記事・インタビュー

2025.08.01

医療から介護まで。患者の一生を見守る、地域医療の担い手に

医療から介護まで。患者の一生を見守る、地域医療の担い手に

鹿児島県指宿(いぶすき)市に所在する「医療法人浩然会 指宿浩然会(いぶすきこうぜんかい)病院」は、2024年に創立60周年を迎えました。一般・地域包括ケア・回復期リハ・医療療養と4つの病棟を持ち、健康管理センター、訪問診療、さらには介護にも力を入れ、地域医療の中心的役割を担っています。
医療から介護までつながるシームレスな医療は、働く医師にとっても、一人の患者さんを様々なステージで長く診ることができる魅力があります。
今回は、同院の特徴や働き方について、理事長、病院長、常勤の先生にお話を伺いました。

<お話を伺った方>

大重 太真男 先生

理事長
大重 太真男 先生

1951年生まれ、鹿児島県指宿市出身。鹿児島大学卒業後、第二内科(現:消化器疾患・生活習慣病学)に入局。2年目から循環器内科へ。心臓カテーテル検査・治療を専門とする。指宿浩然会病院に赴任後、心臓カテーテル室を設置し、専門的な医療の強化を行う。

大重 和典 先生

病院長
大重 和典 先生

1969年生まれ、鹿児島県出身。久留米大学卒業後、鹿児島大学消化器内科に入局。大学及びその関連施設にて10年間勤務の後、2004年に指宿浩然会病院に入職。2016年病院長に就任。職員の福利厚生の充実や、社会貢献活動を通して地域とのつながりにも尽力する。

坂元 士月 先生

坂元 士月 先生

1993年生まれ、鹿児島県出身。鹿児島大学卒業。三重大学で初期研修の後、同大学にて総合診療科を専攻。専門研修の途中で地元の鹿児島に戻り、県内の急性期病院で総合診療科の専門研修プログラムを修了。転職活動を経て、2025年指宿浩然会病院に入職。

シームレスな医療で、地域医療全体を守る

Q:指宿浩然会病院で働くことになった経緯を教えてください。
坂元 先生

 坂元 先生 

出身は鹿児島大学ですが、初期研修は、総合診療科の専門研修プログラムが充実している三重大学に進みました。初期研修が終わり、いよいよ専門研修が始まったところで、家庭の事情から鹿児島に戻らなければならなくなりました。県内の急性期病院で2年半の研修の後、指宿浩然会病院に入職しました。
転職エージェントを利用しての転職だったのですが、当院への入職の決め手となったのは、総合診療の専門性が発揮できること、プライマリ・ケアが実践できる病院であったことです。また自分のこれからのライフステージを考えると、急性期病院よりも、患者さん一人一人にじっくりと向き合い、多様な医療を展開している当院がマッチしていると感じたことも、転職理由のひとつです。

Q: 1週間の勤務スケジュールを教えてください。

 坂元 先生 

月曜の午前中は病棟担当、午後は往診の当番です。火曜の午前中は外来担当、水曜の午前中は病棟、午後からは訪問診療を担当します。
木曜は午前も午後も病棟勤務です。この日は時間に余裕があるので、書類仕事を集中してやっています。木曜は当直ですが、まったく眠れないということはありません。
金曜は当直明けなので午前までの勤務か、休みになります。土日は基本的に休みです。その他、月に1回往診待機の当番があります。

Q:指宿浩然会病院の特徴について教えてください。

 大重 理事長 

設立は1964年、おかげさまで創立60周年を迎えました。「地域の高齢者医療に貢献する」をスローガンに掲げています。急性期を担う一般病棟、回復期リハビリテーション病棟、地域包括ケア病棟、医療療養病棟に加え、居宅介護支援事業所、通所リハビリテーション、健康管理センター(人間ドック)を有し、医療から介護まで切れ目のないシームレスな医療を展開している点が特徴だと思います。
私の赴任後は心臓カテーテル室を設置し、急性期医療も充実させました(冠動脈造影はこれまで300例ほどの実績)。医師の数も増え、地域の皆さまに信頼され、なくてはならない存在に成長できたのではないかと思っています。

 大重 病院長 

健康管理センターを中心に予防医療の充実も図っています。高齢者が多い地域であることから、骨粗鬆症やフレイルの予防には特に力を入れています。

Q: 指宿市の医療体制における指宿浩然会病院の役割について教えていただけますか。
大重 理事長

 大重 理事長 

コロナ禍を例にとってみると、地域の中核病院である国立病院機構指宿医療センターがコロナ患者を受け入れ、当院が主に一般の急性期患者の受け入れを担いました。
コロナ禍以降も、地域医療全体を守るために患者さんが指宿医療センターのみに集中しないよう積極的に患者さんを受け入れることが当院の役割だと思っています。

