記事・インタビュー

2021.11.19

どんな医療施設でも力を発揮できる医師を目指し循環器内科医へ【Ubie③】

Ubie当記事は今大注目のヘルステック(テクノロジー×医療)を実践する人工知能(AI)による医療向けシステム及び生活者(患者)向けサービスを開発するスタートアップ、Ubie(ユビー)です。患者の利便性や医療効率を高め、医療現場の負担を軽減するデジタル問診システムの価値が上昇、近年その中でも特に注目される企業となっています。

当記事では、Ubieで働く白石先生に伺いました。

<お話を伺った方>

白石 達也(しらいし・たつや)
医師 循環器内科

どんな医療施設でも力を発揮できる医師を目指し循環器内科医へ

Q:白石先生はどのような経緯で医師を目指されたのですか。
Ubie白石先生

京都で生まれ育って、大学は京都大学医学部に進みました。実は医学部を選んだのは、「絶対に医者になりたい」という強い気持があったわけではありません。中学・高校と、自分の取り柄は勉強ぐらいしかないと思っていて、大学を選ぶ際、得意な勉強で安定的にご飯が食べられて、面白いことができる仕事はないか考えた結果、医師がいいと思ったのです。

そして、2013年に大学を卒業し、大阪市の北野病院で初期臨床研修を行いました。子供の頃から手先が器用だったこともあり、それを活かして外科医になりたいと当時思っていたので外科コースを選びました。医学生の延長のような感じで、上級医について学んだ2年間でしたね。

Q:後期研修で循環器内科を選んだのはなぜですか。

外科医は手術を行わないクリニックでは力を発揮できません。どんな医療施設でも自分の力を発揮できる診療科を選びたいと考えました。内科系で手先の器用さを活かせる診療科を考えた時、思い浮かんだのがカテーテル治療を手がける循環器内科です。心臓疾患の勉強も好きだったので、循環器内科を選びました。

その頃、関西を出て東京でチャレンジしたいと考えていたので、都内で循環器内科を学ぶにはどこがいいか探しました。江戸川病院に決めたのは、スタッフ一人当たりの手技の件数が多く、心筋梗塞だけでなく不整脈など手技のバリエーションが偏り過ぎていない点に魅力を感じたからです。

ITの可能性を感じ、アプリ開発の勉強を開始

Q:ヘルステックに興味を持ち始められたのはいつ頃からだったのですか。
Ubie白石先生

江戸川病院で循環器内科医として臨床経験を積んでいくうちに、疑問というか一つの想いが大きくなってきました。カテーテル治療など技術の進歩で、従来はできなかった方の治療もできるようになってきています。でも、そもそも病気にならないのが一番いいですよね。患者さんを病院に来る前になんとかできないだろうかと思ったのです。

とはいえ、医師一人ができることには限界があります。私自身も他の診療科のことはあまりわからないですし、これからキャッチアップしていくのも大変です。そんな時にAIの本と出会い、これはITで対応できるかもしれない。よし、アプリを作ろう。プログラミング勉強しようと思い、独学でPythonを学び始めました。

Q:どのような経緯でUbieと出会われたのですか。

Ubieが江戸川病院で開催した「AI問診ユビー」の説明会にたまたま参加したのがきっかけです。ちょうど検査結果の写真から文字を読み取るシステムを作ろうとして挫折していた時だったので、そのレベルの高さに驚きました。

その後、Ubieのメンバーと何回か会って、彼らの「テクノロジーで人々を適切な医療を案内する」という想いを聞きました。私自身、医療業界にもっとITを入れて業務効率化を図っていくべきだと考えていて、それをプッシュする人間になりたいと思っていましたので、入社を決意しました。もちろん病院から飛び出すことに不安もありましたが、もう一回臨床をやりたいと思ったら戻ればいいぐらいの気持でしたね。

エンジニア、デザイナー、ビジネスメンバーと共に新規事業開発に挑戦中

Q:Ubieに入ってからはどんな仕事に携わって来られたのですか。
Ubie白石先生

2019年4月に入社してから約2年間は「AI問診ユビー」の機能をブラッシュアップする業務に携わりました。そして現在は新規事業開発に携わっています。困っている人の課題を解決してお金を払ってもらう仕組みを考えて生み出すのがミッションです。

といっても、そんなことを医師ができるのかと思う方もいらっしゃるかもしれません。Ubieは既存の事業でも発明を繰り返すことが求められる組織で、ノウハウの蓄積があり、例えばゼロイチの事業ステージで何をどう考えればいいかを解説したガイドまで内製しています。また、会社として新規事業への理解もあり、本当のイチから起業するのに比べると、はるかにサポート体制が整っています。エンジニア、デザイナー、ビジネスメンバーと強力なメンバーが揃っているので非常に速いスピードで物事を進めていくことができるのです。新規事業開発という仕事は、ぼんやり浮かんだアイデアを形にしきる力が身に付いていくところに面白味を感じています。

Q:エンジニアやデザイナーなど、他職種の方とコミュニケーションを図るのは大変ではないですか。

確かに医療的なコンテキストは、他職種のメンバーと共有しづらいところはあります。しかし、それは逆もまた然りで、私もエンジニアやデザイナーのコンテキストをわかっているわけではありません。

理解を深めていくには、お互い理解できないという前提で、理解しようと努めていくことが大事です。そして、大きなビジョンに向けてメンバーのベクトルが同じ方向に向いていればうまくいきます。

Q:白石先生は面接も担当されているそうですが、面接のポイントを教えてください。

Ubieでは「ゼロベース思考」「ラーニングアニマル」「突破力」「全社への当事者意識」「論理性」「率直かつ建設的なコミュニケーション力」という6つの人材要件を独自に設定しています。少しでも興味がある方はぜひ見ていただきたいですね。

一緒に働きたいのは、医療をもっと良くしたいとか、人類全体をもっと幸せにしたいといったビジョンを持っている方です。Ubieはそんな壮大な夢を実現できる会社だと思っています。カジュアルな雰囲気で面談させていただきたいと思っていますので、構えず気軽にアプローチいただけたら嬉しいですね。

Q:ご自身の今後のビジョンをお聞かせください。

ITによって多くの人が健康になる世界づくりにコミットしていきたいですね。そのためにも、今任されている新規事業開発に力を入れて取り組んでいきたいと考えています。

それをやり切った後どうするかはまだ考えていません。薬を作ることに挑戦するのも面白そうですし、農業に挑戦しても面白いかもしれません。循環器内科以外の臨床に挑戦したいと思ったら、違う診療科の勉強をするかもしれないという感じですね。

白石達也

どんな医療施設でも力を発揮できる医師を目指し循環器内科医へ【Ubie③】

一覧へ戻る