記事・インタビュー
ストリートメディカルラボは、横浜市立大学先端医科学研究センター コミュニケーション・デザイン・センター(YCU-CDC)と株式会社Look at Peopleが共同で運営し、「病を診ずして、人をみる」をポリシーに2019年に開校しました。
学長は、「ストリートメディカル」を提唱した武部 貴則が担当。武部は史上最年少31歳で東京医科歯科大学(現東京科学大学・横浜市立大学の教授に就任し、再生医学研究者で注目を集めると共に2024年にはイグ・ノーベル賞受賞でも話題になりました。
今回の記事では、ストリートメディカルという概念や、その人材育成を行っているストリートメディカルラボについてご紹介しています。
また、新年度からのストリートメディカルラボ第6期開講に先駆け、学長 武部 貴則による特別講義(体験授業)を3月11日(火)行います。参加費は無料です。こちらよりお気軽にお申し込みください。
武部 貴則 学長
大阪大学 大学院医学系研究科 器官システム創生学 教授、東京医科歯科大学 統合研究機構 教授、横浜市立大学 特別教授/コミュニケーション・デザイン・センター センター長、シンシナティ小児病院 オルガノイドセンター 副センター長、シンシナティ小児病院 消化器部門・発生生物学部門 准教授、日本再生医療学会 理事、日本分子生物学会 会員、日本癌学会 会員、日本臓器保存生物医学会 会員、日本移植学会 会員、国際幹細胞学会、2024年イグ・ノーベル賞受賞
ストリートメディカルについて
これまで医療は「病(Disease)の回復」を目的として、2000年以上の歴史とともに発展を遂げてきました。
私たちはこれからの医療は、「ヒューマニティー(Humanity)の復権」を追究することを目的とした、より高次元の体系へ拡張していくと予測しています。
Disease(病)を対象とした医療においては、医科学が明らかにした再現性の高いエビデンスに基づいて、再現性の極めて高い固定された方法論を受療者に提供することが求められてきました。
しかし、Humanityの復権を目指す医療においては、このような病の予防や治癒を目的とした実践は、医療の一側面に過ぎないのではないでしょうか。もっと言えば、健康か否か、病気か否か、治療か否か、などのいままでの医学的基準で、対象を区切ること自体がナンセンスであって、人間らしい生活をおくることを目的とした実践が医療のコアに変わっていくものと考えています。
このような背景を、Medicine for Humanity時代へのシフト、と定義し、それに対応する実践技法を、Street Medicalと呼ぶことで、その可能性を社会に提案していきます。
ストリートメディカルラボについて
ストリートメディカルラボは「医療とデザイン」一見相異なる2つの知見を兼ね備えた人材を育成輩出することを目的としています。
イノベーティブが求められる医療・製薬業界にデザイン人材の育成が重要になってきています。同時にデザインの力を広告やエンターテイメントで活躍していた方々には医療の分野でもっと発揮できる時代になってきてます。
ストリートメディカルラボはデザイン・医療のバックグラウンド持つ講師、そして受講生が学び議論し、社会貢献に繋がる企画を実装するスクールです。
現在、2025年4月26日から開講予定の第6期受講生を募集中です。講義のテーマや講師は詳細ページよりご確認ください。
ラボの特徴
多様な受講生
医療関係者やコメディカルな方をはじめ、ビジネスパーソン、デザイナーや起業家など学生など、さまざまなバックグラウンドな人材が集い議論します。普段の仕事や生活では合間見れない人々との議論が多くの化学反応を生んでます。
講師陣は各業界のトップランナー
デザイナー・クリエイター・建築家・コピーライター等、各ジャンルの最前線で活躍する講師陣から、発想・着眼・社会実装プロセスまで、多くを学び体得していきます。
< 講師陣(一部抜粋)>