一方で、指宿市の高齢化がさらに進み、人口が減っていくことが予想されることから、今後は在宅医療がさらにニーズを増してくると考えています。訪問診療を行っている患者さんは現在月間100名程ですが、今後はこの分野を更に充実させていきたいと考えています。

個人を尊重する働き方を実現。スタッフの連携やサポートも充実

Q: 指宿浩然会病院に転職された坂元先生にお伺いします。入職前後のギャップはありましたか。
坂元 先生

 坂元 先生 

あまり大きなギャップはありませんでした。強いて言うなら、早期・回復期・維持期のリハビリテーション、在宅での訪問・通所リハビリテーションなど、リハビリテーションや予防医療には想像以上に力を入れていると感じました。
自分の専門である総合診療、プライマリ・ケアについては、入職前のイメージ通りの医療が実現できています。実際に働いていると、一人の患者さんを様々なステージで長く診ることができる、それがこの病院で働く魅力の一つだと思います。
もう一つ、ぜひお伝えしたいのが、コメディカルの質の高さです。特定看護師の数が多いだけでなく、1人1人が患者さんのために何ができるかを自発的に考え、実践する風土が病院全体にあり、医師としても大変働きやすく感じています。

 大重 理事長 

スタッフの能力がもっと発揮できるよう、多職種連携も進めています。また、栄養管理委員会、褥瘡委員会、緩和ケア委員会など委員会活動も活発です。医師はもちろん、看護師、リハビリのスタッフ、介護士、管理栄養士、薬剤師、医療ソーシャルワーカーとの話し合いも頻繁に行い、日頃から連携を図っています。

Q: プライベートとの両立などQOLについてはいかがでしょうか。

 坂元 先生 

今のところ残業は、ほとんどありません。入職してから1ヶ月ほど経過しましたが、残業はトータル10時間もなかったと思います。訪問診療の往診や、病棟のオンコール対応もありうると聞いていましたが、今のところ出動したことはありません。
唯一気掛かりだったのが、私が住んでいる鹿児島市から指宿市までの通勤です。車を運転して片道1時間ほどかかります。最初は疲れるんじゃないかと不安だったのですが、慣れてきました。海沿いのきれいな道を走るので、きれいな景色を眺めながらの通勤に、あまりストレスは感じなくなりましたね。

大重 病院長

 大重 病院長 

勤務については個人の希望を聞いて、可能な限り実現できればと思っています。勤務日数については、基本的に週4日か週5日です。病棟は主治医制ですが、当直医師が全てを担当するので17時の定時で帰ることが可能です。自分の時間をしっかりと確保して、メリハリのある生活をしてほしいと思っています。

 大重 理事長 

医師の働き方が大きく変わっています。プライベートはプライベート、仕事は仕事ときちんと分ける、今の時代に合った働き方をしてほしいと思います。

Q: 病院長と理事長にお伺いします。どのような医師と一緒に働きたいですか?

 大重 病院長 

当院の患者さんは内科系疾患が多く、内科全般を幅広く診ることが出来る医師に来てほしいですね。また、当院の年齢層・医師体制は、最高齢が74歳の理事長、その下が72歳、60代が1人、50代が2人、そして30代が1名の8名体制です。医師の定年は65歳ですが、定年後も引き続き勤務していただいています。全体的に高齢化してきており、代替わりの時期に来ています。

大重 理事長

 大重 理事長 

一人の患者さんの命を長く預かるという点では、慢性期医療も大変な仕事であるということを、この機会にぜひとも伝えたいですね。
急性期医療の医師が短距離選手なら、慢性期医療は長距離選手。長距離には長距離なりの難しさがあり、そのための努力が必要です。患者さんやご家族に寄り添える、スタッフと良好なコミュニケーションがとれる医師であってほしいと思っています。

Q: 最後に、指宿浩然会病院に転職を考えている方にメッセージをお願いします。
大重 病院長

 大重 病院長 

昨年電子カルテを導入し、医療の質も上がってきました。地域との交流も多く、さまざまな社会貢献ができる病院です。地域医療に興味がある、熱意のある方のご応募を待っています。
また、在宅医療は非常にやりがいがあり、面白い分野です。これからこの世界に飛び込もうと考えている医師に、安心して力を発揮していただける環境を整えていきたいと思っています。関心のある人に、ぜひ来ていただきたいですね。

 大重 理事長 

病院の魅力はもちろんですが、指宿の魅力も感じてもらえたらと思っています。指宿は海も山もあって、自然が豊富なところです。砂むしに代表される有名な温泉地ですので、温泉好きの人にはぴったりだと思います。

 坂元 先生 

総合診療やプライマリ・ケアをしたい先生におすすめの病院です。また、今はない診療科や領域であっても地域に必要とされるのであれば投資をしてくれる病院ですので、自分が思い描く医療を実現することもできます。ぜひ一緒に働きましょう!

指宿浩然会病院では一緒に働いてくれる医師を募集しています。
外観

鹿児島県指宿市十町1130番地

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指宿浩然会病院

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