を持つべきだと考えています。勤務医として働いていると、将来や収入面に不安を感じることもあるでしょう。だからこそ「開業できる」という考え方を持ってほしいのです。とはいえ、開業はビジネスです。誰でも成功できるわけではありません。そこで、開業を目指している先生や興味を持ち始めた先生がいらっしゃれば、数年間関連病院へ行ったつもりで、ぜひ当院に来ていただきたいのです。なぜなら、自力でトライ&エラーを繰り返すより、まずは当院で診療の動線や仕組みを学び、その後、自分のスタイルにアレンジしていく方がはるかに効率的だからです。もちろん、福利厚生や社宅などのサポートも整えています。そして数年後にはご自身の城を築いていただく。そのための土台として、どこよりも良いものを提供できると自負しています。
Q: 実際に、どのようなことを学べるのでしょうか。
森田 先生
現在在籍している医師も開業を目指しており、マーケティングや不動産、業者との交渉といった、開業に必要なノウハウを学んでいます。最も大切にしているのが、「どんな目的を持ち、どう走るか」という“姿勢”です。たとえば手術を例にとると、一度見学し流れを理解できても、すぐに再現できるわけではありません。現場の中で“郷に入り、浴びるように千本ノックを受ける”——そんな感覚で自然に体得していくプロセスこそが、私の考える理想の学び方です。そうした経験を積み重ねていくことで、3年後には勝てるビジネスマンに育つと信じています。
Q: 入職された先生には、事務スタッフの面接にも参加してもらっていると聞きました。その狙いは?

森田 先生
面接は、組織づくりにおいて非常に重要なスキルです。開業した際、面接に来る医療事務や看護師のほうが人生経験に⾧けている場合も多く、院⾧になりたての段階では太刀打ちできないこともあります。面接に正解はありませんが、私が何を見て、どんな質問をして、どのように話を展開しているのか。そうした細かなポイントを“一つの型”として隣で見ることは、きっと勉強になるはずです。また、実際の場面でしか味わえない緊張感は、練習では得られない学びがあると考えています。
Q: 募集する先生の勤務日数を週3.5~5日から選べるようにしているのには、どんな意図があるのでしょうか?
森田 先生
私は「もし自分がこの職場で働くとしたら?」という視点を大切にしています。今、自分が開業を目指す医師だったら…と考えると、週3.5日程度の勤務が診療とのバランスがとれ、ちょうど良いと感じたのです。診療以外にも、土地選びや業者との関係づくりといった開業に必要な学びは多くあります。また、プライベートの充実も欠かせません。そうした背景から、勤務日数は週3.5日~5日と設定しました。私の持論として、「事業をやるときは、いつでも片手を空けておくべき」だと思っています。チャンスが巡ってきたときに、すぐに手を伸ばせる状態をつくっておくこと。それが、今回の勤務体系にも込めた思いです。
ここでの経験が、開業への最短ルートに
Q: 今後の展望を教えてください。
森田 先生
私自身は開業当初に掲げた目標を達成し、現在は、その実現のために構築した仕組みを、他の先生でも再現できるかどうかが新たなテーマになっています。 最近では、若い先生たちが当院に来てくれること、一緒に働けること自体が幸せだと感じるようになりました。だからこそ、彼らが満足できるようなモデルを提示していくことが、これからの課題だと考えています。私自身は分院をつくるつもりもなく、それよりも、当院で学んだ先生が各地で自分のクリニックを立ち上げ、活躍してくれることのほうが、地域への貢献として意義があると考えています。
Q: 応募を検討している先生方にメッセージをお願いします。

森田 先生
開業を考えている先生がいらっしゃれば、ぜひ一度お会いしたいです。ご都合が合えば、こちらから先生の近くまで伺うこともできますし、WEB面談も可能です。今抱えている課題や悩みを言葉にするだけでも、自然と深掘りが進み、明確な道筋をたてられるようになると思います。視座の高さを是非体感してください。
常勤医師インタビュー
ここまで「いろは耳鼻咽喉科」の特徴や募集内容について院⾧先生にお答えいただきましたが、実際のところはどのようなものなのでしょうか。同院の二人の常勤医師に詳しくお伺いしてみました。

耳鼻咽喉科 A先生 インタビュー
他院との違い
A先生は、前職と比較して以下の3つのメリットを強調しています。
- 1.経済的メリット
基本給が厚遇されており、月々の売上に応じた報酬も加算される仕組み。 - 2.経営学習的メリット
開業に必要な知識(立地選定、資金計画、融資方法など)を実務を通じて学べる。スタッフ採用の面接も経験でき、経営者視点を養える。 - 3.時間的メリット
週3.5日〜5日勤務まで柔軟に対応可能。開業準備やプライベートの時間も確保しやすい。
いろは耳鼻咽喉科の魅力
- 圧倒的な患者数(閑散期130人/半日、繁忙期280人/半日)により、診療経験が豊富に積める。
- 売上が安定しているため、待遇面も良好で離職率が低い。
- 患者とのコミュニケーションを重視し、地域に根ざした診療を実践。
- クレーム対応も院長が的確に行い、安心して診療に集中できる。
おすすめしたい医師像
- 一定の診療スキルを持ち、将来的に開業を目指す方。
- 経営や資産形成に関心がある方。
- 繁忙期の外来にも前向きに取り組める体育会系の方。
- 院長のサポートのもと、仕事とプライベートを両立したい方。

耳鼻咽喉科 B先生 インタビュー
勤務のきっかけ
大学病院勤務時代に森田院長の診療を見学したことがきっかけ。患者への丁寧な対応と的確な診察に感銘を受け、「こんな外来をしたい」と強く思ったという。開業志向もあり、いろは耳鼻咽喉科の医師募集を見て応募。6年越しの思いが実を結んだ。
いろは耳鼻咽喉科の魅力
- 患者数が多く、臨床経験を積むには最適な環境。
- カルテ代行入力により診療に集中でき、質の高い診療が可能。
- 患者の表情や仕草を観察する時間が増え、ニーズを的確に把握できるようになった。
- 院長の経営判断を間近で学べる点も魅力。診療と並行して経営感覚を養える。
おすすめしたい医師像
- 患者や家族の不安に真摯に向き合える方。
- 将来開業を考えている方。
- 診療と経営を同時に学びたい方。
イメージ写真
いろは耳鼻咽喉科
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