ステラサイエンスファウンデーション ストラデジックデザイナー
Sean McKelvey
米国ナロパ大学卒業後、来日。世界初の量産型エモーショナルコンパニオンロボット「Pepper」の企画開発の担当を経て、BCG Digital Venturesにて、大企業のゼロイチのデザインドリブンイノベーションへの挑戦を支援。旅行、アート、建築などの分野にて、スタートアップの起業に携わる。パーソンズ・スクール・オブ・デザインでStrategic Design and Managementの修士号を取得。

メディカルノート共同創業者 医師
井上 祥
2009年横浜市立大学医学部卒。横浜労災病院初期研修医を経て2011年より横浜市立大学大学院医学教育学・消化器内科学、2015年3月医学博士(甲号)を取得。医師として多数のベストセラー医療書籍を執筆し、在学中よりメディカルノートを創業。一般生活者の医療リテラシー向上を理念に医療情報サイト「メディカルノート」を2015年3月に立ち上げ。2008年北京頭脳オリンピック”WMSG”チェス日本代表。日本オリンピック委員会中央競技団体ドクターとして2013年仁川アジア大会チェス日本代表のアンチ・ドーピングを担当。東京都医学総合研究所客員研究員。ストリートメディカルラボ 参与

Every day is the day 共同代表 クリエイティブディレクター
佐藤 夏生
博報堂のエグゼクティブクリエイティブディレクター、HAKUHODO THE DAY代表を経て、2017年にブランドの課題解決ではなく、可能性創造をリードするブランドエンジニアリングスタジオ EVERY DAY IS THE DAYを青山尋紀と立ち上げる。 過去には、adidas、NIKE、Mercedes-Benzのクリエイティブディレクターを歴任。近年は、広告プロモーションから、商品開発、事業開発、VI、CI、空間デザインや都市のブランディング等、クリエイティブの社会実装を実践。 GOOD DESIGN AWARDをはじめ、ACCマーケティングエフェクティブネスグランプリ等受賞。2018年から、渋谷未来デザインのフューチャーデザイナー、横浜市立大学先端医科学研究センターのエグゼクティブアドバイザーを務めている。趣味は、珈琲と最近始めたスキー。

株式会社kenma 代表 ビジネスデザイナー
今井 裕平
神戸大学大学院を修了後、安井建築設計事務所、日本IBM、電通コンサルティングなどを経て、2016年に株式会社kenma創業。 企業の見過ごされた強みを発掘して、その会社の看板商品・サービスを創り出す 「フラッグシップデザイン」を提唱 。代表作のメモがわりに使えるリストバンドwemoは100万本を超える大ヒットを記録。その他、コクヨ初の賃貸住宅事業「THE CAMPUS FLATS Togoshi」、吸水スポンジタオル「STTA」、伊勢茶ボトルレンタルサービス「朝ボトル」など、数字で成果を示すことにこだわり、これまでにないユニークな商品・サービスを仕掛けている。 グッドデザイン賞をはじめ、IAUD国際デザイン賞、フェーズフリーアワードなど社会課題解決を対象としたデザイン賞を多数受賞。東京都「デザイン経営スクール」総合監修・講師。 2024年「ヒット商品を次々と生み出すデザイン会社」として、テレビ東京『カンブリア宮殿』に出演。
プロトタイプにチャレンジ
Book smartからStreet smartな人材になるには、理念やシステムをインプットするだけでなく、プロトタイプを生み出せる実務家が社会には必要と私たちは考えてます。授業も毎回ワークショップが行われ、何よりも対話を重要視しています。
カリキュラムは授業・ワークショップの他に個人ポスター発表 チームポスター発表が行われ、アウトプットスキルを養います。
過去のポスター企画
「更年期をポジティブに」
婦人科へのハードルを下げるパッケージデザイン
香りで神経疾患開発や健康意識向上を促す〜“Scent”チョコレート〜
受講生の声
明石医療センター 消化器内科医長
名方 勇介 医師
佐賀大学医学部附属病院 肝疾患センター
井上 香 医師
イベント
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